好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

ブラームス 交響曲第1番 フルネ/東京都響

2022-07-24 18:31:21 | ブラームス 交響曲第1番
ブラームス 
交響曲第1番

指揮…フルネ 
演奏…東京都響 
好み度…5(5点満点)

これはいいですねぇ。都響のブラームスらしい音色もいいし、フルネの力強さと重みをもった展開や音づくりもいい。
ブラームスらしい重みと渋みのある骨っぽい響きや、金管と弦のからみもブラームスならではの雰囲気があって何ともいい。
ゆっくり高らかにトランペットを中心に謳うフィナーレも個人的にはこれまたいい。
録音も上々。
テンポは所謂普通の速さ、終楽章だけ結構テンポを細かく変えてるが、緩急に嫌味やストレスは感じない。まったりというよりはもうちょっと強いものを感じるタイプかと。
高名な指揮者とオケのブラ1も結構聴いてきたけど、それらと比べても何の遜色も感じない、というか私にとってそれらの多くを凌ぐ最上のランクに入る盤。
日本のオケのブラ1でいえば尾高と大阪フィルもよかったが、あちらがどちらかといえば大きさ、こちらはブラームスならではの響きが印象として残る。そういえば都響はマークとのブラ1もいい盤だしなぁ。
余談だが引退公演のブラ2も入手したいけど、難しそうだなぁ…。
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ブルックナー 交響曲第5番 ヨッフム/アムステルダムコンセルトヘボウ管

2022-07-24 18:29:05 | ブルックナー 交響曲(第3番/第5番/第8番)
ブルックナー 
交響曲第5番

指揮…ヨッフム 
演奏…アムステルダムコンセルトヘボウ管
好み度…4.5(5点満点)

86年ライブ盤。
その生涯に93回この曲を指揮したというヨッフム最晩年(亡くなる3ヵ月前とのこと)の、名盤と名高い盤。
ヨッフムといえば64年の同じコンセルトヘボウとのライブ盤も名盤として有名なようだが、こちらのほうが遥かに大きさを感じる。
十分に厚く大きく響きながら決して耳障りにならない金管群、艶と深みを湛えた弦の響き、ゆったりとしかし弛緩することなく泰然と謳われる音楽はこの曲の王道を示すが如しと感じる。
録音は最近のハイテクの録音に比べたら極上とはいえないだろうが十分に良好な類。
特に第2楽章の大きな滋味のある音楽や終楽章フィナーレの大きさなどはちょっと他にはなかなかないように思う。
巨大というような言葉が合うような、しかし固くいかついものでなく温かみを感じるような、そんなブル5であり名盤と名高いのも頷ける。
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マーラー 交響曲第5番 テンシュテット/ロンドンフィル

2022-07-24 18:25:59 | マーラー 交響曲(第2番「復活」 第5番)
マーラー 
交響曲第5番

指揮…テンシュテット 
演奏…ロンドンフィル
好み度…5(5点満点)

1988年ライブ盤。
ゆっくりのテンポの中、一音一音に気が移ったような、大きな広がりをもつスケール感と、ずしりとした重みとを感じるような演奏。
5番は結構躍動感とか明るさを感じさせる演奏もあるが、この盤では逃れられない陰を帯びた重いものを感じるよう。
高い緊張感と相まって、その情は陰にも陽にも切迫感を感じるくらいである。
それ故、逆にあまり気軽に手が伸びる盤ではないが、やっぱりすごい演奏だと思う。
アダージェットは、静かに、情を込めて紡がれて美しく、フィナーレもこの人らしい大きさもあって、拍手も盛大。
録音はクリアで綺麗だが、欲を言えば、のレベルだが何となくやや奥行きが感じられない気もしないでもない。
熱と言うなら同じロンドンとのセッションやNDRとのライブのほうが感じるかもしれないが、この盤の印象は大きい、ということになるんだと思う。
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マーラー 交響曲第2番「復活」 バーンスタイン/ニューヨークフィル/ウエストミンスター合唱団 他

2022-07-18 10:15:40 | マーラー 交響曲(第2番「復活」 第5番)
マーラー 
交響曲第2番「復活」

指揮…バーンスタイン 
演奏…ニューヨークフィル
合唱…ウエストミンスター合唱団 他
好み度…4.5(5点満点)

1987年ライブ。
冒頭からだいぶゆっくりしたテンポでたっぷり表情のついた旋律の歌い回し。
基本的にゆったりした流れの中、音のレンジもテンポの緩急も表情の幅も大きくときに激しい。
情はべったり(というのもどうかと思うが)濃く、確かにこんな演奏はバーンスタインしかしないだろう。
実直で敬虔な美しさや漲る緊張感が感じられるといったタイプではないように思うが、巨大で十分に感情的で、マーラーは感情的であるべし、とするなら最上位に位置する盤だろう。
合唱もよく、静かにゆっくり入る合唱はほのかに温かな光といったようなものも感じさせながら厳かでジンとくるものだし、十分に速度を落として歌い上げるフィナーレは壮大。
私の中では演出が濃すぎるイメージのあるバーンスタインだが、この曲ではそれがはまって壮大な復活になっていると思う。
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ブラームス ピアノ協奏曲第1番 ティベルギアン/ビエロフラーヴェク/BBC響

2022-07-18 10:13:30 | ブラームス ピアノ協奏曲(1番・2番)
ブラームス 
ピアノ協奏曲第1番

ピアノ…ティベルギアン 
指揮…ビエロフラーヴェク 
演奏…BBC響 
好み度…5(5点満点)

ピアノの、その音色は柔らかく澄んで美しく、その語り口は幻想的な雰囲気さえ醸すようでこの曲に美しい側面を与え、しかし十分な重みと大きさを感じさせる力強さももつ。
ビエロフラーヴェクはときに力感の不足のような印象を感じる演奏もあるが、この盤ではBBCだからだろうか、その響きはいつにない厚い、熱を伴った力感と、この人らしい実直な情を感じるをものになっている。
派手さや名盤と言われるような特別な印象を与える演奏ではないかもしれないが、録音もよく、実直な厚みとエネルギーと美しさを感じさせるなかなかの名演と思う。
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ベートーヴェン ピアノ協奏曲第4番 レーゼル/フロール/ベルリン響

2022-07-18 10:11:08 | ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番「皇帝」&第4番
ベートーヴェン 
ピアノ協奏曲第4番

ピアノ…レーゼル 
指揮…フロール 
演奏…ベルリン響
好み度…4.5(5点満点)

濁りのない澄んだピアノだったり、水面を波紋も立てずに滑るような弦だったり、包み込まれるような美しい広がりだったり、
録音のよさもあるだろうが、その澄んだ響きは深みすらも湛えているようで、美しい協奏曲である。
テンポはゆっくり、その語り口は静かであり、透明な水を湛えた深い湖の静かな水面を見るような美しさを感じる。
この全集は、ときに張り切り過ぎない溌剌さと、ときに重くならない深みを湛えつつ、美しく聴かせるという点で出色のもののように思う。
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ブルックナー 交響曲第5番 シャイー/ロイヤルコンセルトヘボウ管

2022-07-09 17:18:10 | ブルックナー 交響曲(第3番/第5番/第8番)
ブルックナー 
交響曲第5番

指揮…シャイー 
演奏…ロイヤルコンセルトヘボウ管
好み度…5(5点満点)

美しいブル5。冒頭の弦からして漂う絹のように優しく美しく、厚い金管の響きすら透明感を感じるようですらあり、適度な残響と綺麗な録音とで、特に恣意的なものはなくてこの曲の素の敬虔な美しさが感じられるようである。
弦も重なる金管も、厚いが艶も透明感もあって、まさに教会の少しひんやりした空気とステンドグラスを通した光、石に囲まれた残響豊かな響き、そんな空間を連想させるような美しいブル5のように思う。
この曲はとっつきにくい、という言い方もされることがあるようだが、この演奏ではスッと美しさを感じられるようだし、そのイメージは「重厚な城塞」ではなく「敬虔な教会」である。
フィナーレなどは結構壮大だし、力強くも颯爽としたカッコよさも随所に感じられて、シャイーの明るい活力のある美しい音楽とコンセルトヘボウの厚く美しい響きが曲によく合った、この曲の名盤としてもっと名が挙がっていい盤のように思う。

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マーラー 交響曲第5番 シップウェイ/ロイヤルフィル

2022-07-09 17:13:42 | マーラー 交響曲(第2番「復活」 第5番)
マーラー 
交響曲第5番

指揮…シップウェイ 
演奏…ロイヤルフィル
好み度…5(5点満点)

指揮者もオケも一流として名の通っている感じではない(オケはよく聞くか)けど、大きな響きと流れと起伏を有した、世評でも結構評価高いもののようですね。
美しく静かで儚い夢幻のような弱音部はときに耽美的な美しさを漂わせ、強奏部は圧するように大きく巨大な何かを感じさせるようである。
響きは丁寧だが萎縮することなく、金管や打楽器の咆哮はあっても統制不能に暴れることはない。
ロイヤルフィルの豪快な金管群と厚い華のある響きはマーラーに合っているのかもしれないし、シップウェイがゆったりめのテンポの中レンジを自在に操り儚いような美しさも与えている。
豪快な第3楽章終盤から一転霧の間から漏れる光のように静かにゆっくり柔らかく始まるアダージェットも旋律はゆっくり、静かに歌いきられ何とも美しく、中間部と最終部の弦の圧するような重みすら大きな流れの中で自然で美しい。
思いっきりマーラーを奏し切り、それが一人相撲にならず何の違和感も生じさせずに、上質のマーラーならではの大きさと美しさを感じさせる名盤のように思う
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ブラームス ピアノ協奏曲第1番 ブーフビンダー/アーノンクール/ロイヤルコンセルトヘボウ管

2022-07-09 17:10:37 | ブラームス ピアノ協奏曲(1番・2番)
ブラームス 
ピアノ協奏曲第1番

ピアノ…ブーフビンダー 
指揮…アーノンクール 
演奏…ロイヤルコンセルトヘボウ管 
好み度…4.5(5点満点)

かなりゆっくりとしたテンポの印象が残るのは、おそらく第1楽章のテンポによるものだろう。
第1楽章はかなり時間をかけるが間延びの印象は感じさせず、コンセルトヘボウの響きは渋い艶を帯びて重く、ピアノはほんのり甘い憂いを帯びて心地よい重さを感じさせる。
第2楽章も渋めの響きの中でピアノの情を漂わせた雫のような音色も随所で美しく、終楽章のピアノは迫力にも似た力強さも加わって聴き応えあり。
渋い重みとしっかりした厚さに、にじむ美しさを感じさせる特有の雰囲気をまとった、味わいのある盤のように思う。
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