好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

マーラー 交響曲第2番「復活」 ケーゲル/ライプツィヒ放送響&合唱団 他

2023-06-17 18:53:56 | マーラー 交響曲(第2番「復活」 第5番)
マーラー 
交響曲第2番「復活」

指揮…ケーゲル 
演奏…ライプツィヒ放送響
合唱…ライプツィヒ放送合唱団 他
好み度…5(5点満点)

オケは所謂超一流と呼ばれるオケの盤と比べると少々技量不足を感じないでもないし録音も上々とは言いがたいが、漂う緊迫感あるいは気迫はそれを補って余りあり、技量も録音も聴くに何ら支障あるレベルではない。むしろこんなに気迫を感じる盤もそうないだろうと思う。
第1楽章中盤での何かに急き立てられるようなテンポ設定や破裂するようなオケの響きや荒れるようなティンパニなど、他盤では見られない風景を見せる。
情の触れ幅は大きく、名演と言うより熱演という言葉のほうがあてはまるかもしれない。
合唱は第9で聴かせたような新鮮な響きは特にはないが、うまさというよりは人間味と熱に満ち、フィナーレもオケとともにありったけの熱で感動的に歌い上げる。
耳障りのいい上手く美しい演奏という盤とは趣はちがうが、もともとケーゲルの盤にそこは期待していないし、野性味といおうか、人間味と熱に満ちた、ケーゲルならではの熱演と思う。

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マーラー 交響曲第5番 ハイティンク/フランス国立管

2023-06-03 18:03:15 | マーラー 交響曲(第2番「復活」 第5番)
マーラー 
交響曲第5番

指揮…ハイティンク 
演奏…フランス国立管 
好み度…4(5点満点)

2004年。
ゆっくりと、どこか寂しさが漂うような音楽。
むしろ色彩感とか響きの厚みとかは極力抑え、余分な熱は持たずにモノトーンの中にところどころに淡い色を置いて、所謂「枯れた」味わいを感じるような。
覇気がなくてつまらないとかそういう感じにもなっていない。
パワーをウリにしないこの曲もありだと思うし、アダージェットなど結構美しい。
スピード感とか躍動感とかとは縁がないような演奏だが、フィナーレなど結構大きく聴かせて、全体の印象も、いろいろ削ぎ落としてはいるが痩せ過ぎの一歩手前でとどまって、それぞれの音には艶がないわけではなく、細やかな情と言う点ではむしろクリスマスマチネ盤とかより感じる面もあるし、渋く大きな、といった印象。拍手も盛大。
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マーラー 交響曲第2番「復活」 ギーレン/南西ドイツ放送響/ヨーロッパ合唱アカデミー

2023-05-27 15:26:33 | マーラー 交響曲(第2番「復活」 第5番)
マーラー 
交響曲第2番「復活」

指揮…ギーレン
演奏…南西ドイツ放送響 
合唱…ヨーロッパ合唱アカデミー 他
好み度…5(5点満点)

世間の評は精密で分析的で情は入っていないといったタイプ、との評が多いようで、確かにがむしゃらとか熱い感情むき出しとかといった演奏ではない。が、私にはいい。
録音のよさもあるだろうが、オケの響きはアンサンブルも整って美しくほどよい緊張感と濁らない力強さも感じられて、第1楽章はじめからして低弦やトランペットもしっかり決まって、整然としつつ無機的でなく、テンポの動きや歌い回しなど聴いていても情が入っていないということも感じない。
オケもいいが合唱もまたいい。これも録音のよさも関係しているとは思うが、奥行きと適度な残響を漂わせながら澄んだ敬虔な響きで、入りも声量を絞りすぎずその美しい声の重なりをしっかり聴かせてくれるのがかえっていい。フィナーレの合唱はもうあとちょっとだけ迫力みたいなものを期待したい気もないではないがないものねだりの域でしょう。
スケール感もあって、美しく力強くカッコいい、そんな印象の盤でむしろ名盤の域と思う。
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マーラー 交響曲第5番 クーベリック/バイエルン放送響

2023-05-07 18:20:11 | マーラー 交響曲(第2番「復活」 第5番)
マーラー 
交響曲第5番

指揮…クーベリック 
演奏…バイエルン放送響
好み度…4.5(5点満点)

1981年ライブ。セッション盤から10年。タイム的には終楽章以外はこちらのほうが時間をかけた演奏となっていて、印象としても陰を漂わせて所謂マーラーらしい雰囲気が強くなっている印象を受け、深みと大きさを増したように思う。ただ、実直にこの曲の素のよさを力強く熱っぽく訴えかけてくるようなセッション盤がこちらに劣るかというとそういうわけでもなく好みの範疇かとも思う。
アダージェットは、セッション盤では他の盤に比べ明るいものであったが、この盤では静かにゆっくりと、特に激しい起伏づけはないが、このコンビらしい透明感ある弦の響きに情感が濃く漂い、開放感のある広がりも感じさせる美しいアダージェットであり、静けさの中の透き通るように重なる弦が印象的で、悲しみもほのかに加わったような感も受ける。
明るく活力があり健康的であったセッション盤よりもオケの音としてのレンジの幅、スケール感、音や情においての幅ときめ細かさ、などの点で、好みは別として、マーラーの演奏としてはこちらが上位にランクされるものと思われる。
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マーラー 交響曲第2番「復活」 クレー/ベルリン放送響/ベルリン聖ヘトヴィヒ大聖堂聖歌隊 他

2023-02-26 14:38:26 | マーラー 交響曲(第2番「復活」 第5番)
マーラー 
交響曲第2番「復活」

指揮…クレー 
演奏…ベルリン放送響 
合唱…ベルリン聖ヘトヴィヒ大聖堂聖歌隊 他
好み度…4.5(5点満点)

第1楽章の緊張感と迫力のある大きく美しい響きは圧倒される感も受ける。
その後の楽章も結構歌心も感じさせながら、しっかりしたアンサンブルとタテも揃えて大きく美しく聴かせている。
終楽章のバンダのトランペットとか、ちょっとずれているように感じる箇所もないではないがご愛嬌、打楽器も含めた大きな音が上手くて大きくて美しい印象。金管もしっかりよく鳴っているけど随所できれいによく響く弦楽器が美しさを感じさせているのかもしれない。
終楽章の合唱も丁寧に美しく、フィナーレも結構壮大に〆ている。
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マーラー 交響曲第5番 小澤/ボストン響

2023-02-19 12:06:03 | マーラー 交響曲(第2番「復活」 第5番)
マーラー 
交響曲第5番

指揮…小澤
演奏…ボストン響
好み度…4(5点満点)

うまいしいろんな意味でバランスも整ってるし綺麗だとは思う。
けど綺麗なマーラーを目指したのだとしても、もうちょっと力がほしいなぁ、という気はする。
ゆっくり静かに丁寧に奏されるアダージェットはこの盤でしか聴けない美しさがあっていい。
あとフィナーレは堂々爽やかで、個人的にはこの盤の聴き所はこの2つ。
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マーラー 交響曲第5番 プレートル/ウィーン響

2023-01-28 18:35:54 | マーラー 交響曲(第2番「復活」 第5番)
マーラー 
交響曲第5番

指揮…プレートル 
演奏…ウィーン響 
好み度…4(5点満点)

例えばアダ-ジェットは、遠くや幻想を静かに想うアダージェットでなく、もっと生々しい、甘美で重くて熱い情を託した歌のようであり、どこかのレヴューにあったが、こうなると確かにこの楽章はラブレターなのだと思う。
全体的に大味と言えばそうかもしれないし、少なくとも完成度を求めるならもっと上をいく盤は数多あるだろう。
多分プレートルも精密で整った演奏をしようと思っていないと思う。しかし、この、上手い下手でなく、思いをどこまでそのままに伝えられるかに割り切ったようなたような濃い響きは、捨て難い魅力のようにも思う。
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マーラー 交響曲第5番 ベルティーニ/ウィーン響

2023-01-15 09:36:28 | マーラー 交響曲(第2番「復活」 第5番)
マーラー 
交響曲第5番

指揮…ベルティーニ 
演奏…ウィーン響
好み度…4.5(5点満点)

完成度の高さとかうまさとか、そういったものを感じる演奏ではない。
ただ、実直でどこか古風で重みのある中に生身の熱とほんのり甘みを漂わせたような響きは捨て難い味わいがある。
整いきっていないことも含めて生身ならではの熱とか滋味を感じるような、実直で血の通ったようなマーラーのように思う。
特にアダージェットは重く美しい弦がゆったりしたテンポの中絡んで、上質の抑えの効いたとろけるような深みのある甘さと言うか、絶品といってよい域かと。
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マーラー 交響曲第2番「復活」 クーベリック バイエルン放送響・合唱団

2023-01-07 10:09:43 | マーラー 交響曲(第2番「復活」 第5番)
マーラー 
交響曲第2番「復活」

指揮…クーベリック 
演奏…バイエルン放送響
合唱…バイエルン放送合唱団 他 
好み度…5(5点満点)

1982年ライブ。
クーベリックのマーラー録音の中でも特に世評の高い盤のようであり、その世評を裏切らない名演名盤と思う。
このオケの透明感ある響きは、ときに重みに欠ける印象を与えることもあるが、この透明感は敬虔な雰囲気となって響くこともよくあり、例えばオルフェオレーベルでの第9などでもその響きは感じられるが、この演奏でも十分な厚みと緊張感をひしひしと感じさせながらこのコンビならではの敬虔な響きを聴かせている。
そんな響きで、クーベリックの熱さを内包した実直な指揮で、復活を、だからこれは特別な演奏になる。
録音も会場の空気感も感じられるようでいい。
最初の低弦と別世界へ誘うような木管からもう引き込まれる。
どこをとってもただ楽譜を追うだけでなく楽団員それぞれが同じ表現イメージを共有しながらさりげなくしっかり表現付けをしているようでもあり、金管のタメなんかも阿吽の呼吸と言うのだろうか、結構絶妙。
弦や木管を中心とした夢見心地のような叙情部と緊迫感みなぎる大きな強奏部、スケール感も十分。
終楽章も、この楽章だけでも十分雄弁壮大なドラマである。透明感と声量のある合唱もすこぶる美しく、入りは敬虔な透明感に満ちたような美しさ、独唱との重なりも美しい。決して急がず、各パートの清らかな重なりは荘厳な教会で厳かなミサを聴くような感がある。むしろほんの少しだけ速度を上げて追い込んで歌い上げるフィナーレは天にも届くような清らかな力強さと開放感に満ち、鳥肌ものである。速度を落とさないことで得られる荘厳さもあるのだな、と思わせられる。
一級の復活でしょう。
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マーラー 交響曲第5番 シノーポリ/フィルハーモニア管

2022-12-24 22:36:16 | マーラー 交響曲(第2番「復活」 第5番)
マーラー 
交響曲第5番

指揮…シノーポリ 
演奏…フィルハーモニア管
好み度…4.5(5点満点)

このオケは盤によって結構演奏にばらつきがあるように感じているが、ここでは優れた演奏をしている。
ほどよい緊張感の上で、張りと覇気のあるしなやかな躍動感を感じさせる響きが心地よい。
シノーポリもなかなかに表現豊かである。
激しいところはテンポも音も激しく、甘くいところは甘く歌い、金管は何となくカッコよく、アダージェットはまさに恋歌でありフィナーレはなんとも若々しい活力に満ちている。
全体的にゆったり大きなとかドロドロとかは感じず、明るく弾力があって多感で華がある、そんな5番のように思う。
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