Sbagliando si impara. (間違うことで人は学ぶ。)

イタリア語の勉強に、nonna ひとりでフィレンツェへ。自分のための記録。

「来世喫茶店」へようこそ

2021年10月01日 | 読書
ようこそ」辻堂ゆめ著
現世と来世を繋ぐ場所、24時間営業の「来世喫茶店」に訪れた人々の人生話。

恋愛、夫婦、友人との愛という言葉だけでは済まされないそれぞれの思いが
描かれ、また意外な展開、繋がりもあり、私も想像出来ずびっくり。
 

幼い頃から喫茶店で働くことに憧れていた大学一年生の主人公「八重樫未桜」
理想の喫茶店のアルバイトの面接直前に事件が起こりました!

「来世喫茶店」の店員である幼い少年アサのミスで死ぬ直前に渡される*黄色い
チケットが2年も早く未桜に渡されてしまいました。
記憶を消す砂時計も機能せず、しかも未桜のたいせつな面接も駄目になり、
取り敢えず彼女は「来世喫茶店日本三十号店」へ行くことに。
こぢんまりして、レトロで、コーヒーの香りがよくて、未桜の理想の喫茶店でも
あった「来世喫茶店」で記憶を消すことが出来るまでアルバイトすることに。
しかもイケメンマスターに淡い恋心を抱く主人公。

来世喫茶店は「来世の大まかな形をデザインする」のが仕事。
喫茶店ですので、ブレンドによって来世の条件も変わってきます。
・「メモリーブレンド」ー 人生で一番大切な思い出を再体験できるブレンド
・「相席カフェラテ」ー もう一度会いたい人を一人選び、この喫茶店に呼び出す
  ことができる、その相手は今生きてる人でも亡くなった人でもよい。
・「マスターのカウンセリングティー」ー カウンセリングで来世に反映される要素
  の配分をマスターにお任せ。

享年83才の鍛冶職人、享年47才の社長夫人、享年28才のホステス。さてどのブレンド
をそれぞれ選んだでしょう。
未桜はこの喫茶店で19才のお誕生日を迎えます。
マスターが最後に主人公未桜に出した特別なドリンク「ホットスカウトチョコレート」
とは・・・。 
マスターと未桜の関係は? 喫茶店を訪れた3人の繋がりは? 日本三十号店との繋がりは?

「来世喫茶店のひとときは、現世と来世の狭間ではなく、あくまで現世の延長」
来世喫茶店が本当にあることを望み、私は「マスターのカウンセリングティー」を注文
したい。
愛情話しだけでなく、ミステリー的なことも多々あり、想像力を大いに働かせ楽しく、
温かくなる本でした。

*黄色いチケットには、「名前・性別・生年月日・享年・職業・死亡の経緯・来店予定時刻」
 が書かれています(^^;)


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