想憲美茶

くだらないですよ、ホントに。

依存の怖さ

2010-02-01 22:45:55 | ロバの耳
職場が変わり、名物医師(?)が居なくなってしまい、
若干の寂しさがあったり、無かったり…。
そこで今回は、ちょっと考えさせられる入院患者さんが居た事を書いてしまおうかな。

新しい職場。
今までは外来であったが、今は内科病棟に勤務中である。
ほとんどが寝たきりの高齢者…なのであるが、
そこに1人、どうみても他の患者さんとは違う年代の女性がいた。
どう見ても、40歳代だ。

表現の仕方が悪い事をご理解頂きたいのだが、
明らかに「おかしい」のだ。
意識はあるのだが、目線が合わない。独り言をぶつぶつ言っている。
手足が麻痺しているのか、痩せてしまい、指も変形して固まっている…。

今までの経験上、「もしかしたら、若くして脳梗塞とかになってしまったのかな…。」
と思ったのだが、カルテを見るとそれとは全く違い、
ある意味、「自業自得なんだ…」と言わざるを得ない経過だったのである。

「アルコール依存症」によるなれの果て。

何が彼女をそうさせたかまでは分からなかったが、
アルコールに頼る生活を続けていたそうだ。
医師に「禁酒」を何度も何度も強く勧められたのだが、止められず。
時には包丁を持ち出したり、警察沙汰になったりと手の着けようがないくらいの
精神状態になってしまったようだ。

医師の再三の忠告を無視し、飲酒を続けた結果の「ウェルニッケ脳症」。
治る人もいるようだが、彼女の場合「不可逆的な脳障害」と診断された。
ようは、もう治らないのである。
主治医は家族にもシビアな話をしている。大変な状況であったであろうが、
何故、飲酒を止めさせなかったのか、責任を問うていた。
また、希望は持たず、現状を受け入れる事と…。

私はアルコールに弱いため、全く飲めない。
飲酒した時の気持ち良さとかは分からない。(むしろ苦痛でしかないが)
きっと程々であれば、ストレス解消になったりと、いい事もあるのであろう。
しかし、「依存」までするようになったら注意である。

「依存」するようになるには、きっと何らかの理由があったのかもしれない。
その原因の解明と少しでも依存しないような働きかけが出来ていたら…と思うと
いろんな事でうまく回らなかった症例なのかなぁって思う。

怖いよ~。
極端な例かもしれませんが、みなさん、注意ですよ~。

「ウェルニッケ脳症」←参考までに。さらっとね。

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2 コメント

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まいど (まつ)
2010-02-03 06:37:05
ウェルニッケ脳症!なんか 舌を
 咬んじゃうような病名ですね

主婦のキッチンドリンカーが 増えている
 と、聞きましたが 酒量が

進むと アル中よりさらに重い 脳症に
 なるんですね 
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こんばんは。 (ヌー)
2010-02-03 18:00:34
そうなんですよ…。
薬物依存と同じですよね。
ある意味、廃人ですから怖いです。
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