好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱」 小澤/サイトウキネンオーケストラ/東京オペラシンガーズ 他

2020-05-30 14:22:34 | べートーヴェン 交響曲第9「合唱」
ベートーヴェン 
交響曲第9番「合唱」 

指揮…小澤
演奏…サイトウキネンオーケストラ
合唱…東京オペラシンガーズ 他
好み度…4(5点満点)

2002年 松本ライブ
録音とかホールの残響とかの関係だろうか、しっかり鳴っている割には少し抜け切らないような、ちょっとこもったような、あるいは力が伝わってこないような響きの印象を受ける。この印象は第1楽章、第2楽章の印象とも重なる。ちゃんとしたうまさも厚みも美しさもあるが特別な美音も深みも激しさも感銘も特には受けない。
第3楽章は響きは落ち着いた美しさを感じさせるが速さなどの処理としてはややあっさりめ。
終楽章も管弦楽の部分ではそれほど情の入れ込みは感じない。独唱はなかなか達者で音量も程よい。合唱は元気で歓喜の歌など結構爽快だし終盤の追い込みなども力強いが、全体的に広がりや幽玄な雰囲気はあまり感じられない。
2002年は、年始にウィーンのニューイヤーを振り、ウィーン国立歌劇場の音楽監督に就いた年とのことで、そんな年に手兵のオケで、その本拠のフェスティバルで、凱旋のような感覚での記念的演奏として晴れがましい第九であったかと思うが、特に無理も感銘もない、そんな印象の盤でした。
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ドヴォルザーク 交響曲第8番 テンシュテット/ロンドンフィル

2020-05-30 14:20:27 | ドヴォルザーク 交響曲第8番
ドヴォルザーク 
交響曲第8番 

指揮…テンシュテット
演奏…ロンドンフィル
好み度…4(5点満点)

録音は1991年とあるから結構晩年の録音なんですね。
ちょっとはっきりしな録音のせいか、しっかりした力感と重みを感じつつも、緊張感とか艶とかにちょっと欠けるような印象を受ける。
速度を落とすとこは落としたり、ティンパニや低音もしっかり鳴らしながら、ただ流麗に普通に流れていく演奏とはちがう雰囲気をつくっているが、今ひとつ抜け切らないようなもどかしさというか、そんな感もやや受ける。終楽章は強奏部は力強く、叙情部はゆったりと、この曲ならではの金管も各所で爽快。
特に強い感銘を、というわけではないがよい演奏と思う。
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ドヴォルザーク 交響曲第9番「新世界より」 ロヴィツキ/ロンドン響

2020-05-30 14:17:18 | ドヴォルザーク 交響曲第9番 新世界より
ドヴォルザーク 
交響曲第9番「新世界より」 

指揮…ロヴィツキ
演奏…ロンドン響
好み度…3(5点満点)

ワルシャワとのブラ2を聴いて、ロヴィツキのドヴォルザークって合うんじゃないか、と思っていて、ようやく聴いてみたのだが、これは私には合わなかった。
言い方は悪いがちょっと安っぽいくらいの響きにも聴こえ、精気も覇気もなければ叙情性も、とにかく何も感じられなかった。
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ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」 サヴァリッシュ/ロイヤルコンセルトヘボウ管

2020-05-24 16:06:56 | ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」
ベートーヴェン 
交響曲第3番「英雄」 

指揮…サヴァリッシュ
演奏…ロイヤルコンセルトヘボウ管
好み度…4(5点満点)

どうということのないようでいて、深みと気品漂う美しい響きと真摯な音楽がたっぷりの「上質」感を感じさせる、このコンビならではの演奏と思う。終楽章にもう少し力感がほしい印象はある。
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ブラームス 交響曲第2番 ヤンソンス/ロイヤルコンセルトヘボウ管

2020-05-24 16:02:45 | ブラームス 交響曲第2番
ブラームス
交響曲第2番

指揮…ヤンソンス 
演奏…ロイヤルコンセルトヘボウ管 
好み度…4.5(5点満点)

ヤンソンスのこの曲の録音は、私の知っている限りオスロフィルとのものとバイエルン放送響とのものが他にあり、オスロフィルとのものは聴いていないが、バイエルン盤との比較でいえば録音時期がバイエル盤が2006年、こちらが2004年でこちらが先、どちらも厚く、また、丁寧に気配りの効いたよい演奏と思うが、印象として、バイエルン盤がちょっと明るめの透明感のある厚みと少し熱を帯びた響きが印象的であるのに対し、こちらは柔らかく厚い上質の絨毯のような質感を感じるように思う。
厚みとか熱とかで押していく雰囲気はなく、こころもちゆったりしたテンポで、痩せずに、しかし丁寧に、風格と叙情性をまとった上質な響きが印象的。
音質も上々で、しっとり感と艶のある響きが上質感を感じさせて心地よい。
流麗という雰囲気でもなく、緩むことのない重さも保っている。まっとうといえばまっとうだし、特に活力とかを聴かせる類でもないが、その深みのある艶と完成度はさすがと思わせる。
個人的にはなかなか手の伸びる盤ではないが、バランスのよい厚みと深みと叙情性と高い完成度を併せもった上質のブラ2を聴く思いのする、これはなかなかよいなぁ、と感じさせる盤である。
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ブラームス 交響曲第1番 アンチェル/チェコフィル

2020-05-24 15:59:49 | ブラームス 交響曲第1番
ブラームス 
交響曲第1番 

指揮…アンチェル
演奏…チェコフィル
好み度…4(5点満点)

第1楽章はチェコフィルってこんな響きも出すのか、と思うくらいちょっと荒々しさも含んだ重厚な響きで、覇気と緊張感ある良演。
第2楽章の特に前半の重く美しい弦の響きも感銘深い。
終楽章中盤以降、響きが軽くなってしまう感があり、それまでの重みと覇気が聴かれなくなってしまうのが残念。
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ブラームス ピアノ協奏曲第2番 ポリーニ/ティーレマン/ドレスデンシュターツカペレ

2020-05-17 12:08:01 | ブラームス ピアノ協奏曲(1番・2番)
ブラームス 
ピアノ協奏曲第2番 

ピアノ…ポリーニ
指揮…ティーレマン
演奏…ドレスデンシュターツカペレ
好み度…5(5点満点)

派手じゃないけど、いいなぁ。
オケもピアノも味わい深い重みを帯びた風格ある美しさ。
切れ味のある鋭さとか迫力ある低音とか推進力とかとはちがうが、弛緩することなく非力感も感じさせない。
けばけばしかったり虚飾だったり力みかえったり騒々しかったりといった力とか眩しさとは対極にあるような、静かなようで何でかわからないが艶と深みに満ちたような、ゆったり重く、深く、美しい2番である。
同じコンビでは1番もあるが断然こちらがよい。

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ベートーヴェン 交響曲第5番「運命」 ヨッフム/ロンドン響

2020-05-17 12:05:13 | ベートーヴェン 交響曲第5番「運命」
ベートーヴェン 
交響曲第5番「運命」 

指揮…ヨッフム
演奏…ロンドン響
好み度…5(5点満点)

これはいい。変化球なしに、真っ直ぐに、活力と重みと風格と歌と、を備え、暗さや重ったるさは感じさせずに重心低く熱く音を重ねた、重くどこか野性味を感じさせるヨッフムらしい運命。
冒頭の動機から力強い響きで、第1楽章後半の高揚も重厚にして熱の感じられるもの。
第2・第3楽章でもどの楽器も充実の響きを聴かせ、終楽章は冒頭の凱歌も力強く劇的な熱も感じさせて、緊張感は途切れることなく、ゆっくりめに堂々と強く輝かしい。
全編、金管なんかもよく鳴りながら浮かず耳障りにならず、どの楽器も芯を持って強く鳴り、オーソドックスに緊張感と熱を伴った力強く充実感に満ちた運命と思う。コンセルトヘボウ盤と比べてもかなり力と熱と情を感じる。
私は今風の細いベートーヴェンは好みじゃないので、こういう演奏が好きですね。
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ブラームス 交響曲第2番 ケルテス/ウィーンフィル

2020-05-17 12:02:16 | ブラームス 交響曲第2番
ブラームス
交響曲第2番

指揮…ケルテス 
演奏…ウィーンフィル 
好み度…4.5(5点満点)

明るく華麗にまとまったブラ2。
天賦の才が高く謳われるケルテスとウィーンフィルだけにしっかりまとまって響きにくもりはなく演奏に隙はない。
重さや情感はあまり感じないが、無機的というわけでもない。
第1楽章は静かな入りで、弦による主題もシンプルで、濃い情感漂うというタイプではないが、明晰で清廉な響きは爽やかな気品を感じるようでもある。上品なだけでなく中盤の高揚部などではメリハリの効いた力感を聴かせてもいる。
第2楽章は冒頭の抑え目の音量での弦と木管が印象的に美しく、その後も静かに流麗な美しさを聴かせている。終盤のトランペットの強奏等もちょっと印象的。
終楽章が何ともいい。その響きは、明るく華麗な力感が輝かしいようでもあり、いろんな音が溌剌と響き、明るい艶のある活力に満ちた響きは秀逸。フィナーレもテンポを煽ることもなくその厚く艶のある活力と力感と高揚感、爽快なトランペットも含め心地よい。
ブラームス的な重みや濃い情感は味わえないが、ウィーンフィルの美音も感じながら華麗にまとめられた中にちょっとセンスある新鮮味や切れ味鋭い響きも聴かせ、終楽章がいいこともあって、聴いた後の印象はかなり爽快でいい。
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ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」 チェリビダッケ/ミュンヘンフィル

2020-05-10 10:44:32 | ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」
ベートーヴェン
交響曲第3番「英雄」

指揮…チェリ 
演奏…ミュンヘンフィル 
好み度…4.5(5点満点)

ゆったりしたテンポにどっしりした響きながら威圧感やいかつさはなく、優美な雰囲気漂うような、英雄というよりは重厚かつ華やかな宮殿を思わせるような、さすがの聴き応えを聴かせる盤。
特に変わった響かせ方や楽器の出し入れはないが、ゆっくりしたテンポで美しさをめいっぱい引き出すかのような、その厚く美しい響きは耽美的でさえあり、何かときに英雄を聴いているのだということを忘れてしまうような、なんか、美しい、特有の雰囲気たっぷりの英雄。
チェリはベートーヴェンにはちょっと合わない印象もあったが、このコンビのいいところがこのコンビらしく出て、これは、いいな。

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