好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

ブラームス 交響曲第1番 朝比奈/都響

2022-11-23 10:20:35 | ブラームス 交響曲第1番
ブラームス 
交響曲第1番

指揮…朝比奈
演奏…都響 
好み度…5(5点満点)

音の圧が凄い。帯に「奇跡の音塊」とあるが、確かに「塊」といった表現が合うように思う。しかも重量感たっぷりの塊。
テンポはいたってゆっくり、重量感とスケール感に満ちた演奏である。第1楽章中間とか終楽章終盤の盛り上がりなど、何かがメキメキと盛り上がるような圧倒感を感じる。
全編熱く重く大きなブラームスである。ライヴならではのそのときの熱い空気感がそうさせたのかもしれない。個人的には終楽章始めのホルンの独奏が、ゆったり感がなく、しかも伸ばす音の最後を大きく吹く吹き方(スコアはそうらしいが)が、どうも馴染めず、その点だけ残念。
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マーラー 交響曲第5番 ハイティンク/ロイヤルコンセルトヘボウ管(クリスマスマチネ)

2022-11-23 10:17:59 | マーラー 交響曲(第2番「復活」 第5番)
マーラー 
交響曲第5番

指揮…ハイティンク 
演奏…ロイヤルコンセルトヘボウ管 
好み度…4.5(5点満点)

1986年クリスマスマチネのライブ盤。
響きが、やっぱりいい、さすがコンセルトヘボウと思わせる。大きく厚く表現力豊かな響きで、健全で毒のないマーラーが活気をもって奏される。
ほの暗さとか苦悩とか、そういったものはあまり感じさせず明るく健全なマーラーだが名演にはちがいないと思う。
アダージェットもほの暗さややるせなさは伴わず、初恋を回想するような健全な爽やかさ、アダージェットっぽくないかな、とも思うがやっぱり美しい。フィナーレはかなり堂々と。
ハイティンクらしく中庸と言えばそうだが、コンセルトヘボウの厚い美音に活き活きとした躍動感と豊かな表現力が乗って、「レベル高いけど何かつまらない」とは言わせない演奏になっている。
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ブルックナー 交響曲第8番 チェリビダッケ/ミュンヘンフィル(1994年 リスボン)

2022-11-23 10:13:10 | ブルックナー 交響曲(第3番/第5番/第8番)
ブルックナー 
交響曲第8番 

指揮…チェリビダッケ
演奏…ミュンヘンフィル
好み度…5(5点満点)

1994年 リスボンでのライブ

いつか堤/札幌響のチャイ5の評に「その人たちがあるとき何かがはまるようにふと一丸となって熱く自分たちの満点を取りにいく空気になったときにこういう演奏が生まれるのではないかと思う。」と書いた。が、こういう演奏を聴くと、いや、もうもはや取りにいってできるものじゃないな、と思う。
このCDの許さんのライナーには「演奏家がいつどこでよい演奏をしてくれるかは、必ずしも予想できるものではない。どういうわけかすごいことになってしまったという例がおそらくいくらでもある」とある。多分、名演と呼ばれるものは狙ってできるものではないのだろう。この、1994年のリスボンでの、長らく伝説の演奏として語られてきた演奏は、そういう演奏を、幸運にも良好な状況で記録できた、そういう盤の1つなのだろう。
冒頭の圧と言うか、迫力は並大抵ではない。同曲の盤中随一では、と思う。ゆっくり、重く。その後もチェリらしいスローテンポで重量感を感じさせ、1993年盤よりも活きた艶と深みも感じようであり(1993年だって手を抜いたわけではないだろうし、立派な演奏ではあるけれど、何かが、微妙に、しかし決定的に違うようにも思う)、第2楽章も雄大ですらあるが、このスローテンポあるいは重みは好みも分かれるだろうとも思われ、第1楽章と第2楽章だけなら、こんなにも有名な盤にはなっていなかったかも、とも思う。この盤が、他のいかなる盤も持ち合わせていない特異性を発揮するのは終盤2楽章だろう。
第3楽章は一見穏やかに見えて凄い水圧で複雑に美しく織りあう大海原を見るようであり、あるいは空間まるごと恍惚の光に包まれるような、そんな時間と言うよりは空間の持続に、自分もいっしょに包まれているような、もはや他の盤とは別のものと思ったほうがよい(他が劣るという意味でなく)次元のものになっている。終楽章も堂々たるもので終盤のスローテンポはもはや好み云々を超えた迫力と説得力を持っているように思う。
録音も会場の空気感も感じられるようで良好、1時間40分は長いけど冗長に感じない、好みはあろうが、圧倒的な存在感と重みと大きさと美しさを持った名盤と思うし、チェリの盤をどれほど知っているかといわれれば何とも言えないが、チェリの代表盤と言ってもよい盤なのだろうと思う。こういう演奏は多分スタジオでは生まれないし、ライブでもこういう演奏を記録できることはごく稀なのだろうと思う。
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ブラームス ピアノ協奏曲第2番 ティリモ/ザンデルリング/ロンドンフィル

2022-11-13 18:30:25 | ブラームス ピアノ協奏曲(1番・2番)
ブラームス 
ピアノ協奏曲第2番

ピアノ…ティリモ 
指揮…ザンデルリング
演奏…ロンドンフィル 
好み度…4(5点満点)

ピアノの技巧とか構成美とかはよくわからないが、特別うまいピアニストとか、そういうことでもないのかもしれない。
ただ、実直で力強く情と熱の込められた響きは結構爽快だし、派手なパフォーマンスはないが堅実な重みがこの曲にあっているようにも思う。
それと、重く大きなオケが結構いい。終楽章もなかなかに力強い。
際立った何か、というわけではないが、重みも美しさも標準以上、実直なブラームスらしい響きが聴けるよい盤と思う。
※同じ曲、ピアニスト、オケで、指揮がレヴィという盤もあるようで、もしかしたらこれもそうかもそうかもしれないが、ジャケットには指揮ザンデルリングとあるので、ここでもそう表記する。

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マーラー 交響曲第5番 テンシュテット/NDR響

2022-11-13 18:22:08 | マーラー 交響曲(第2番「復活」 第5番)

マーラー 
交響曲第5番

指揮…テンシュテット 
演奏…NDR響
好み度…5(5点満点)

テンシュテットの同曲の録音には他に私の知る限りロンドンフィルとのセッション、ライブの2盤があり、どちらも名盤と思うが、それらとの比較をするならば印象としてはどちらかといえばセッション盤のほうに近く、ライブだからだろうか、セッション盤より少し熱のようなものを感じる。力強い弦の響きが全体的に印象的で、がっちりとした骨太な力強さと熱を感じる演奏のように思う。アダージェットにおいてすら甘さだけでない、常に内包される強さのようなものが感じられるようである。その分他の2盤に比べるとややストレートな感を受ける面もあるかもではある。フィナーレはテンシュテットらしい実直な力強さで心地よい〆である。

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ブルックナー 交響曲第8番 シノーポリ/ドレスデン国立管(シュターツカペレドレスデン)

2022-11-13 18:17:16 | ブルックナー 交響曲(第3番/第5番/第8番)
ブルックナー 
交響曲第8番

指揮…シノーポリ 
演奏…ドレスデン国立管(シュターツカペレドレスデン)
好み度…5(5点満点)

絢爛たる華を感じるようなブル8である。
第1楽章から弦の響きは艶と明るい活力に満ち金管は爽快に厚く力強く響き渡り、少しドラマティックに動くテンポの流れの中、旋律は歌となって躍動する。
第2楽章、しなやかな筋肉のような躍動感とまぶしいくらいの色彩感でブルックナーらしいかどうかは別にして秀逸のように思う。 
第3楽章も艶と深みを帯びた美しい弦が情感にあふれた旋律を歌って美しい。木管も弦にかぶさるように出てくる金管も美しい。このあたりは名門ドレスデンの流石というところだろうか。
終楽章冒頭のファンファーレも堂々颯爽、その後もこの演奏を〆るのに相応しい明るい華のある力感を聴かせ、力強くこの曲を〆ている。
ルカ教会の残響も心地よいし録音もきれいな、この曲に華を感じる、名盤の1つと思う。
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