マッタリ風景

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回顧モールスコードの覚え方

2018年05月06日 | Radio





How I have learned morse code.
「どのようにモールスコードを学んだか」

先日、Endeavour(新米刑事モース:オックスフォード事件簿)つながりから、久しぶりに電鍵の存在を思い出しました。
それで、モールスコードをどのように覚えたか思い出してみました。

なぜ、モールスコードを覚えたかというと、アマチュア無線のライセンスを取得するためです。
私がライセンスを目指した当時、アマチュア無線技士のライセンスには、電話級、電信級、第二級、第一級と4種類のライセンスがありました。
この中で、モールスコードを使った通信(電信:CW)を行なうには、電信級、第二級、第一級のいずれかのライセンスを得る必要がありました。
電信級、第二級、第一級の試験では、モールスコードの送信と受信の試験が筆記試験(工学と法規)へ追加されます。
ライセンスは、記載してある順番に上位のライセンス(ただし、電話級と電信級は同格)になります。
ライセンスの違いは、上級ほど大きな送信出力が許可(当時、10W、100W、500Wの区別)になることと、運用できる周波数(第二級と第一級は差なし)が少し増えることでした。
私は、結果として全てのライセンスを順番に取得しましたが、最終的には送信出力の恩恵には預かれませんでした、狭い住宅地で高出力の運用を行なうことはほぼ無理です。

一番最初、モールスコードを覚えることから始めました。
モールスコードは、短点(書くと「・」で表示)と長点(同じく「-」で表示)の組み合わせでできています。
例えば、アルファベットのaは「・ -(音で表せば、トン ツー)」となります。
試験で出題されるアルファベット、数字、その他の符号(訂正符号など)をひたすら覚えます。
ライセンスの試験には、送信と受信があります。
送信の練習は、電鍵をモールス発振器と呼ばれる装置に接続して行いました。
装置内部で低周波(低めの音)を発振していて、電鍵を打つたびに発振音がスピーカーから聞こえる仕組みです。
写真に写っている黒い筐体の装置(ハイモンドエレクトロニクスのCOK-2)は、私が練習に使ったやつです。
装置のボリュームは音量調整用ではなく、発振周波数の高低を調整するものです。
今回、電池を入れて動作させたら、なんとまだ動きました。
ただし、発振周波数が怪しい状態でした、40年以上もまえの電子機器ですから、ボリュームが経年変化で劣化したのだと思われます。
余談ですが、この装置はゲルマニュームトランジスターを1石(個)使った、簡単な発振回路で構成されています。
トランジスターは2SB56という型番ですが、Amazonで検索したら何とまだ販売されていました。
当然、2SB56は製造中止になっているので、デッドストックか中古品なのでしょうが、何と1個2,300円の値段がついていたのにはびっくりぽんでした。
送信と受信の練習を比較すると、送信の方が圧倒的に簡単だったと記憶しています。
送信は、モールス符号さえ覚えてしまえば、何とかなりますから。
(※ただし、モールスコードを電鍵で正確かつ長時間に打つためには我流では至難の業ですが)
問題は受信です、受信試験では「・ -」と聞こえてきたら、aと頭の中で翻訳して、解答用紙へ書くことが必要です。
いや、翻訳では駄目で、最終的には条件反射にならないと使い物になりません。
上級ほど受信するモールスコードのスピードが上がり、時間も長くなります。
したがって、現在受信しているモールスコードと、書いているモールスコードの時間差を埋める受信術(遅れ受信といいます)も身につける必要がありました。
受信の練習は、それ用に販売されていたフォノシート(ソノシート)というレコード盤を簡略化したやつを利用したと記憶しています。
当時のフォノシートは行方不明ですが、和文を覚えるために購入したカセットテープが残っていました、写真に写っているのがそれです。
実のところ、日本ではモールコードが欧文(コンチネンタルコード)と和文の2種類が存在します。
第二級までは欧文の送受信試験が課せられますが、第一級の場合は和文が追加されます。
上級になるほど筆記試験(工学と法規)が難しくなりますが、第一級を取得する一番のハードルは和文のモールスコード試験(特に受信)と言われていました。
私も和文には苦労しました、和文のモールスコードは欧文と比較して長いヤツがある上に、欧文と和文とコードが重なる部分(全く同じコード)があるために、最初に欧文が刷り込まれてしまった頭が混乱しちゃいました。
とにかく和文のモールスコードをひたすら聞いて練習しましたが、当然写真に写っているテープだけでは足りませんでした。
当時、プロの通信士を目指していた友達が練習用のカセットテープを提供してくれたのでそれを使いましたが、これは本当に助かりました。
そのかいがあって、何とか第一級のライセンスまで取得することができました。
その後、和文を使って交信をした記憶はありません、和文のモールスコードは、ライセンスのためだけに覚えたモールスコードというわけです。

これだけ苦労したモールスコードの練習ですが、現在のアマチュア無線技士試験では、モールスコードの試験は廃止されたと聞きました。
まあ、アマチュアですから、どうしても電信で運用したければ、その時点で練習すればよいわけです。
現在、受信の練習はパソコンソフトが存在するようなので、私が必死になった頃と比較すれば、凄く良い環境だと思います。

現在、アマチュア無線からは離れてしまいましたが、今回のことがキッカケで、ちょっと復帰したみたいなと感じています。


















コメント
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