好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

ブラームス 交響曲第1番 ブルゴス/ドレスデンフィル

2022-09-11 18:57:34 | ブラームス 交響曲第1番
ブラームス 
交響曲第1番

指揮…ブルゴス 
演奏…ドレスデンフィル 
好み度…4.5(5点満点)

何も引かず何も足さず上質、そんなフレーズがふと浮かぶ。
所謂面白みや強い個性を求める向きにはもの足りない演奏ということになるのだろうが、オーソドックスの真ん中を行きつつ安価なBGM風ではなく腰の据わった響きでしっかりしたアンサンブルに聴きたい音はスッと響いていて、フィナーレは自然に堂々と響かせ、第2楽章の弦なんかも結構美しい。
ごく自然にこの曲のよさに浸りたいときにとてもよい盤のように思う。
ブルゴスは、きっと強い我を感じさせる演奏はしないが曲の良さを自然な形で引き出すのが上手い指揮者なんだと思う。
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マーラー 交響曲第5番 バルシャイ/ユンゲ・ドイチェ・フィル

2022-09-11 18:51:48 | マーラー 交響曲(第2番「復活」 第5番)
マーラー 
交響曲第5番

指揮…バルシャイ 
演奏…ユンゲ・ドイチェ・フィル
好み度…4.5(5点満点)

瑞々しいパワーと迫力が爽快。
管も弦も打楽器もひたむきな熱気をはらんで気持ちよく鳴って、しかし大味といった雰囲気はなく一体となって迫力の響きになっている。のびのびと力強く大きく、フィナーレの開放的な壮大感などなかなか聴かれない類。
響きは明るく力強く熱と情を込めて押し寄せるようで、アダージェットはもうちょっと甘く謳ってほしかった感はあるが、まぁご愛嬌。
録音も上等、覇気というよりはもっと青い熱というか、その青さゆえの一途な明るさと迫力を感じるような、音響的に聴いていて楽しく爽快な盤のように思う。
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ブルックナー 交響曲第5番 チェリビダッケ/ミュンヘンフィル

2022-09-11 18:37:23 | ブルックナー 交響曲(第3番/第5番/第8番)
ブルックナー 
交響曲第5番

指揮…チェリビダッケ
演奏…ミュンヘンフィル
好み度…4(5点満点)

出だしから幽玄というより結構しっかり鳴らしてくる感じの入りで、演奏全体の印象として敬虔とか美しさとかでなく、堅固で重厚なタイプの代表といったところだろうか。
テンポはチェリらしくゆっくりで(ただ、他の曲ほど他の盤と比べて遅いとは感じない)、響きはやや硬めの重い響き。
教会でなく城塞のようなブル5を感じたいときはいい盤のように思う。
抒情楽章はこのコンビの期待を裏切らない大きさと敬虔と重みを感じさせる流石の響きを聴かせている。
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マーラー 交響曲第2番「復活」 ツァグロゼク/シュトゥットガルト州立管/州立歌劇場合唱団 他

2022-09-04 17:42:11 | マーラー 交響曲(第2番「復活」 第5番)
マーラー 
交響曲第2番「復活」

指揮…ツァグロゼク
演奏…シュトゥットガルト州立管 
合唱…州立歌劇場合唱団 他
好み度…4(5点満点)

オケはちょっと力量不足を感じる。上手い下手でなく響きというか表現力というか、そういう部分で。
ちゃんと整ってはいるし、何がちがうのだろうか…別に不快感はないがどうも何十分と聴き進む気になれないし、聴いていても何を聴いている気にもなれないというか。ゆっくりめのテンポもこの場合マイナスに影響しているかもしれない。
ただ、合唱はいい。きれいな録音も相まって、透明感と奥行きが感じられ、ここぞの声量もあって、静かに歌う部分では敬虔を感じる美しさ、ゆったり謳われるフィナーレは包まれ圧倒されるように大きく美しい。
これからも聴くとしたら終楽章だけのような気がするが、その終楽章はゆったり敬虔に、大きく美しく、他盤にない魅力をもつ。
ライブで、こういう曲なのに、演奏が終わって数秒の間拍手がないのにはちょっと驚いた(始まってみればブラボーもかかる拍手だった)。
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チャイコフスキー 交響曲第5番 インバル/都響

2022-09-04 17:40:02 | チャイコフスキー 交響曲第5番
チャイコフスキー 
交響曲第5番

指揮…インバル 
演奏…都響 
好み度…5(5点満点)

華麗な響きとは異なるが一定の厚みをもってときに深みのある音色も聴かせながらちょっと独特の雰囲気を醸し、厚い力感も備えながらどちらかといえば洒脱な美しさを感じるタイプの演奏のように思う。
都響の響きはテラテラとした光沢感でなく鈍く光るような艶と落ち着いた厚みがあって十分に機能的であり、インバルの指揮はセンスを感じさせる内声の出し入れと細かなテンポの緩急で随所に独特の響きとリズム感を感じさせ、両者相まって叙情部は陰を含んだワルツの優雅さを持ち、強奏部はしっかり響きながらも尖らず重くなり過ぎず、いい塩梅のチャイ5になっている。
私には珍しく第3楽章が楽しめた。冒頭の弦から妙に美しいし、心地よく軽妙に、バレエ音楽を聴いているような感覚。
第2楽章の歌なども結構美しい。
両端楽章も虚飾も押し付けもなく充実し、全編通して、厚く、ちょっとクールに美しい多分飽きのこない盤なんだと思う。
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ブルックナー 交響曲第8番 ティーレマン/ウィーンフィル 

2022-09-04 17:35:39 | ブルックナー 交響曲(第3番/第5番/第8番)
ブルックナー 
交響曲第8番

指揮…ティーレマン 
演奏…ウィーン 
好み度…4.5(5点満点)

世評では評価は2分されているような感を受ける。「よい」とする声と「特にどうということなかった」とする声と。
運びはオーソドックスの範疇(印象としてはややゆったりめ)だし余分な熱も力拳もないが、美しき貫禄に満ちた、私は「よい」の声に一票である。
これはウィーンフィルの響きに拠るところ大。というか、この盤のいちばんの魅力はそこだろう。
何せ弦が美しいし金管の厚い重なりもソロも尖らず流石のもの。
オケの響きは迫力とか圧倒感とかというよりは格調高さを感じさせる。
特に第3楽章の響きは美しく、「ウィーンフィルの美音」を堪能する思いがする。録音もその美しさをしっかり伝えていると思う。
ただ、確かにウィーンフィルの美音の他に何か感銘があるかと言われれば確かに特に手応えもないような気も…、
いやしかし、これだけ堂々と美音を聴かせるのが手腕なのかもしれないし、特にどうということないようだけど気がつけば例えばヴァントとかとは違う独特の雰囲気をつくっているし…、
とにかく堂々たる美しい響きが聴けるのは確かであり…、
そんな盤であり、やっぱりこれから何度も手の伸びる盤になるように思う。
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