好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

ベートーヴェン 交響曲第6番「田園」 アバド/ウィーンフィル

2015-04-25 22:32:31 | ベートーヴェン 交響曲第6番「田園」
ベートーヴェン
交響曲第6番「田園」

指揮…アバド
演奏…ウィーンフィル
好み度…4(5点満点)

しっとり美しいけど、テンポにしても音の響かせ方にしても特にメリハリなく、よくも悪くも何も耳に障ることなく、どこかのフレーズが特に意識されるでもなく、安穏に通り過ぎていく、私にはそんな印象の田園でした。

サン=サーンス 交響曲第3番 マルティノン/フランス国立放送管

2015-04-25 22:24:46 | サン=サーンス
サン=サーンス
交響曲第3番

指揮…マルティノン
演奏…フランス国立放送管
オルガン…アラン
好み度…5(5点満点)

これはきっとこの曲の決定版といっていいのではないだろうか。
やはりこの曲の魅力は終楽章だと思うが、この終楽章が圧巻。
オルガンの荘厳な響き、管楽器の豪華華麗な響き、弦楽器の神聖な雰囲気を湛えつつも明るく活気に満ちた響き…。
アンサンブルは重厚な教会をイメージさせつつ、特に終盤の決して急がない堂々颯爽とした運びと音作りがこの終楽章に活気を漲らせているのだと思う。
この曲特有の明るさと活気と独特のオーケストレーションも含めた絢爛さを快活に堂々と響かせた名盤だと思う。


ドヴォルザーク 交響曲第9番「新世界より」 フリッチャイ/ベルリンフィル

2015-04-19 00:04:30 | ドヴォルザーク 交響曲第9番 新世界より
ドヴォルザーク
交響曲第9番「新世界より」

指揮…フリッチャイ
演奏…ベルリンフィル
好み度…5(5点満点)

凄みを感じる新世界。
特に低弦の凄みの効いた響きと金管の咆哮は凄まじいばかりのものがある。
大きな病を知らされたフリッチャイの思いと、それが楽団にも伝わって、入魂の音になるのだろうか。
第1楽章は冒頭から妥協のない、ビリビリするくらいの凄みを湛えた音楽。
第2楽章は、木管も美しいが、しっかり厚く奏される弦の美しさがまた印象的。
第3楽章も、強奏部での各楽器の響きは野性味を感じるほどであり、またその合奏としての音もカッコよく魅力的である。
終楽章も凄みと緊張感は切れることなく入魂の密度の高い演奏。フィナーレの弦の合奏もなかなか切実な音。
クラシック界のポピュラーソング、みたいなイメージとは一線を画した、真剣な、凄みのある名盤です。

ベートーヴェン 交響曲第7番 ブルゴス/ロンドン響

2015-04-18 23:58:38 | ベートーヴェン 交響曲第7番
ベートーヴェン
交響曲第7番

指揮…ブルゴス
演奏…ロンドン響
好み度…4(5点満点)

中庸といえば中庸。
だが、とても気落ちのよい中庸。
特に第一楽章での快活な感じなど結構快感である。
録音もよく、透明感と明るさのある響きもこの曲に合っていて心地よい。
第1楽章や終楽章での主題の裏のホルンも元気で、また、フィナーレもなかなかに力強い。
カップリングの運命とともに、中庸といえば中庸、ただ上質の中庸であり、良盤といえると思う。

ベートーヴェン 交響曲第5番 「運命」 ハイティンク/ロイヤルコンセルトヘボウ管

2015-04-18 23:54:50 | ベートーヴェン 交響曲第5番「運命」
ベートーヴェン
交響曲第5番「運命」

指揮…ハイティンク
演奏…ロイヤルコンセルトヘボウ管
好み度…3(5点満点)

整っていて、録音もきれいだけど、第1楽章はテンポがちょっと速めで、音も短く切って進むのでちょっと忙しなく雄大さに欠け、かといって激しさを感じるわけでもない。
全体的にも綺麗にまとまってはいるんだろうけど、重みにも思い切りにも欠け、どこか少し抑えめな、
といって特にコンセルトへボウならではというような美音があるわけでもなく、独特の雰囲気があるわけでもなく…個人的にはちょっと聴いて、聴き進む気が消えていくような、そんな印象でした。

チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番 エンゲラー/クリヴィヌ/ロイヤルフィル

2015-04-17 23:39:11 | チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番
チャイコフスキー 
ピアノ協奏曲第1番

ピアノ…エンゲラー 
指揮…クリヴィヌ
演奏…ロイヤルフィル
好み度…3.5(5点満点)

残響の多めの柔らかい録音とゆったりしたテンポの、ピアノもオケも、何とも優しく、包み込まれるような柔らかさが印象的な盤。
特に出だしの序奏はかなりゆっくりと、優しい厚みをもって演奏され、以後もゆっくりめのテンポである。
気楽に美しい音楽にそれとなく耳を傾けたいときなんかによいような盤である。
終楽章ですら優しい雰囲気を漂わせ、繰り返される主題はそのつど少しずつ違う表情を見せながら、フィナーレも広い春の野を連想させる優しさである。
ポピュラー名曲100みたいなコーナーで使われそうな、ある意味BGM的などこまでも優しい音色と響きの盤といえようか。

チャイコフスキー 交響曲第4番 マゼール/ベルリンフィル

2015-04-17 23:33:40 | チャイコフスキー 交響曲第4番
チィコフスキー
交響曲第4番

指揮…マゼール
演奏…ベルリンフィル
好み度…4(5点満点)

録音がちょっと古くて少し音の割れている感があるのは残念だけど、燃焼度抜群の盤。
出だしからして金管による豪快なオープニング後、少し落とした後、普通少し暗めに鳴らすところで意表をついて早くも全開、怒涛のごとく弦が、金管が響き渡る。
終楽章の燃焼度は爽快に圧倒される感がある。豪快で熱いお祭り的燃焼度をここまで高い水準で音にしている演奏はちょっと見当たらないのではないだろうか。
ここまで熱く思い切るマゼールもすごいが、速めのテンポにこれだけの大音量で、豪快に明るく、それでいて足並みびったり揃えて応えるベルリンフィルがまた見事。
このサウンドはベルリンフィルでしか出せない独特のうまくて熱き演奏だと思う。

ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番 ルービンシュタイン/オーマンディ/フィラデルフィア管

2015-04-12 10:55:04 | ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番
ラフマニノフ
ピアノ協奏曲第2番

ピアノ…ルービンシュタイン
指揮…オーマンディ 
演奏…フィラデルフィア管
好み度…4(5点満点)

出だしは特別な情感も見せずほんの少し速めの、しかし落ち着いた厚い音で入っている。
フィラデルフィアの柔らかな響きとルービンの輪郭のはっきりしたピアノは、
ほの暗さや重さよりむしろほのかな明るさをこの曲に与えているようにも感じる。
1楽章中ほどのピアノによる主題のちょっと激しく再提示の部分も特に強く打ってはいず、ドラマ性とか情緒性はあまり表現対象になっていないのかもしれない。
チャイ1の序奏の主題もルービンは軽く弾いていたし、この演奏でも冒頭の主題やフィナーレの全奏時のオケに乗るピアノは結構控えめであり、この頃のルービンはあえて力強い強打を避けるとか、そういう傾向にあったのだろうか。
第2楽章は消え入るような幽玄な弾き方でなくしっかり奏し、凛として美しく、
オケの柔らかい響きもあって協奏曲の2楽章というよりここだけで1つの小品の名盤として聴けるくらいのものである。
終楽章も特に緊張感や圧倒感やドラマ性を出していく感はない。
力まず、普段どおりの美しさをしっかり出していく、といったスタンスにも聴こえる。
とはいえフィナーレに向けての高揚とフィナーレはそれなりの雄大さと盛り上がりを聴かせている。
全体的に柔らかさと力まない美しさが印象的な、上質の演奏であると思うが、個人的には、両端楽章は、力強さなりほの暗さなり叙情性なりを感じられる演奏が他にあるようにも思い、好み度はちょっと控えめ。ただ、第2楽章の美しさは絶品の域にて格別のようにも思う。

ブラームス 交響曲第2番 バルビローリ/ウィーンフィル

2015-04-12 10:45:29 | ブラームス 交響曲第2番
ブラームス 
交響曲第2番

指揮…バルビローリ
演奏…ウィーンフィル
好み度…5(5点満点)

ほのかに明るさと甘さを湛えた心地よく美しい重量感が、柔らかいが強い骨太感が、
ブラームス、またこの曲によく合って、これはこの曲の大名盤でしょう。
ウィーンフィルならではなのだろうか、
高弦・低弦、木管、金管とも響きはしっとり情感豊かな厚みがあり、力もあり、何とも美しくもあり、
ゆったりめのテンポ設定の中、これらが折り重なる響きはほんとに心地よい重量感である。
沈む重量感でなく、明るさと骨太の温もりとおおらかな躍動感を伴い続けているところがまたいい。
ホルンをはじめとする金管も雄弁で、これらがまた効果的にスケール感を与えて、文句なしの名盤の感がある。
ブラームスの田園交響曲と呼ぶにはあまりに心地よい重量感が印象的な、
ブラームスならではの、バルビならではの、ウィーンフィルならではの、名盤である。

ブラームス 交響曲第1番 ジュリーニ/ウィーンフィル

2015-04-12 10:39:39 | ブラームス 交響曲第1番
ブラームス
交響曲第1番

指揮…ジュリーニ
演奏…ウィーンフィル
好み度…3.5(5点満点)

確かにこの上なくといっていいほどに厚く重厚で、とても水準の高い演奏だと思う。
であることはわかっていてもあまり聴こうと思えないのはやはりちょっとゆっくりすぎるからだろうか。
立派が連続しすぎて単調に聞こえるからだろうか。
部分的に聴くとすごい響きだな、とか思えてもなかなか集中力を持って聴き通せないというか。
変な例えだが、立派な巨象がゆっくり連なる行進を延々と見るような。
とはいえ第1楽章中間部の圧倒感などはほんとにすごいと思う。
名盤の誉れは高いようだし、すごい響きだと思うけれど、個人的な好み的には今ひとつ、といったところ。