好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

ドヴォルザーク 交響曲第9番「新世界より」 ビエロフラーヴェク/チェコフィル

2021-01-04 17:22:18 | ドヴォルザーク 交響曲第9番 新世界より
ドヴォルザーク 
交響曲第9番「新世界より」

指揮…ビエロフラーヴェク 
演奏…チェコフィル 
好み度…5(5点満点)

少しも虚勢とか過剰なものを感じさせず、ゆったりと素直で、厚みのある、柔らかく温かい響きがなんともビエロらしい新世界。
派手さはないし郷土色豊かなというわけでもないのだが、何の変哲もないようでいて軽くもなく弛緩せず安易でなく、重心低めだけどそれは重ったるさでなく安定感のある美しさとなって、なんとも心地よい。終楽章はじめのファンファーレなんかはかっこつけてないけど十分にかっこいいし。
同じコンビで新世界は2回録音されているようで、私が聴いたのははじめのほう(1989年録音)。このころの盤には、ブラームスのピアノ協奏曲1番(ピアノ:モラヴェッツ)やドヴォ8など、派手じゃないけど豊かな滋味が感じられるような、ビエロならではの感性が感じられて、いい(ブラームスのP協1も後のBBCとの録音よりどちらかといえばチェコフィルとの演奏をとる)。
録音も優秀(ただ、ジャケットは白黒の摩天楼で、これはちょっと損しているような気がする)。
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ブラームス ピアノ協奏曲第1番 ポリーニ/ティーレマン/シュターツカペレドレスデン

2021-01-04 17:19:38 | ブラームス ピアノ協奏曲(1番・2番)
ブラームス 
ピアノ協奏曲第1番

ピアノ…ポリーニ 
指揮…ティーレマン 
演奏…シュターツカペレドレスデン 
好み度…4.5(5点満点)

圧倒感を持った大きな音とか派手な音響とか、そういうのではないのだが、その落ち着いた音に何か深みを感じるような、味わい、という表現が合うような、そんな演奏のように思う。
オケは、ピアノを引き立てるためにあえて少し絞り目にしたのだろうか、勇壮に鳴らすというものは感じられず渋いサポートに回った印象で、しかしときおり聴かせる渋い響きはさすがの感も受ける。
この盤はピアノがいいのだと思う。
そのピアノも特に気負ったものはないのだが、深みを帯びた音色で、一音一音的確に美しくそのときどきにあった音色と大きさをしっかり情を込めて紡いでいるようである。特に強調されているようではないのだけれど、重みも美しさも感じられて、ジャケットを見る限りポリーニもかなりご高齢のように見えるが、それでもこんなに正確に弾けて、その齢ならではの味が醸されるって、ピアノあるいはピアニストってすごいな、とも思う。
取り立てて派手ではないが非力感はなく、ブラームス的な渋みに浸れるような、この盤特有の雰囲気をもった、やっぱり魅力ある1枚である。
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ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱」 クーベリック/バイエルン放送響&合唱団 他

2021-01-04 17:16:29 | べートーヴェン 交響曲第9「合唱」
ベートーヴェン 
交響曲第9番「合唱」

指揮…クーベリック 
演奏…バイエルン放送響&合唱団 他 
好み度…4.5(5点満点)

9つのオケを振り分けた全集からの盤。
オーソドックスにして力の込もったなかなかの熱演。
どこか温もりのある響きもこのコンビらしさが感じられる。
クーベリックはライブでなければ熱が感じられない、なんて評も聞こえるが、この盤を聴く限りそんな評はあたらないと思う。
後年のライブ盤と比べると敬虔さや円熟味、あるいはスケール感等にライブ盤のほうが分があるように感じられるが、最初から最後まで緩まない気合いと緊張感の込められた血の通ったようながっちりまとまった厚く力強い響き、第3楽章での温もりを帯びた弦の響き等なかなか聴かれない類のものと思うし、合唱は特別の広がりや敬虔等はないが十分な響きを聴かせている。
合唱にもう少しだけ余裕とか広がりとか何か特別なものがあればもっと特別な盤になっていたかもという気もしないではないが、オーソドックスであるが凡庸ではない、しっかりした聴き応えのある盤と思う。
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