2020年1月29日の拙稿『関テレ番組「胸いっぱいサミット!」のBPO「倫理違反」:局は謝罪せず、元凶の出演者作家も謝罪せず責任取らず』でもお伝えした、脅迫年賀状が届いた多文化交流施設「川崎市ふれあい館」に、1月27日には、同館の爆破や在日コリアンへ危害を加える旨の犯罪を予告する「ハガキ」が届いていた。そのため、「外国人人権法連絡会」は安倍首相と森法務大臣に対し「在日コリアンに対する相次ぐ卑劣な犯罪予告を許さず、政府に緊急対策を求める声明」を出した。
その内容は「脅迫年賀状より具体的な犯罪予告であり、在日コリアン市民をさらに恐怖と孤立感、絶望の淵に叩き落とし、地域の分断、差別と暴力を扇動する極めて卑劣なヘイトスピーチ・ヘイトクライムであり、絶対に許してはなりません。相次ぐヘイトクライム予告を私たちが放置すれば、それが許される雰囲気が醸成され、さらなる脅迫のみならず、物理的な暴力犯罪へ進む危険性があります。今回の予告文書は在日コリアンへの攻撃であるとともに、捜査当局及び川崎市、そして差別を許さないすべての人々への挑戦状です。政府はこれまで脅迫年賀状に一切コメントしていませんが、本来、人種差別撤廃条約(1条・2条・4条)及び「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた施策の推進に関する法律(ヘイトスピーチ解消法)」(2条・4条・7条)に基づき、政府が先頭に立って、ヘイトスピーチ、ヘイトクライムを根絶するべきです。2018年に国連人種差別撤廃委員会からも対策を求める具体的な勧告が出されています。以上により、私たちは在日コリアンに対する相次ぐ卑劣な犯罪予告を強く非難するとともに、政府に対し、下記を要望します。
1、政府は直ちに、相次ぐ卑劣な犯罪予告宣言を強く非難する声明を出す事。
2、速やかにヘイトクライム対策本部を設置し、今回の相次ぐ犯罪に対する捜査と犯罪の防止 策をとる事。
3、ヘイトスピーチ・ヘイトクライム根絶に向けて、具体的な目標と措置を含む根絶に向けた方針・計画を制定し、調査研究、警察官・検察官などへの研修などを行う事。
4、ヘイトスピーチ・ヘイトクライムをはじめとする人種差別を根絶するため、ヘイトスピーチ解消法の実効化とともに、総合的な人種差別撤廃政策推進のための基本法を制定する事。」
以上である。
(2020年6月15日投稿)