好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

ブルックナー 交響曲第5番 ブロムシュテット/ライプツィヒゲヴァントハウス管 

2023-11-26 22:51:44 | ブルックナー 交響曲(第3番/第5番/第8番)

ブルックナー
交響曲第5番

指揮…ブロムシュテット 
演奏…ライプツィヒゲヴァントハウス管 
好み度…5(5点満点)

高齢と言っていい域に入ってのブロムシュテットとゲヴァントハウスのコンビは、いい仕事をしているなぁ、と思わせる。
以前のブロムシュテットの演奏と言えば生真面目で整って情と言うよりは整然と、丁寧に隙なくしっかりと、しかしどこか小さくまとまっていた感もあるイメージだったが、丁寧さとか美しさはそのままに伸びやかさと大きさを得て、この演奏でも何か神聖なものを慈しむような、整いつつも美しく広がりと透明感のある深みを感じさせる美しく広がりのある(大人の力強さもしっかり併せ持つ)ブルックナーになっている。
ホールの残響の美しさとか録音のよさも影響は大きいと思う。
ゲヴァントハウス管の響きも何とも繊細な深みも湛えて美しい。
丁寧で繊細で大きく美しい、ブルックナーである。
重厚だったり豪快に金管が響いたり、というブルックナーでなく、静かに厚く気品を湛えたようなブルックナー、かな。フィナーレは壮大。

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ブルックナー 交響曲第3番 ズヴェーデン/オランダ放送響

2023-11-26 22:50:32 | ブルックナー 交響曲(第3番/第5番/第8番)

ブルックナー
交響曲第3番

指揮…ズヴェーデン 
演奏…オランダ放送響
好み度…4.5(5点満点)

この人のブルックナーは、優しく、柔らかく、大きい。
厚みが、音色が、響きが、流れが、そう感じさせる。大きく虚飾のない心地よいブルックナー。
フィナーレも力まずかといって力不足でなく、安堵感のようなものを感じるような大きさが感じられる。
この曲の大きさ、おおらかさが、誇張でなく、自然な感覚で感じられるようである。

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ブラームス ピアノ協奏曲第2番 カッチェン/フェレンチク/ロンドン響

2023-11-26 22:49:06 | ブラームス ピアノ協奏曲(1番・2番)

ブラームス
ピアノ協奏曲第2番

ピアノ…カッチェン 
指揮…フェレンチク 
演奏…ロンドン響
好み度…4.5(5点満点)

ピアノにもオケにも堂々たる重みと力強さがあって、この曲の剛毅で重厚な迫力を感じさせる。重ったるいんじゃなくて、大きな広がりも感じるような。
いろんな演奏があるけど、ごういう演奏っていい。
録音はちょっぴり古風な音でちょっとノイズがあったりするし今風の綺麗なものではないが1960年の録音にしては上出来だし、聴くに何の不都合もストレスもない。

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ブルックナー 交響曲第5番 ホーレンシュタイン/BBC響 

2023-11-19 13:11:15 | ブルックナー 交響曲(第3番/第5番/第8番)

ブルックナー
交響曲第5番

指揮…ホーレンシュタイン 
演奏…BBC響 
好み度…4.5(5点満点)

ホーレンシュタインもBBC響もいつも安定して名演を披露するといったタイプではないように思う、ただ、ときに飛びぬけたような演奏をすることも確かだと思う。
この演奏はそんな演奏の1つなのだろうと思う。
もともと指揮者もオケも、ときに思い切った力感を感じさせるタイプと思っているし、ライブの熱と臨場感もよいほうに作用して、お行儀のよい演奏にはない血の通った奥行きと力強さを感じさせる演奏のように思う。
世評もホーレンシュタインが晩年に遺した名盤の1つとの位置づけのようである。特に終楽章でこれだけ熱を感じさせる盤もちょっとないのではないだろうか。
フィナーレも大きく、美しさとか技量とかを聴く盤ではないと思うが、この曲の熱と力を聴くにはよい盤と思う。

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ブルックナー 交響曲第8番 ヴァント/バイエルン放送響

2023-11-19 13:10:18 | ブルックナー 交響曲(第3番/第5番/第8番)

ブルックナー
交響曲第8番

指揮…ヴァント 
演奏…バイエルン放送響
好み度…5(5点満点)

ベルリンフィルとの録音よりだいぶ前の録音ということになる。ベルリンフィルとの盤では鉄壁のような厚い重さと完成度がいかにもブルックナーの王道という感を与えたが、こちらは王道然とした完成度の代わりに、ヴァントの、この曲への熱が、若い分だけストレートに、テンポの揺れとなって、あるいは歌となって、あるいは熱の込もった響きとなって、あふれ出ているような、そんな印象を受ける。第3楽章ですらほんのり明るく瑞々しい活力を感じるよう。
厚く熱を帯びながらも透明感を漂わせるバイエルンの響きもいいし随所で低弦が骨太な活力をもって心地よく響き、金管も耳に尖らずしかし団子にならずよく鳴っている。終楽章の力感もいいし、ヴァントのブルックナーは、気の効いた内声とか印象的なテンポの設定とかが特にあるわけではないのだけれど、一音一音ががっちり美しい。力強い信念を感じるような。ヴァントの実直はブルックナーと相性がいいな、と改めて感じる。バイエルンのいいところも出て、厚く清らかに活きた力感にも満ちたブルックナーらしい名盤の域かと。

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ブラームス 交響曲第1番 ボールト/BBC響

2023-11-19 13:08:53 | ブラームス 交響曲第1番

ブラームス
交響曲第1番

指揮…ボールト 
演奏…BBC響
好み度…4(5点満点)

ライブ盤。録音はまずまず、ロイヤルアルバートホールというホールの特質もあるかもしれないがやや残響は多め。
以前聴いたロンドンフィルとの演奏ががっちり隙のない演奏だった印象と比べると全体的にやや大味な印象を受けるが、かえって野性味だったり勢いを感じさせるところはある。ライブというところもあるかもしれないしBBCというオケの性質もあるかもしれない。
全体的に細かな配慮が効いた感じではないし、第2楽章なんかは深みも情緒も感じられないが、特に両端楽章での豪快な金管はじめ思い切り良く鳴るオケとフィナーレ凱歌の重量感ある力強さなんかはなかなか捨て難い。演奏後の聴衆もかなり盛り上がっている(イギリスあるいはこのホールでの演奏会ではこういう盛り上がり多いかな…)。
ちょっとがさつな感は受けるが重い勢いある雰囲気がなかなか他にありそうでない、それなりの魅力は感じさせる盤。

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ブルックナー 交響曲第3番 ハイティンク/ウィーンフィル

2023-11-04 08:41:57 | ブルックナー 交響曲(第3番/第5番/第8番)

ブルックナー
交響曲第3番
指揮…ハイティンク 
演奏…ウィーンフィル
好み度…5(5点満点)

ハイティンクは特に好きな指揮者というわけではなく、ハイティンクのブルックナーは聴いてみてこなかったが、これはいい、聴いてよかった。
ハイティンクは強い個性を感じさせる指揮者ではないように思っているので、ブルックナーのように特に強い個性を必要としない曲に合っているのかもしれない。そういう意味ではハイティンクはマーラーよりブルックナーに向いているのかも。
というか、ハイティンク云々というよりウィーンフィルが何ともいい。特に弦かなぁ、美しい。金管もよく鳴りつつどこか澄んだ雰囲気があって、管弦合わせて弱音から強奏までどこか宇宙的とでもいうような美しい大きさを漂わせている。フィナーレの壮大さもいいし、ゆったりしたテンポの中、こ曲のよさとオケのよさがよく出た(それを引き出したというならやはり指揮者もいいのかな)弦が美しい、この曲のよさとウィーンフィルを堪能する大きく美しいブル3。

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ブルックナー 交響曲第5番 スクロヴァチェフスキ/ロンドンフィル

2023-11-04 08:40:14 | ブルックナー 交響曲(第3番/第5番/第8番)

ブルックナー
交響曲第5番

指揮…スクロヴァチェフスキ
演奏…ロンドンフィル
好み度…4.5(5点満点)

2015年ライブ。残響の豊かさがむしろ売りのような盤が多いこの曲で、残響少な目のクリアで美しい録音による盤。
豪快な管弦に残響も重なって荘厳な響きとなるこの曲もいいが、残響少な目で(といっても他の曲なら標準くらいかも)いろんな音の重なりがしっかり聴けるこの曲もスクロヴァの厚く美しい音の重ねゆえに悪くない。
豪快に金管が鳴り渡るという雰囲気はなく、弦や木管も含めてそれぞれが厚く美しく重なり、全体として厚くも透明で美しい響きをつくっている。
一聴、情を排した冷めた美しさかと思いきや、冷静なりにちょっとひんやりした響きの中にしっかり情は織り込まれているように感じられ、特に第2楽章の厚い美しさは趣深い。
ロンドンフィルとかロイヤルアルバートホールとかいうと力強さとか熱は期待できてもちょっと大味な印象があったが、とても機能的で美しい演奏・録音(拍手は相変わらず熱狂的)で、フィナーレの最後でちょっと聴きなれない処理があるけどまぁご愛嬌と思えるくらいの、全体的にはスクロヴァならではの、ちょっと冷静で音の重なりの美しい、厚いけど透明な美しさを感じさせる、盤のように思う。

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ブラームス ピアノ協奏曲第2番 アラウ/ハイティンク/ロイヤルコンセルトヘボウ管

2023-11-04 08:30:11 | ブラームス ピアノ協奏曲(1番・2番)

ブラームス
ピアノ協奏曲第2番

ピアノ…アラウ
指揮…ハイティンク 
演奏…ロイヤルコンセルトヘボウ管
好み度…4(5点満点)

アラウの重く、強く、美しく、一音一音をしっかり弾くピアノはブラームスに合っていて、ハイティンク/コンセルトヘボウのオケも弦の独特の艶と気品を帯びた重さ、ホルンや木管等ソロの上手さ、と流石の風格でそつなくまとめる以上のものを聴かせて、両者相まってちょっとどんよりした重さを漂わせながら、若々しい覇気とかでなく、熟成された風格のようなものを漂わせた演奏になっている。終楽章でちょっと感銘が薄れるような感があるが、まぁ、この曲はそんなところがあるからなぁ、という気もする。

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