好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

グリーグ ピアノ協奏曲 ルプー/プレヴィン/ロンドン交響楽団

2015-01-12 21:29:45 | その他
グリーグ
ピアノ協奏曲

ピアノ…ルプー
指揮…プレヴィン
演奏…ロンドン交響楽団

好み度…5(5点満点)

出だしの緊張感あふれるシャープで透明感あふれるピアノとオケにまず感嘆である。
その後もピアノは透明感にあふれ、かつ力強くシャープであり、美しく十分な気高き情感を漂わせる。
オケもプレヴィンらしく輪郭はっきり音響的に彩り豊かに奏され、ロンドン響はここでもさすがである。
何といってもピアノの透明感と力強さが美しく、ピアノを聴く醍醐味をすら感じる。
北欧的叙情性というよりはもっと強く激しいものを感じる。そして気高さと透明感の中にほんの少しの悲しみのような響きを感じるのはなぜだろうか。
第2楽章も美しいが、むしろ両端楽章の強さの中に秘められた透明な気高い美しさに魅かれる感がある。
録音も非の打ち所なく、今さらでもないが名盤中の名盤ですね。
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ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番 マツーエフ/ゲルギエフ/マリインスキー劇場管弦楽団

2015-01-12 21:20:54 | ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番
ラフマニノフ
ピアノ協奏曲第3番

ピアノ…マツーエフ
指揮…ゲルギエフ
演奏…マリインスキー劇場管弦楽団豪

好み度…5(5点満点)

豪華絢爛、マツーエフならではといえる重く力強くかつ澄んだ音色、たっぷり叙情的なオケの音色、ゆったりめのスケール感を感じる展開に、大曲感、あるいは所謂ロシア的な雰囲気も感じ、録音もよい。
情を感じ心に染みるというよりはエンターテイナー性を感じたりもするが、第1楽章大カデンツァも含めた中盤の迫力は圧巻であり、ピアノの何とも重い低音と圧巻の強打、地を這うようなオケの不気味ともいえるような響きとで凄まじいばかりの一級品の迫力が続き、再び静かに主題提示される部分でふと我に帰るほどである。
第2楽章も急がず叙情的に奏され、
終楽章は冒頭からピアノの力強さは圧倒的なくらいであり、これくらいスケール感と力強さを感じる演奏もまず滅多になかろう、と思わせる。
フィナーレもピアノは強く、オケは音量は少し絞りながらも叙情的に雄大に、騒ぎすぎず力強くこの曲を〆ている。
マツーエフの濁りのない力強さとゲルギエフ&マリインの叙情性、両者の特長がしっかり融合した、スケールの大きな、決定版と呼ぶ人も多いであろう名盤でしょう。
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ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番 アシュケナージ/ハイティンク/コンセルトヘボウ管弦楽団

2015-01-12 21:06:16 | ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番
ラフマニノフ
ピアノ協奏曲第2番

ピアノ…アシュケナージ
指揮…ハイティンク
演奏…コンセルトヘボウ管弦楽団

好み度…5(5点満点)

アシュケナージのラフマニノフにはプレヴィン/ロンドン響とのものとハイティンク/コンセルトヘボウ管とのものがあり(ハイティンク版が後)、
評価や好みは人様々のようであるが、個人的には表現力あるいは上質な叙情性という点でハイティンク版のほうがプレヴィン版に勝ると思っている。
そのハイティンク版だが、アシュケナージのピアノのしっとり落ち着いた優しく澄んだ音色はひたすらに美しい。
オケも厚く上品なほの暗い大河のようなくすみと力強さを湛えたコンセルトへボウの音色がなんとも美しくラフマニに合っている。
出だしの主題からしてどこまでも広いロシアの雪原に一人立つような風景が眼前に浮かぶかのような響きである。
全編通してオケもかなりしっかり鳴っているが、ロシアの大地にごく自然に雪がのっているように、オケとピアノの溶け込み具合も至って自然であり、
この演奏は両者あってのものである。
どの楽章でもピアノもオケも叙情性たっぷりの、深い美しさを湛え、どこまでも広い雪原と、その広さゆえにあぶりだされる静かな優しい孤独…そしてそれを解き放つフィナーレ、
なんて情景が自然と連想されるようである。この演奏の美しさは文学的な美しさなのかもしれない。
この曲はこれくらいたっぷり表現してくれたほうが真価が出るように思う。名盤でしょう。
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ベートーヴェン 交響曲第6番「田園」 ベーム/ウィーンフィル

2015-01-11 12:52:42 | ベートーヴェン 交響曲第6番「田園」
ベートーヴェン
交響曲第6番「田園」

指揮…ベーム
演奏…ウィーンフィル

好み度…4.5(5点満点)

田園の名盤として誉れ高い盤。
何よりウィーンフィルの弦の明るい美しさがやっぱり第一に印象的。
それに、弦に沿うかのように響く美しい木管やホルンなどが華やかに彩りを添えているのもまた他盤にない点として印象的で、
アンサンブルとして明るく豊かな演奏となっており、名盤といわれるのも頷ける。
これはウィーンフィルにしかできない演奏だなぁ、とも思う。
第2楽章は美しいとはいえ、特に変化をつけるでもなくある意味淡々とした印象、
第3楽章も少し速度をおとしめで格別に農村の楽しさが出ているというわけでもないが、続く嵐は結構な緊迫感と迫力を出しており、
終楽章は、おそらくこの演奏をこれだけの名盤と言わしめている楽章であり、
弦はますます美しく、美しいだけでなく溌剌とした明るさを帯び、ここでも木管などどのアンサンブルは自然にて絶妙、また、ピチカートすら美しい。
特に変わったことはしていないのだが、喜びを感じさせる美しい響きを聴かせている。
ベームとウィーンフィルの田園といえば来日ライブ盤も有名で、普通に完成度とか美しさならこちらのセッション版だろうが、
ライブ版には何やら深みのようなものが感じられ、別物と考えたほうがよいように思う。
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サン=サーンス ヴァイオリン協奏曲第3番 ヘルシャー/デルヴォー/ニューフィルハーモニア管弦楽団

2015-01-05 15:06:42 | サン=サーンス
サン=サーンス 
ヴァイオリン協奏曲第3番 

ヴァイオリン…ヘルシャー
指揮…デルヴォー
演奏…ニューフィルハーモニア管弦楽団

好み度…5(5点満点)

ヴァイオリンのかっこよさ、旋律美、サン=サーンスならではの輝くようなオーケストレーション、を堪能するならこの盤、大変よいと思う。
ヴァイオリンは、他の盤に比べ少し力みがあるように聴こえる風もあるが、この演奏ではそれも演奏に力を与える方向に作用していると思う。
出だしからかっこいいし、また、バックのオケは抜群によい。
録音も大変よく、少し残響多めの録音がサン=サーンスのこの曲にとてもマッチしている。併録の第2番も大変素晴らしく、合わせて名盤と呼べると思う。
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ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番「皇帝」 アラウ/デイヴィス/シュターツカペレ・ドレスデン

2015-01-05 14:34:40 | ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番「皇帝」&第4番
ベートーヴェン
ピアノ協奏曲第5番「皇帝」 

ピアノ…アラウ
指揮…デイヴィス
演奏…シュターツカペレ・ドレスデン

好み度…3(5点満点)

終始優美で柔らかさとしなやかさを感じさせる演奏。
強さやキレ、迫力や躍動感などは違う方向の演奏のように思う。
某サイトでのレビューは絶賛の声がほとんどで、確かに終始煽ることなく上質の厚みを備えたしっとりとした美音が展開され、良質で聴きやすい良演であるとは思う。
なので、好み度の3は完成度とか演奏の質でなくあくまで好み度。
個人的にはこの曲にはもっと活き活きとした躍動感を求めたいところを感じ、そういった側面はアシュケナージ/メータ/VPOやルービンシュタイン/バレンボイム/LPOあるいはグルダ/シュタイン/VPO等々のほうが上と感じている。
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チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番 ダグラス/スラットキン/ロンドン交響楽団

2015-01-05 14:20:49 | チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番
チャイコフスキー
ピアノ協奏曲第1番

ピアノ…ダグラス
指揮…スラットキン
演奏…ロンドン交響楽団

好み度…4.5(5点満点)

少しゆっくりめの余裕あるテンポ運びで、ピアノもオケも力まず適度な力感を持ちながら、濁らず透明感のある響きの心地よい、実は隠れた名盤ではないだろうか。
ロシア的な重量感だったり陰影だったりというよりはヨーロッパ的な叙情性や優雅さと、押し付けがましくない情感も感じられ、高揚部でのオケの厚さや叙情部でのピアノの一音一音の美しさもなかなかによい。ピアノは強奏部での強くも透明感のある響きも心地よい。
第1楽章は上に書いたような印象、続く第2楽章は妖精の遊ぶ森のようなゆっくり静かな出だしに始まり、テンポを速めてからもどこか清楚。
終楽章も特にテンポを速めることなく、しっかりと、どことなく優雅に運んでゆく。フィナーレもゆったりしっかり謳ってなかなかに明るく雄大である。
スラットキンとロンドン響もしっかりと明るめに少しシャープなアンサンブルで、出るところはしっかり出て、独特の音運びも織り交ぜつつ、ダグラスのしっかりとした透明感のある響きとよい協演である。
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ドヴォルザーク 交響曲第8番 クーベリック/ベルリンフィル

2015-01-05 00:14:58 | ドヴォルザーク 交響曲第8番
ドヴォルザーク 
交響曲第8番

指揮…クーベリック
演奏…ベルリンフィル

好み度…4.5(5点満点)

クーベリックの清清しさと、ベルリンフィルの存分に鳴っても重くならない音質と統制のとれたうまさがこの曲によくあって、
颯爽としたとてもよい仕上がりになっている。
古いけれど録音も鮮明で活き活きとしておりとてもよい。
重厚だったり精神性云々、といった面はないが、
存分に鳴らしつつも清清しく、この曲ならではの素朴な明るさや活力、爽快感や小気味よさといった面がまっすぐに高い水準で表現された名盤だと思う。
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