日本会議の源流は、「生長の家」(谷川雅治創始)や、全共闘に対抗するために結成された「生学連」(生長の家学生会全国総連合)であるが、今日、戦後日本の憲法やその基本原理である民主主義を崩壊させるまでに組織を拡大してこれた背景は何だろうか?青木理著『日本会議の正体』の中から紹介したい。
元「生学連」である伊藤邦典氏の言葉を以下に紹介したい。
「我々は同じ事をただやってきただけで、逆に全共闘の運動などがなくなっただけなんじゃないでしょうか。昔(運動を)やっていた人たちが、左でやっていた人たちの声が、すっかり小さくなってしまった。もちろん今も一生懸命やっている人はいて、そういう人に私はシンパシーを感じるんです。だから、どっちが良いとか悪いとかいう事ではない。我々は我々のやりたい事を50年やってきた。でも、右の主張に対するアンチテーゼがいつの間にかなくなってしまった。それだけの事じゃないかとも思うんです」
元「日学同委員長」である玉川博己氏は、
「僕たちが学生の時、『自主防衛』だとか、『核武装』なんて言おうものなら、すぐに『ファシスト』『軍国主義者』と徹底的に批判されました。でも、今はどうですか。テレビでも、ネットでも、あるいは本屋に行けば、そういう主張を堂々と記した雑誌が山積みになっている。一方、かつての『朝日ジャーナル』のような本なんて、ほんの少ししかない。40年、50年前とは偉い違いです。それが良い事なのか悪い事なのかは別にしてね」
と語っている。
安倍・菅・岸田自公政権との闘いは、思想価値観の闘争であり、彼らは戦後体制を破壊し戦前の国家体制へ回帰する事をめざし、それに対して民主主義を守る側は戦後体制を守り発展させる本気度が問われているのである。
(2022年9月2日投稿)