多和田葉子さんが2005年から2006年に行った町の話を日経新聞に
連載したものを2007年に文庫本にしたベリーショートエッセイ集です。
1月のブダペストから始まり、12月のアンマンまで。
1ヶ月に4,5個所、仕事で訪れた町や読書会で会った人たちのエピソードが
綴られています。
その一部から。
「スペイン人は話すとき身振りが多いというのは嘘で、動かす位置が高いので
目立つだけ」なんてことも思いもしません。
男女が暴力に発展する事もなく、口喧嘩を延々と果てしなく呆れるほど続ける
様子を見て、
「喧嘩言語文化」の貧しい国は、交わす言葉もほとんどないままにすぐに殺傷
沙汰になるだろうとも語っています。 個人的にも喧嘩言語数の少ない方が
イライラ感が募り、後は地団駄を踏むしかない(T_T)ってことありますよね。
「東ヨーロッパ」の位置は国によって違っているなんてことにもびっくり!
アメリカ人は「モスクワ」、フランス人は「プラハやブダペスト」、
ドイツでは「プラハやブダペストは東ヨーロッパでなく、中央ヨーロッパ」
なんて・・・????? (ネット:時代によって概念が変わっている)
この本には、後に書かれた著書に出てくる町(百年の散歩)やお皿状サボテン
「とげとげ刺」等の話もありました。
*日本にも子どもたちへの戒めのための絵本として、「かちかち山」、「さるかに合戦」
、「おむすびころりん」、「舌切り雀」等がありますが、この本の中で紹介?されていた