好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

ブラームス 交響曲第1番 秋山/東京響

2023-05-27 15:35:44 | ブラームス 交響曲第1番
ブラームス 
交響曲第1番

指揮…秋山 
演奏…東京響
好み度…4.5(5点満点)

健全で、嫌味も誇張もなく、明るくおおらかな人のよさが滲み出ているような、そんなブラ1。
低音が特にうなると言うこともなく、残響多い録音も手伝ってか、重厚と言うよりは明るい大きさが印象に残る。
特にこのコンビの双方への、あるいは秋山のこの曲への愛着が感じられるような、素直で温かく、大きく爽快な演奏のように思う。
テンポは細かく動かすことなく、泰然と少しゆったりめの印象を感じさせながら進んで、フィナーレも明るく大きく堂々としたもの。 
聴いた後特にうならされるような、そういうタイプの演奏ではないが、ここはこうしてほしいな、というところも個人的には合ってるところも結構あって、大きく伸びやかで、好感の持てる盤である。
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ブルックナー 交響曲第3番 チェリビダッケ/ミュンヘンフィル

2023-05-27 15:30:05 | ブルックナー 交響曲(第3番/第5番/第8番)
ブルックナー 
交響曲第3番

指揮…チェリビダッケ
演奏…ミュンヘンフィル
好み度…3.5(5点満点)

この曲には大曲然としたどっしりした重みとかよりむしろ覇気とか瑞々しさとか清涼感とか、そういったものが似合うような気がしていて、そういった意味ではテンシュテットに燃焼間抜群の覇気がありクーベリックに清涼感があるように、チェリのこの演奏に何かがあるかと言われれば、いつものスローテンポはこの演奏ではそれゆえの何かを得ているように思われないし、ちょっと譲って美しいとしても、どっしりの重みを感じさせる美しさはこの曲に合う美しさでもないような気もする。
まぁ、私の好みからはチェリはこの曲にはあっていないかな、といったところなのでしょう。
オケもどこか先に行かないようにするのに必死なような感じも。気のせいかな。
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マーラー 交響曲第2番「復活」 ギーレン/南西ドイツ放送響/ヨーロッパ合唱アカデミー

2023-05-27 15:26:33 | マーラー 交響曲(第2番「復活」 第5番)
マーラー 
交響曲第2番「復活」

指揮…ギーレン
演奏…南西ドイツ放送響 
合唱…ヨーロッパ合唱アカデミー 他
好み度…5(5点満点)

世間の評は精密で分析的で情は入っていないといったタイプ、との評が多いようで、確かにがむしゃらとか熱い感情むき出しとかといった演奏ではない。が、私にはいい。
録音のよさもあるだろうが、オケの響きはアンサンブルも整って美しくほどよい緊張感と濁らない力強さも感じられて、第1楽章はじめからして低弦やトランペットもしっかり決まって、整然としつつ無機的でなく、テンポの動きや歌い回しなど聴いていても情が入っていないということも感じない。
オケもいいが合唱もまたいい。これも録音のよさも関係しているとは思うが、奥行きと適度な残響を漂わせながら澄んだ敬虔な響きで、入りも声量を絞りすぎずその美しい声の重なりをしっかり聴かせてくれるのがかえっていい。フィナーレの合唱はもうあとちょっとだけ迫力みたいなものを期待したい気もないではないがないものねだりの域でしょう。
スケール感もあって、美しく力強くカッコいい、そんな印象の盤でむしろ名盤の域と思う。
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ブルックナー 交響曲第8番 プレートル/ウィーン響

2023-05-07 18:25:52 | ブルックナー 交響曲(第3番/第5番/第8番)
ブルックナー 
交響曲第8番

指揮…プレートル 
演奏…ウィーン響
好み度…4.5(5点満点)

プレートルとウィーン響は相性がいいんだろう。
プレートルの細部に拘らない浪漫的な音楽と、このオケの洗練とはちょっと違うほうを向いた情に満ちた古風で実直な重みのある響きが合っているのだろう。
洗練と言うよりはむしろ古風な重みと甘美にも似た濃い情感を感じさせるような演奏。
大きさと骨太さも兼ね備えた血の通ったロマンを感じさせるブルックナー、悪くない。
第3楽章でのウィーン響の古風なたっぷりの甘美な情を湛えた弦がまたいいし、気持ちよく吹かれるホルンもまた然り。
終楽章も弦も金管もおおらかに太く情深く響いて爽快。
ロマン的という意味では右に出る盤はないのではないだろうか。
聴くほうもある意味プレートルの演奏に完成度の高さを期待しているのではないだろうし、大きさと甘美にも似たロマンと…プレートルでなければ聴けないものが聴ける、といった印象の、1つの名盤と思う。
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マーラー 交響曲第5番 クーベリック/バイエルン放送響

2023-05-07 18:20:11 | マーラー 交響曲(第2番「復活」 第5番)
マーラー 
交響曲第5番

指揮…クーベリック 
演奏…バイエルン放送響
好み度…4.5(5点満点)

1981年ライブ。セッション盤から10年。タイム的には終楽章以外はこちらのほうが時間をかけた演奏となっていて、印象としても陰を漂わせて所謂マーラーらしい雰囲気が強くなっている印象を受け、深みと大きさを増したように思う。ただ、実直にこの曲の素のよさを力強く熱っぽく訴えかけてくるようなセッション盤がこちらに劣るかというとそういうわけでもなく好みの範疇かとも思う。
アダージェットは、セッション盤では他の盤に比べ明るいものであったが、この盤では静かにゆっくりと、特に激しい起伏づけはないが、このコンビらしい透明感ある弦の響きに情感が濃く漂い、開放感のある広がりも感じさせる美しいアダージェットであり、静けさの中の透き通るように重なる弦が印象的で、悲しみもほのかに加わったような感も受ける。
明るく活力があり健康的であったセッション盤よりもオケの音としてのレンジの幅、スケール感、音や情においての幅ときめ細かさ、などの点で、好みは別として、マーラーの演奏としてはこちらが上位にランクされるものと思われる。
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ブラームス ピアノ協奏曲第1番 ディヒター/マズア/ライプツィヒゲヴァントハウス管

2023-05-07 18:14:34 | ブラームス ピアノ協奏曲(1番・2番)
ブラームス 
ピアノ協奏曲第1番

ピアノ…ディヒター 
指揮…マズア 
演奏…ライプツィヒゲヴァントハウス管
好み度…5(5点満点)

まずはオケがマズアにしては上々出来(こんな言い方ですみません)。このオケらしい明晰な透明感に「気合い」と言っていいような活気と凛とした艶を載せて、どこか洗練味も感じさせていい。
ピアノも地を這うような重みとか陰を感じさせる情とか、そういうのではないが、凛とした中に情もまとって美しく達者。しっかり力強いがその力強さはガツンとした重く固いものではなく清清しいような何かを解き放つような、若き情熱を感じさせるようなところも感じられてオケの活気ともよく合って爽快。両端楽章の爽快かつ情の込められた力感もいいし第2楽章のこぼれるような情のこもった旋律も美しい。録音を通してピアノとオケがお互いを触発しあっていい相乗効果が生まれた演奏だったのではないだろうか。PentaToneの美しい録音(リマスタ?) も効を奏しているようにも思う。フィナーレも力強く明るく爽快。
しっかり厚いが重厚とか言うより、どこか清清しく溌剌とした、熱を帯びたような情と活気をもった充実爽快な演奏のように思う。
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