好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

ブラームス 交響曲第1番 クリヴィヌ/バンベルク響

2019-06-29 09:27:26 | ブラームス 交響曲第1番
ブラームス 
交響曲第1番 

指揮…クリヴィヌ
演奏…バンベルク響
好み度…3.5(5点満点)

標準的に美しい、良質の演奏ではあると思うが、全体的に厚みとか重み、力感には欠ける印象があり、特に感銘を受ける演奏というわけではないように思う。
バンベルク響ということでちょっと期待した渋みの効いた艶も特に聴かれない。
深みと力感には欠けるが、明るめに美しい演奏ではあると思う。
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ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」 イッセルシュテット/ウィーンフィル

2019-06-29 09:17:57 | ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」
ベートーヴェン 
交響曲第3番「英雄」 

指揮…イッセルシュテット
演奏…ウィーンフィル
好み度…4.5(5点満点)

歯切れのよい2音に始まり、ちょっと速めのテンポでスケール感とかよりは快活な小気味よい力感を感じさせる第1楽章。イッセルとのウィーンフィルは機能性のよさと明るい艶に満ちた快活な響きを感じさせる。古風な気品というか、そんな軽妙さも感じさせるところがあるかもしれない。のびのびと、決め所はしっかり決めてのメリハリの効いた起伏も心地よく、指揮者もオケもさすがと思わせるが偉ぶることなく、よい音楽を聴いているなぁ、と自然と感じられるようで、イッセルシュテットが巨匠でなく名指揮者とか名匠とか呼ばれるのがよい意味で頷けるような気がするようである。
第2楽章は特に「葬送」を強調することはないがウィーンフィルの美しい弦が特有の雰囲気をつくるようである。
第3楽章も歯切れのよい快活さに乗った美音が心地よく、終楽章に入って快活爽快な導入に続き弱音部でのウィーンフィルの美音がまた心地よいし、その後もそれまでの楽章にも増して響きは透明感を伴うような美しさと活力を増し、よい音楽だなぁ、とまた改めて思う。HMCDとかいう高音質を謳っている盤で聴いたのでそれもよいように作用しているのかもしれない(それだって元がよいから高音質が活きるのであり)。
溌剌とした活力と美音に彩られた真摯な快演ですね。
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ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱」 クリップス/ロンドン響/BBC合唱団 他

2019-06-29 09:12:59 | べートーヴェン 交響曲第9「合唱」
ベートーヴェン 
交響曲第9番「合唱」 

指揮…クリップス
演奏…ロンドン響
合唱…BBC合唱団 他
好み度…4.5(5点満点)

全編至ってまっとう、実直かつ豊かで温かみのある厚い響きに、第1楽章では適度な力感と推進力を、第2楽章では緊張感を、第3楽章では明るく豊かな安らぎを上乗せさせている。
完成度とか派手さとか新鮮味とかを聴く盤ではなく、どこから生じるのかよくわからないが、血の通ったような滋味と情を感じさせる活きた厚さが印象的。
終楽章は冒頭はおや、と思うくらいに音を絞っていたり、合唱も大規模な雰囲気や広がりはあまり感じられずスケール感や圧倒的なものを感じさせるタイプではないが、特に歓喜の歌以降、男声女声とも腹に力のこもったような力強い声にオケもしっかり絡んで特有の雰囲気をつくり、規模で稼ぐのとはちがった、生身の人間が実直に汗かいて漂う熱気をはらむような活力と力感を備えて好感。
特に自己主張が強く出た演奏とは思われないが、ちょっと古風で、地味なようではあるが、生身の人間の実直さと力強さと熱気と、人間味あふれる敬虔といったようなものが感じられるような、豊かで温かい熱演。
※廉価盤と缶入りのものと高音質盤があるようだが、廉価盤は古い音質がかえって得体のしれない力感を感じさせたりもするがいろんな意味で音のバランスが悪く、缶入りは整うが少し音がくもる印象も受け力感は少し削がれる印象、高音質盤は確かな音質向上が感じられる。
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ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱」 クリュイタンス/ベルリンフィル/ベルリン聖ヘドウィッヒ教会合唱団

2019-06-15 11:48:44 | べートーヴェン 交響曲第9「合唱」
ベートーヴェン 
交響曲第9番「合唱」 

指揮…クリュイタンス
演奏…ベルリンフィル
合唱…ベルリン聖ヘドウィッヒ教会合唱団 他
好み度…4(5点満点)

出だしのゆっくりと、ためをつくりつつの響きは激しさは感じないが泰然とした美しさを感じるようで、第1楽章は落ち着いた厚い響きの中での弦の落ち着いた重みも効いた美しさが随所で印象的。18分超とのタイムにもあるようにゆっくりめに、柔らかい録音の関係もあるかもしれないが、どこか優しい印象を感じさせながらも、尖らず厚く、なかなか堂々とした第1楽章のように思う。
第2楽章も激しさというよりは弦を中心とした厚く柔らかいが緊張感も感じさせる響きはなかなか上質。
第3楽章も深いというよりは優しい美しさを漂わせる。
終楽章では、まずは弦による主題の調べがやはり柔らかく美しい。主題の全奏も厚くほのかに明るくおおらか。声楽が加わっての独唱はキンキンとがらず力みかえることなく、よいバランスと思われる。合唱は特に力強さは感じないが、豊かに柔らかみのある奥行きも感じられる響きと上質のアンサンブルという点で標準以上。
部分部分をつまみ聞きみたいに聞くと、おとなしめで力感不足のようにも感じられ、途中で聴き飽きてしまいそうな印象も受けるが、通して聴いてみると、そうでもない。鋭い緊張感とか激しさを求めるなら他の盤を聴いたほうがよいように思うが、全編包まれるような優しさと美しさを漂わせたようなしっかりした厚さと重みを湛えた雰囲気は、こんな第九もクリュイタンスらしいし、ありかと思う。
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チャイコフスキー 交響曲第5番 クーベリック/ウィーンフィル

2019-06-15 11:43:55 | チャイコフスキー 交響曲第5番
チャイコフスキー 
交響曲第5番 

指揮…クーベリック
演奏…ウィーンフィル
好み度…4(5点満点)

クーベリックとチャイコの組み合わせは何かピンとこなかったし、ましてやウィーンフィルとの組み合わせはチャイコの感情的な情や熱には向いていないのではと思いきや、第1楽章なんかはまっとうな展開の中に剛毅な強さや熱、あるいは濃く漂う情なんかも感じられ、木管や弦なんかもチャイコらしい雰囲気を出した響きで、ウィーンフィルならではとチャイコ色がうまいことかみ合ってよい響きを聴かせるし、第2楽章も弦やホルンの厚さ美しさは特筆もののような感を受ける。
第3楽章を少しゆっくりめにやった後の終楽章は、弦による主題提示まではそれまでの流れを受けてよい響きと力感だが、その後ティンパニがせりあがるところでティンパニを不発のように終わらせて以降、フィナーレまでは響きが急に少し力感が減じるかのようにやや控えめになる。フィナーレではまた盛り返すが、第1、第2楽章で聴かせた厚く情と力の漂う響きが終楽章でもあったら…と、それまでがよかっただけにちょっと残念。フィナーレを際立たせたかったのか、賑々しくなるの避けたのか、意図的なのかもしれないが。
アナログ録音の温かみのある録音(1960年にしてはかなり音はよい)も関係するのだろうか、感情的なだけとか騒がしいだけとかにならずに、響きに風格も漂わせたよい演奏とは思う。
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ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」 若杉/ケルン放送響

2019-06-15 11:40:43 | ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」
ベートーヴェン 
交響曲第3番「英雄」
 
指揮…若杉
演奏…ケルン放送響 
好み度…4.5(5点満点)

器用だったり繊細な深みだったりとか、そういう演奏ではないが、実直な力強さを感じる堂々とした演奏。
ライナーノートでミュンヘンフィルの首席ファゴット奏者の言葉として「確かに指揮のテクニックに弱いところもあったが、ドイツの楽員は棒さばきの巧拙だけでは動かない。(略)その博覧強記が楽曲解釈の深さ、ドイツ音楽への傾倒と表裏一体のものであることをみな知っていたから、若杉の指揮には付いていけた。チェリビダッケも日本の「哲人指揮者」には一目置いていたため、毎シーズンの客演が実現した」というくだりがあるが、確かに、指揮者と奏者が思いを共有してそれを一緒に精一杯表現しようというような活力に満ちた力強さを感じる。
テンポはどちらかといえばゆったりめの印象、音色は明るく開放的だがズシリとした重心の低さを持ち、微熱を伴ったスケール感を感じさせる演奏となっている。
日本人指揮者といえば小澤、小林、朝比奈等がよく名を聴くが、ヨーロッパの有名オケとこんなに一体感をもってこれほど堂々とした演奏をした指揮者がいたとは、の感がある。
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ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番「皇帝」 ミケランジェリ/ジュリーニ/ウィーン響

2019-06-09 09:15:00 | ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番「皇帝」&第4番
ベートーヴェン 
ピアノ協奏曲第5番「皇帝」 

ピアノ…ミケランジェリ
指揮…ジュリーニ
演奏…ウィーン響
好み度…5(5点満点)

ジュリーニの音楽はゆったり柔らかくおおらかであり、ミケランジェリのピアノは何ものにもビクとも動じないように堂々としつつその音色は音の大小にかかわらず重みも繊細さも兼ね備えて美しい。かなりゆっくりめのテンポなので躍動感とか瑞々しさとかはあまり感じないが大きく堂々とした皇帝になっている。
第1楽章から大きくゆったりと第2楽章はピアノも弦も木管も美しく、第3楽章もゆったりめの運びで堂々としたもの。録音も上々のライブ録音。
オケにはウィーンフィルのような名人芸じみた響きはないが、その響きは泰然と古風な気品と風格を感じさせつつ美しくよく響き、ピアノにチェリとの盤のようなほとばしるような勢いとか瑞々しさはないが堂々と美しく、華のあるタイプではないが名盤との評も頷ける堂々風格の1枚のように思う。
チェリとの録音と比べるなら、華やかな圧倒感では断然チェリ盤だが、芳醇な気品というか風格というか、そういったものはこちらが長じているようなところもあり、総合的にはタイプが違うので甲乙はつけがたい。
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ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱」 イッセルシュテット/ウィーンフィル/ウィーン国立歌劇場合唱団 他

2019-06-09 09:12:06 | べートーヴェン 交響曲第9「合唱」
ベートーヴェン 
交響曲第9番「合唱」 

指揮…イッセルシュテット
演奏…ウィーンフィル
合唱…ウィーン国立歌劇場合唱団 他
好み度…4.5(5点満点)

あくまでも端正だが、端正というには力強い響きであり、厳格といったほうが合っているかもしれない。
響きにウィーンフィルの気品と艶を感じさせつつも剛毅な骨太感が印象的でもあり、空間的に広がるスケール感というよりは巨岩のような密度と気が感じられるようである。
感動を煽るような演出はないし、比較的明確な音でかっちりまとまっている分、一聴の印象としてどこか重みや熱や情あるいはスケール感や奥行きに欠ける印象も確かに受けなくはないが(これは残響の少ないかっちりした録音も影響しているように思える)、やっぱり美しくも実直な力強さを持った第九なんだと思う。
第3楽章も深刻さはないが素直な明るさを帯びた天上を歩くような美しさがあるし、終楽章の独唱では冒頭のバスはじめしっかり存在感を示しつつ上手いし、この合唱団のいかめしいほどの力強さはこの演奏に合っていて、歓喜の歌はじめ力強く壮大な雰囲気も感じさせ、フィナーレも結構熱っぽく〆ている。
端正にして、美しさ香る実直・剛毅な第九であり、まとまり過ぎて…なんて評も見ないではないが、やっぱりこれは名盤でしょう。
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ドヴォルザーク 交響曲第9番「新世界より」 バーンスタイン/ニューヨークフィル 

2019-06-09 09:03:22 | ドヴォルザーク 交響曲第9番 新世界より
ドヴォルザーク 
交響曲第9番「新世界より」 

指揮…バーンスタイン
演奏…ニューヨークフィル
好み度…4(5点満点)

世には名盤の声高いようだが、私の好みではないかな。
思い切りのよいスタイリッシュさと歌う感覚は受けるが、第1楽章は私にはちょっと速すぎ重みと郷愁に欠け、第2楽章は一転かなりゆっくり静かだが、それで何か、というものもそれほど感じられない。また一転第3楽章は嵐のような激しさや疾走感を前面に展開され、それでも終楽章の力感漲る響きはどこか斬新な雰囲気も感じつつさすがとの感も受ける。
思えばドヴォルザークがアメリカで書いた曲であり、アメリカの指揮者とオケによる、アメリカっぽい雰囲気の演奏、といえば腑に落ちるような気もし、颯爽とした近代的な響きと演出がかった歌は、曲の標題が「アメリカ」だったらピッタリかもしれない。
要するに古風な重厚感とか郷愁といった演奏でなく、近代的な新世界なのかと思われ、演出家・バーンスタインの演出は、この曲では私には合わなかった、ということだと思う。
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