好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

ベートーヴェン 交響曲第7番 ティーレマン/ウィーンフィル

2023-09-24 23:02:06 | ベートーヴェン 交響曲第7番

ベートーヴェン 

交響曲第7番

指揮…ティーレマン 

演奏…ウィーンフィル 

好み度…4.5(5点満点)


この7番はいい。弦、木管、金管による、和音が、何ともウィーンフィルならではの柔らかく深みを伴った美しい響き。テンポは基本的にオーソドックス、弦、木管、金管はそれぞれに艶のある美しい響きで、それらのブレンド加減も絶妙。内声も心地よく美しく聴ける。
自分たちの音楽、という自負だろうか、力まない、余裕すら感じさせる活力も十分。
調和と活力と美しさと、この曲の特長と奏者の特長がマッチした名演の域かと。

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ブルックナー 交響曲第5番 メスト/ロンドンフィル

2023-09-24 22:59:29 | ブルックナー 交響曲(第3番/第5番/第8番)

ブルックナー 

交響曲第5番

指揮…メスト 

演奏…ロンドンフィル

好み度…4.5(5点満点)


堅固だったり重厚長大だったり宗教色を感じさせたり、いろいろな側面を見せるこの曲だが、そういったイメージを払拭させるような、力強くしなやかに引き締まった演奏。

1993年ウィーンでのライブ録音とのことで、解説にも「その新鮮かつ鮮烈な解釈は保守的な聴衆の怒りを買うとともに、多くの聴衆から圧倒的な拍手で迎えられたという」とあるのも微笑とともに頷ける気がする。ここぞで豪快に響くティンパニや速めのテンポの第2楽章の美しい爽快感、フィナーレの怒涛の迫力などが印象的。速めのテンポだが、指揮者もオケも一音一音への配慮がおろそかになることなく、むしろ高く爽快な緊張感を感じる。この日のロンドンフィルの響きはしなやかに機能的にシャープな清涼感も感じさせてこの演奏に合っているし録音もいい。

何せ他の盤でのブル5とはイメージを異にする、颯爽とスポーティーでしなやかな筋肉質といったら怒られそうだが、爽快で引き締まったブル5。

聖フローリアンにゆっくり響くこの曲もいいが、こんなこの曲もいい。

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ブルックナー 交響曲第8番 ヴァント/ミュンヘンフィル

2023-09-24 22:56:10 | ブルックナー 交響曲(第3番/第5番/第8番)

ブルックナー 

交響曲第8番

指揮…ヴァント 

演奏…ミュンヘンフィル

好み度…4.5(5点満点)


ヴァントといえば堅固で真っ直ぐ実直なイメージだが、晩年のこの演奏では奥深く滋味深い淡く光るような味わいといったものが加味されているようで、それまでのヴァントにあまり感じられなかったような大きさ美しさが感じられるようで感慨深い。

1年後のベルリンフィルとの盤との比較で語られることもあるようだが、堅固な緊張感と重みのベルリンフィル、艶と滲み出る美しさのミュンヘンフィル、といったところだろうか。

ベルリン盤のほうがブルックナーらしいかもしれないし、ミュンヘン盤のほうが味わい深いかもしれない。もうこのレベルではこの曲にどんなイメージを求めるかのちがいで好みがわかれるだけのように思う(タイム的には各楽章少しずつミュンヘン盤のほうが長く、聴いていてのイメージではむしろタイム以上のミュンヘン盤がゆったりしたテンポに聞こえる)。

静かな演奏というわけではない、むしろ終楽章での金管群の響きなど迫力と重みなど他盤を圧するくらいである。録音もすこぶる優秀。第2楽章がやや他のヴァントの盤と比べて緊張感が感じられないようなところはあるが、第3楽章のゆったり輝くような美しさ、終楽章の迫力と美しさは圧巻。

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ブルックナー 交響曲第3番 ザンデルリング/ライプツィヒゲヴァントハウス管 

2023-09-09 15:13:09 | ブルックナー 交響曲(第3番/第5番/第8番)

ブルックナー 

交響曲第3番

指揮…ザンデルリング 

演奏…ライプツィヒゲヴァントハウス管

好み度…4(5点満点)


名盤として不動の評価を得ているような感のある盤。

覇気を十分に感じさせる響き、管も弦も緊張感と活力を持って鳴って、しかし大味にならずに引き締まった大きさを感じさせる。

古風で力強いオケの響きも好感が持てる。

特に第2楽章の厚く古風でアナログ的な透明感と温かさを感じさせる弦の響きなど美しい。終楽章の堂々とした運びとその後でのゆったり力強いフィナーレも印象的。

1963年の録音なので録音は今やもっと綺麗なものはいくらでもあろうし、全編として今となってはオーソドックスと言ってしまえそうな演奏でありながら、その気迫、厚み、美しさ、やはり今でもありそうでないものが感じられ、古くなっても名盤として語られていく盤であることも頷ける。

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ブルックナー 交響曲第5番 アイヒホルン/リンツ・ブルックナー管

2023-09-09 15:07:45 | ブルックナー 交響曲(第3番/第5番/第8番)

ブルックナー 

交響曲第5番

指揮…アイヒホルン 

演奏…リンツ・ブルックナー管

好み度…5(5点満点)


このコンビでのブルックナーは8番も聴いたが、私には断然こちらのほうが感銘深い。

アイヒホルンにはバイエルン放送響との同曲の録音もあるが、どちらも十分な厚みや情のある響きの美しさ、嫌味のない大きさを持ち、演奏としての完成度はバイエルン盤、滋味というかブルックナーへの情みたいなものがより感じられるのはこちら、といったところだろうか。

金管の重なりは、大げさなものではないのだが、幾層にも重なる中で聴かせるべき音を知り尽くしているかのように大きく美しく重なって、弦の響きも素朴ながら情も込もって美しい。

第2楽章の弦の敬虔な響きは情深く美しく、フィナーレの圧倒的で情に満ちた大きさは数ある同曲の盤中筆頭と言ってもよいかと。

ゆっくりめのテンポは、ただおそいということではなく、重ねられる響きに一音一音への素朴な慈しみが感じられるようでもある。

このコンビの、ブルクナーへの、指揮者とオケのお互いへの、情愛がよい形で感じられるような、名盤でしょうね。

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チャイコフスキー 交響曲第5番 マズア/ライプツィヒゲヴァントハウス管

2023-09-09 15:02:39 | チャイコフスキー 交響曲第5番

チャイコフスキー 

交響曲第5番

指揮…マズア 

演奏…ライプツィヒゲヴァントハウス管 

好み度…4(5点満点)


何か、甘っぽく美しいチャイ5、なの、かな。
マズアは柔らかくて、悪くないけど、何か煮えきらずどっちつかずで、結局何だったんだ、みたいな印象が多くて、この盤もある意味そうなんだけど、その煮え切らないところが何となくこの曲には合っているのか、あるいは残響多めのゲヴァントハウス管の美音が有無を言わさずこの盤に一定の価値を与えてしまっているのか、この曲はいろんな顔を見せるが、力強さとか勇壮とかでなく、ゆったりとそれなりの恰幅をもって甘く美しく聴かせる、という意味では上質の演奏のように思う。交響曲というよりワルツとかバレエ音楽を聴いているような感じもある。

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