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「航行の自由作戦」:近年の米(オバマ)・中(習近平)の共通認識、安倍政権やメディアは中国の脅威を意図的に煽っている

2022-09-04 21:31:36 | 中国・台湾

※2020年4月28日、米太平洋艦隊は、南シナ海で「航行の自由作戦」を実施した。中国軍南部戦区報道官は「米駆逐艦が許可なく西沙諸島領海に入ったため、警告して追い出した。米国の挑発行為は国際社会が感染と戦う状況とは相いれず、南シナ海の平和と安定にも反するものだ。米国には自国の感染抑制に精力を注ぐよう促す」と発表した。

 習近平は2013年3月に国家主席となったが、その3か月後の6月にはオバマ大統領とカリフォルニアで2日間にわたり合計8時間に及ぶ対話をし、3つの内容を共通認識として確認し合った。第1は「衝突せず、対抗せず」、第2は「相互尊重」、第3は「合作共嬴(ウィン・ウィン)」である。この共通認識は2014年11月にも、2015年9月にも確認し合った。そしてそれに加えて、政治、経済、軍事、文化、科学技術等さまざまなレベルでの対話と交流を行っている。

 2015年10月27日に米各郡駆逐艦「ラッセン」が「航行の自由」作戦を実施したがその直後の10月29日には米中の海軍トップが「テレビ会議」を実施した。11月2日には日本の横須賀にいる米太平洋軍司令官が中国を公式訪問した。また、米海軍のイージス艦「ステザム」が11月16日から1週間、中国海軍との合同訓練のため「上海」に入港した。11月7日には中国海軍の軍艦3隻が大西洋海域・カリブ海で、米海軍と初の合同演習を実施した(太平洋ではすでに実施済み)。

「航行の自由」作戦は米中双方の合意の上で実施されたのである。

2015年11月7日にシンガポール国立大学で行った講演にみられる習近平の『南シナ海』政策を以下に紹介しよう。

「ある時期以来、皆さんは『南シナ海』問題における中国の政策に関心を持つようになりました。私は、『南シナ海』の島々は古来、中国の領土であって、自身の領土主権と正当で合理的な海洋権益を擁護する事は中国政府として担うべき責任である、という必要があります。中国の『南シナ海』政策の出発点と終着点は『南シナ海』地域の平和と安定を守る事にあります。中国と『南シナ海』沿岸国との共同の努力によって、『南シナ海』情勢は総体として平和であって、航行と飛行の自由はこれまで問題になった事はありませんし、将来も問題にならないでしょう。というのは先ずもって中国が『南シナ海』の航行の順調である事を最も必要としているからであります。中国が主権を有する『南シナ海』の島嶼のいくつかが他人に占拠されても、我々は平和的交渉の方式によって問題を解決する事を常に主張しております。中国は直接当事国との間で歴史事実を尊重するという基礎に立ち、国際法に基づき、交渉と協議によって争いを解決する事を堅持しますし、『南シナ海』地域の平和と安定をアセアン諸国と一緒になって、しっかり守る能力と信念を有しています。我々は域外国(米国)がアジアの平和と発展の事業に参与し、積極的な役割を発揮する事を歓迎します。今日、アジア各国政府が直面している最も重要な課題は、いかにして持続的で速やかな発展を実現するかにあり、このためには平和で安定した環境が必要です。これが地域諸国の最大公約数であり、域外国(米国)もこの点を理解し、尊重し、しかも建設的な役割を発揮すべきです。」

(2020年5月1日投稿)

 

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日本会議(政治団体)がここまで組織拡大できた理由

2022-09-02 22:25:23 | 日本会議

 日本会議の源流は、「生長の家」(谷川雅治創始)や、全共闘に対抗するために結成された「生学連」(生長の家学生会全国総連合)であるが、今日、戦後日本の憲法やその基本原理である民主主義を崩壊させるまでに組織を拡大してこれた背景は何だろうか?青木理著『日本会議の正体』の中から紹介したい。 

 元「生学連」である伊藤邦典氏の言葉を以下に紹介したい。

「我々は同じ事をただやってきただけで、逆に全共闘の運動などがなくなっただけなんじゃないでしょうか。昔(運動を)やっていた人たちが、左でやっていた人たちの声が、すっかり小さくなってしまった。もちろん今も一生懸命やっている人はいて、そういう人に私はシンパシーを感じるんです。だから、どっちが良いとか悪いとかいう事ではない。我々は我々のやりたい事を50年やってきた。でも、右の主張に対するアンチテーゼがいつの間にかなくなってしまった。それだけの事じゃないかとも思うんです」

 元「日学同委員長」である玉川博己氏は、

「僕たちが学生の時、『自主防衛』だとか、『核武装』なんて言おうものなら、すぐに『ファシスト』『軍国主義者』と徹底的に批判されました。でも、今はどうですか。テレビでも、ネットでも、あるいは本屋に行けば、そういう主張を堂々と記した雑誌が山積みになっている。一方、かつての『朝日ジャーナル』のような本なんて、ほんの少ししかない。40年、50年前とは偉い違いです。それが良い事なのか悪い事なのかは別にしてね」

と語っている。

安倍・菅・岸田自公政権との闘いは、思想価値観の闘争であり、彼らは戦後体制を破壊し戦前の国家体制へ回帰する事をめざし、それに対して民主主義を守る側は戦後体制を守り発展させる本気度が問われているのである。

(2022年9月2日投稿)

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