好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

ブルックナー 交響曲第8番 ヴァント/ベルリンフィル

2023-06-24 18:32:02 | ブルックナー 交響曲(第3番/第5番/第8番)

ブルックナー 
交響曲第8番

指揮…ヴァント 
演奏…ベルリンフィル 
好み度…4.5(5点満点)

重量感と艶のある低音、重心の低い分厚い金管の重なり、まるで重さがあるかのように迫る音の塊。
城塞のような頑とした重みというのがブルックナーのイメージなら、小細工のない堂々たるテンポ設定も相まってまさにブルックナーらしいブルックナーだろう。そして古城が美しいようにこの響きもまた重くも美しい。ウィーンフィルの美しさとはまたちがった響きの魅力を感じる。
テンポも何もかも全部何の変哲もないようで、実はいろいろ工夫されてたりすごい響きだったり(第2楽章の彩りとかやはり秀でているように思う)、しっかり感銘を与えるところがヴァントのすごいところなのだろうと思うし、このコンビはブルックナーに合っている。
がっちりとした、重みのある、美しいというか、すごい響きのブルックナーのように思う。
この曲の重み、美しさを存分に感じさせてくれる演奏のように思う。

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ドヴォルザーク 交響曲第9番「新世界より」 西本/ブダペストフィル

2023-06-24 18:29:01 | ドヴォルザーク 交響曲第9番 新世界より
ドヴォルザーク 
交響曲第9番「新世界より」

指揮…西本 
演奏…ブダペストフィル 
好み度…3.5(5点満点)

出だしの弦は美しく郷愁を帯びていい雰囲気。期待させるがその後の強奏はパンチ力に欠ける印象はある。そんな出だし。
第1楽章ではフォー、フォー、と和音をつくる金管群が結構前面に出てちょっと耳に付きすぎる印象もある。ここぞという力強さや厚みが今ひとつ感じられず響きに深みや奥行きみたいなものもちょっと感じられないきらいもある。非力ということもないしよくも悪くも特にひっかかりもなく美しくはあると思う。
第2楽章は深みは感じられないまでも弦の美しさが気を引く。
第3楽章は特にプラスもマイナスもなく普通によくできた演奏。
終楽章は何か急に目覚めたように充実感を感じる。美しい弦に力漲り響きに大きさも感じられる。
ブダペストフィルというところにもちょっと何かあるかと思って聴いてみたが、特に特有の雰囲気とかは感じられない。
テンポは全体的にゆったりめ。
美しいがその美しさもちょっと表面的な印象はあり、いろんな意味で単調でもあるのかなぁ、聞き流すにはいいかもしれないがあえてまた時間をとって聴くか、と言われればそれはないかなぁ、といった感じ。
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ブルックナー 交響曲第5番 ズヴェーデン/オランダ放送フィル

2023-06-24 18:26:14 | ブルックナー 交響曲(第3番/第5番/第8番)
ブルックナー 
交響曲第5番

指揮…ズヴェーデン 
演奏…オランダ放送フィル
好み度…4(5点満点)

ブルックナーの演奏というと厚く大きな金管群のイメージがあるが、この盤は金管群はやや控えめ。
ただ、では力感に欠けるかといえばそうではなく、弦も含めて厚い響きをつくって、金属的な尖りや硬さを感じさせない厚い響きは、普段どちらかといえば堅固なイメージで語られるこの曲に明るい優しさを与えているように感じられて、そのままこの盤の印象になっている。
特別な何かとか名盤といわれるようなオーラがあるかと言われればそうでもないかもしれないが、ちゃんと重みも力感もあるけどいかめしくなく、人当たりのいいブルックナーのように思う。
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マーラー 交響曲第2番「復活」 ケーゲル/ライプツィヒ放送響&合唱団 他

2023-06-17 18:53:56 | マーラー 交響曲(第2番「復活」 第5番)
マーラー 
交響曲第2番「復活」

指揮…ケーゲル 
演奏…ライプツィヒ放送響
合唱…ライプツィヒ放送合唱団 他
好み度…5(5点満点)

オケは所謂超一流と呼ばれるオケの盤と比べると少々技量不足を感じないでもないし録音も上々とは言いがたいが、漂う緊迫感あるいは気迫はそれを補って余りあり、技量も録音も聴くに何ら支障あるレベルではない。むしろこんなに気迫を感じる盤もそうないだろうと思う。
第1楽章中盤での何かに急き立てられるようなテンポ設定や破裂するようなオケの響きや荒れるようなティンパニなど、他盤では見られない風景を見せる。
情の触れ幅は大きく、名演と言うより熱演という言葉のほうがあてはまるかもしれない。
合唱は第9で聴かせたような新鮮な響きは特にはないが、うまさというよりは人間味と熱に満ち、フィナーレもオケとともにありったけの熱で感動的に歌い上げる。
耳障りのいい上手く美しい演奏という盤とは趣はちがうが、もともとケーゲルの盤にそこは期待していないし、野性味といおうか、人間味と熱に満ちた、ケーゲルならではの熱演と思う。

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ブラームス ピアノ協奏曲第1番 タニエル/ノイマン/フィルハーモニア管

2023-06-17 18:49:10 | ブラームス ピアノ協奏曲(1番・2番)
ブラームス
ピアノ協奏曲第1番

ピアノ…タニエル
指揮…ノイマン
演奏…フィルハーモニア管
好み度…4.5(5点満点)

オケの実直で、覇気と重厚感のある響きが印象的で聴き応え十分。
ピアノは特別なインパクトや力強さなどは感じないが非力感もなく、澄んだ音色で清涼と妖艶の間をいくような特有な雰囲気も少し漂わせてこの曲の青っぽい情を感じさせて悪くない。
ノイマンは演奏によってそんなにいい指揮者かなぁ、と思うときもあるけど、この演奏は大充実。
オケもピアノも飾り気はないけどオケは覇気と重厚、ピアノは澄んだ情、とちゃんと雰囲気をつくって血の通ったいい盤である。
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サン=サーンス 交響曲第3番「オルガン付き」 アプカルナ/ヤンソンス/バイエルン放送響

2023-06-17 18:44:21 | サン=サーンス
サン=サーンス 
交響曲第3番「オルガン付き」

オルガン…アプカルナ 
指揮…ヤンソンス 
演奏…バイエルン放送響
好み度…5(5点満点)

ヤンソンスにはだいぶ前にオスロフィルとの同曲の録音があり、そちらは確か第1楽章から第2楽章1部までの丁寧できめ細かな美しい雰囲気、終楽章ではオルガンの大音響、の印象があり(終楽章のオルガンの大音響は世間では賛否あったようだが)、ちょっと普通と違った味わいだが、テンポをゆったりめにとりつつ、音響効果だけでないこの曲の良さを引き出している結構好印象の演奏との印象がある。
こちらはそれからだいぶ経っての録音ということになり、直接聴き比べはしていないが、多分録音も含めて、ライブではあるけれど完成度とかはこちらがだいぶ洗練されているのだろうと思う。ゆったりしたテンポで焦らず間延びせず自然な大曲感すら感じさせ、この曲を大きく美しく聴かせている。これからも聴くとしたら多分こちらだろう。終楽章はもうちょっとだけオルガンが聴こえても、というのは好みの贅沢の範疇だろう。フランスものをドイツオケで、ということになるが、バイエルンの厚くどちらかといえば透明感のある明るい音色と機能美はむしろこの曲に合っているように思うし、濃い情とかが求められる曲でもないので、ヤンソンスの気配りの効いた指揮というのも合っているのだと思う。
録音も含め、大きく、美しく、オルガンと言うよりは澄んで美しい弦とそれらの重なりの印象のほうが強い気もするが、この曲を代表する盤の1つといえるのではないだろうかと思う。
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ブルックナー 交響曲第5番 バロー/ザンクトフローリアン・アルトモンテ管

2023-06-03 18:07:04 | ブルックナー 交響曲(第3番/第5番/第8番)
ブルックナー 
交響曲第5番

指揮…バロー 
演奏…ザンクトフローリアン・アルトモンテ管 
好み度…5(5点満点)

ブルックナーゆかりの聖フローリアン修道院教会の深遠な残響の中でゆったり奏されるブル5のライブ録音。
録音状態はよく、残響響く空間を感じられるようですらある。
バローはチェリの弟子とのことだが、タイム的には第2楽章以外はチェリの盤よりも長く、もはやブル5云々というより、大きな教会音楽を聴く感があるし、そうであるなら美しく荘厳な音楽に仕上がっているように思う。もしかしたら作曲者のイメージにもむしろ近いのかもしれない。同じ場所で録音してもブルックナーの交響曲でなければこういう雰囲気では響かないだろうと思う。
フィナーレもなかなかに雄大。
指揮者もオケもあまり他で聞かない名前だが、録音場所と録音のよさの寄与も大きいにせよ、歌心もある、美しく荘厳な雰囲気を持った、よい盤と思う。
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マーラー 交響曲第5番 ハイティンク/フランス国立管

2023-06-03 18:03:15 | マーラー 交響曲(第2番「復活」 第5番)
マーラー 
交響曲第5番

指揮…ハイティンク 
演奏…フランス国立管 
好み度…4(5点満点)

2004年。
ゆっくりと、どこか寂しさが漂うような音楽。
むしろ色彩感とか響きの厚みとかは極力抑え、余分な熱は持たずにモノトーンの中にところどころに淡い色を置いて、所謂「枯れた」味わいを感じるような。
覇気がなくてつまらないとかそういう感じにもなっていない。
パワーをウリにしないこの曲もありだと思うし、アダージェットなど結構美しい。
スピード感とか躍動感とかとは縁がないような演奏だが、フィナーレなど結構大きく聴かせて、全体の印象も、いろいろ削ぎ落としてはいるが痩せ過ぎの一歩手前でとどまって、それぞれの音には艶がないわけではなく、細やかな情と言う点ではむしろクリスマスマチネ盤とかより感じる面もあるし、渋く大きな、といった印象。拍手も盛大。
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ブルックナー 交響曲第3番 テンシュテット/バイエルン放送響

2023-06-03 17:59:20 | ブルックナー 交響曲(第3番/第5番/第8番)
ブルックナー 
交響曲第3番

指揮…テンシュテット 
演奏…バイエルン放送響 
好み度…5(5点満点)

こういう演奏を聴くと、テンシュテットって改めてすごいな、と思う。
緊張感と熱い力強さに満ち、基本的に颯爽としたテンポの中、ごく自然にテンポに緩急をつけながら強い情と燃焼感を伴わせながら、この交響曲が威風堂々颯爽たる曲であることを知らしめる。
この曲は5番や8番のように宗教色だったり大曲感だったり、というより活力とか清清しさを感じられる演奏のほうが合っているように感じる。
バイエルンの響きも厚く活力に満ちて清清しく表現力豊かにテンシュテットの燃焼感を現して、この組み合わせでこの曲の録音が残っているというのはラッキーだと思う。
所謂巷で言うところのブルックナーらしいかと言われれば疑問符かもしれましれないが、熱い緊張感とエネルギーに満ち、この曲がこんなにも聴き応えのある曲であることを強烈に知らしめる盤も他にちょっとないだろう。
ブル3もテンシュテットもバイエルンもすごいなぁ、の名演ですね。
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