俺はワルポンだっ!

ちょいワルおやじを卒業したワルポンの斜め下から見た現代社会

『栃木県那珂川町』

2009-07-17 21:09:13 | Weblog
四十数年前に一年ほど、栃木県氏家町(現在のさくら市)に住んだことがあります。

東京オリンピックも終って高度成長期に突入したころで、日本国中でコンビナートや工場の建設ラッシュが始まり、経済が沸騰し始めた頃です。
庶民はまだ貧しかったのですが、みんな明日を見つめて希望に膨れ、目がきらきら輝いていました。

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その氏家町から20kmほど東に入った八溝山地の馬頭町・小川町(現在は合併して那珂川町)辺りは山が深く、また、那珂川が流れていて、正に自然が満ち溢れていました。

夏には那珂川で鮎の手掴み漁です。
夜中に鮎は、川のよどんだ腰ぐらいの深さの表面に近いところで、じっとして寝ているのです。そこへそっと近づき静かに手探りで探し、ぬるっとした鮎の感触に触れたら、両手でそっと包み込むようにして捕まえるのです。

地元のベテランに手ほどきを受けたのですが、初めは要領が判らず取り逃がしてしまいましたけれども、失敗を重ねて学習するうちに、太極拳のように、なめらかに、ゆったりとした両腕と手の動きで鮎の位置を探る極意を掴むことができ、じきに面白いように獲れて、しばらくすると魚篭(びく)がいっぱいになりました。

晩秋には、木に登りつく自然薯(じねんじょ⇒ヤマイモ)の蔓(つる)に茂った葉が真っ黄色に黄葉しますけれど、名人はその大きさでイモの大・小が判ります。

自然薯の蔓は黄葉すると枯れて、ちょっと触っただけで根元からすぐに離れてしまい、何処がイモの頭か落ち葉に隠れて判らなくなってしまいます。
蔓に触れないように、そっと近づいてイモの頭を、まず確認します。

一間ぐらいの長さの柄のついた自然薯堀り専用の細長いショベルで、イモの頭から20cmぐらい離れた周囲を垂直に真っ直ぐ掘ります。
焦りは禁物、イモは太くなったり曲がったりしてるので、傷をつけたり折ったりしないように慎重に気遣いながら、地面に腹這いになって掘り進めます。

掘り取った自然薯の皮を剥いて、すり鉢に力をこめてすりつけると、やがて搗き立ての餅のような真っ白のトロロイモがすり上がります。
箸で挟んでも千切れないぐらいに腰が強いので、卵と醤油を混ぜるのに苦労しますけれど、酒のつまみには最高です! 

精力抜群ものですよ~

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ちょっと数十年前まで、こんな原始生活のような山里だった那珂川町に、文化の香りに満ちた「那珂川町馬頭広重美術館」があります。
歌川広重の肉筆画や版画の青木コレクションが寄贈されたもので、建築家・隈研吾設計の建物も見ごたえがあります。

お腹が空いたら、お蕎麦がおすすめです。
地元産で「那珂川の八溝そば」を扱う蕎麦屋が16軒もあり、蕎麦通には堪らない蕎麦どころでもあるのです。

お泊りには広瀬温泉、小砂温泉などの馬頭温泉郷やまほろばの湯などの温泉もおすすめです。

食い気と温泉の次には色気です・・・

御前岩(おんまえいわ)は女陰の形をした自然石・奇岩です。
水戸の光圀公がこの御前岩を見て「これは誠に天下の奇岩じゃ」と驚き、「かかるものを衆目にさらすことは、よろしからず」と、対岸に竹を植えさせたそうです。

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この竹を「腰巻竹」と云って、今でも武茂川沿いの国道461号から御前岩が直接見えないように遮っているそうです。
御前岩の上の方に祠があり、そこには木や石で作った男根が奉納されていて、子宝の祈願に御利益があるそうです。

自然薯で一杯やれば、精力アップ! 子宝に恵まれること請け合いです!

是非一度、那珂川町をお訪ね下さいませ!