好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

ドヴォルザーク 交響曲第9番「新世界より」 ヤンソンス/ロイヤルコンセルトへボウ管弦楽団

2014-03-08 12:20:48 | ドヴォルザーク 交響曲第9番 新世界より
ドヴォルザーク
交響曲第9番「新世界より」

指揮…ヤンソンス
演奏…ロイヤルコンセルトヘボウ管弦楽団

好み度3(5点満点)

美しい音である。これがライブかと思うと驚きでもある。
コンセルトへボウの弦パート、金管、各木管奏者…しっとり美しくうまいものである。
ホールの響きもいいし、ヤンソンスの統制もうまいのでしょう。

でも、私にとってはそれだけ、という気もします。感じるもの、がない、というか、いい音だな、と思ってるうちに何かいい意味でのひっかかりがあるわけでもなく気がついたら終わっている、そんな感があるのです。
私にとってヤンソンスという指揮者はどこかそういった印象があります。うまくていい音をつくり、大変質の高い演奏なんだろうけど、ココロに来るものがない、そんな感があるのです。

某サイトのレビューでは絶賛に近い意見が多かったし、うまいオケと指揮者が美音と良質なアンサンブルを発揮した、そういう意味では名演でしょう。ただ、私の好感度としてはちょっと低めの盤ということで、好み度3です。

チャイコフスキー 交響曲第6番「悲愴」 フリッチャイ/ベルリン放送響

2014-03-04 23:11:11 | チャイコフスキー 交響曲第6番「悲愴」
チャイコフスキー
交響曲第6番「悲愴」

指揮…フリッチャイ
演奏…ベルリン放送交響楽団

好み度…5(5点満点)


他の悲愴とは一線を画す凄演。

全編を通して音にこもった緊迫感と密度が、まさに圧倒的にちがう。まさに天下の名演だろうし、似ている盤も他にない。
まさに唯一無二の名盤といえましょう。
この盤があって、悲愴におけるお気に入り探しは終止符を打ち、あとは他の演奏の個性を楽しめるようになった感があります。

第1楽章、あの有名な旋律の天から降るかのような美しい響き、展開部の空気をえぐるかのような低弦の響きと天を突くかのような金管の咆哮、重なり合う激しくも美しい弦の響き…。第3楽章で一度ぐっとテンポを落としてから終結へ向けてのテンポアップあたりは愉快なくらいだし、終楽章中盤はまた限りなく美しい。そしてその恍惚の後の慟哭での弦の響きの激しさと深さ…。
最初の一音から最後の一音まで、激しく力強く、この上なく美しい。全ての楽器の、全ての音に、全ての旋律に、思いが込められているかのように。

全編を通して、厚く、それでいて澄んだ音色で重なり合う弦は美しく、深く、金管の響きも申し分ない。遅めのテンポで丁寧に一音一音が作り上げられ、フリッチャイのテンポの揺れに縦の線を見事に合わせるベルリン放送響もまた見事であり、古い録音だが録音も見事。

まさに名盤である。

ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱」 テンシュテット/ロンドンフィル 他(1992年)

2014-03-02 14:04:44 | べートーヴェン 交響曲第9「合唱」
ベートーヴェン
交響曲第9番「合唱」

指揮…テンシュテット
演奏…ロンドンフィル&合唱団 他
(1992年)

好み度 5(5点満点)

91年盤(正規盤では現在出ていないようですが)とともに、第九の名盤と思います。

勝手な印象ではありますが、「祈りの第九」との印象があります。
響きに、空気に、「祈り」あるいは「神々しさ」を感じ、これが大変力強く美しい…。

第1楽章最初は少しエンジンの温まっていないような感もあり、また、途中のティンパニの強打の部分は、好みは分かれるかもしれませんが、特に中盤以降の、神々しく響き渡る弦の響き、「ここで!?」と思うところでカッコよく咆哮するホルン等、少し残響の多めのホールもプラスにはたらいてこの盤ならではの雰囲気に引き込まれます。
続く第2楽章での緊迫感がまた圧巻であり、その切れ味鋭く、美しくも力強い演奏には、まさに圧倒される感があります。ちょっと他の盤の第2楽章を聴く気がなくなる感があります。
第3楽章中盤のよさは私にはいまだに今ひとつわからないのですが、前半のゆっくり静かにうたう弦の調べは大変美しいです。
そして終楽章。少しゆっくりと、少し女性合唱が前に出た合唱部分は厳かであり、美しく、歓喜というより万物への感謝を謳うかのごとくであり、第九ってこういう音楽にもなるのかと、他では聴かれない一面を聴く思いがします。ラストはゆっくり、誠に堂々とした〆となっています。

この演奏を聴くときは、所謂テンシュテット節の爆演は期待しないほうがよいように思います。その代わりに、85年盤にも91年盤にもない、晩年のテンシュテットが示したひとつの世界があるような気がします。
また、音が小さめの録音なので、ボリュームを上げて聴くことをお勧めします。

余談だけど、「91年」って何で正規盤ないのでしょう。これを世に出していないのはある意味、文化に対する犯罪ですらないかと(大げさ…)すら思ってしまうのですが…。

はじめに

2014-03-02 13:51:57 | はじめに
はじめに

特に音楽の専門とかでは全くなく、好きな曲(のみ)をボチボチ聴いています。
どのCDを買ってみようか、なんて思っても、やっぱりやたらと購入ってわけにもいかず、かといって聴いてみなけりゃわからない…なんて状況はよくあることで、そんなとき、ネット上に数ある意見・感想などに結構お世話になっていて、私なりの感想も参考になればいいかな、なんて思いで開設してみました。それと、やっぱいい盤は、これいいよ、って伝えたい、って思いもあるかな。専門家でもないし、遠い記憶程度のことを書くこともあるかと思うし、個人的な感想でしかない記事だけど、参考程度になれば幸いかな、といったところです。