好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

チャイコフスキー 交響曲第5番 バーンスタイン/ニューヨークフィル

2019-01-25 21:05:57 | チャイコフスキー 交響曲第5番
チャイコフスキー 
交響曲第5番 

指揮…バーンスタイン
演奏…ニューヨークフィル
好み度…4(5点満点)

この曲の芝居っ気とバーンスタインの濃い演出とがハマって力強くもトロミを感じるくらいに濃厚なチャイ5となって、これはもうこの曲とバーンスタインでしか味わえないものなんだと思う。この曲はこれくらいこってりやってくれたほうがおもしろいんだとも思う。
第1楽章から力強く、ロマン的に、テンポも大きく動かしてたっぷり情感の起伏を表現して、第2楽章もゆっくりと、映画のワンシーンのように、とろけるように甘美にたっぷり聴かせる。
終楽章も冒頭から情感たっぷりに謳い出し、その後は相変わらずの濃い情感に、重量感と熱気を加え、フィナーレはゆったりめに力に満ち、熱く情と力に満ちた終楽章。
大げさな芝居っ気も堂々と演じ切ってしまえば浪漫になるというか、端正に演られてしまうとちょっと味気ないところのあるこの曲を、サービス満点の味付けで堪能させてくれる、最初にも書いたがバーンスタインとチャイ5の組み合わせならではの演奏と思う。
ただ、濃い味付けの味の付け方は好みにも合ってるし、最初に聴いたときにはこりゃすごいな、と思いつつ、その後あまり聴く気が起きないのは何でだろう(ブラ1もそうなんですよね…)。
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ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱」 マタチッチ/チェコフィル/プラハフィル合唱団

2019-01-25 21:00:42 | べートーヴェン 交響曲第9「合唱」
ベートーヴェン 
交響曲第9番「合唱」 

指揮…マタチッチ
演奏…チェコフィル
合唱…プラハフィル合唱団 他
好み度…4(5点満点)

出だしは美しいホールの響きも相まってクリアでスケール感を感じさせる響きだが、それがずっとは続いていないような感を受ける。
第1楽章の途中辺りから声楽が加わるまで、第1楽章前半に比べると厚さや力感、スケール感が感じられない印象を受ける。
合唱は純朴な透明感とスケール感と、一所懸命感が感じられるようで好感が持て、各パートの重なりも随所で美しい。チェコ語で歌われているとのことだが、それはそれほど気にならず(日本語とか中国語とかだったら違和感あるのだろうけど)、声楽部に入って以降おおらかで純朴なスケール感がマタチッチらしくもある。
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ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」 クーベリック/ベルリンフィル

2019-01-25 20:56:44 | ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」
ベートーヴェン
交響曲第3番「英雄」

指揮…クーベリック
演奏…ベルリンフィル
好み度…4(5点満点)

9つのオケを振り分けての全集から(思えば3番がベルリン、5番がボストン、9番がバイエルン…、と組み合わせもいいと思う)。
感動とか巨匠然とした、とかとはちがうが、明るさを帯びた溌剌さと力強さを兼ね備えた、実直で伸びやかな良質な演奏と思う。
爽快で力溢れる勢いというか、第1楽章終盤のトランペットが主題を吹く辺りなんかもこれくらい力強い演奏はなかなかないように思うし、第2楽章は結構陰影の表情も彫り込まれ、終楽章は第1楽章ほどの活きは感じられないが尻すぼみにならない力強さは継続され、若々しい活力を感じさせるような英雄のように思う。
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ブラームス 交響曲第2番 小林/ハンガリー国立響

2019-01-05 23:59:29 | ブラームス 交響曲第2番
ブラームス 
交響曲第2番 

指揮…小林
演奏…ハンガリー国立響
好み度…4(5点満点)

第1楽章、ゆったりと重く流れていくブラームス、なかなかいい。どっしりとしたスケール感も感じる。弦による主題も特に抑揚はつけないが、太めにゆったり流れて、心地よい。反復無で17分超だから実際結構ゆっくりなんだろうが、遅いという感覚は受けない。
第2楽章は敬虔さを感じるようなタイプではないが、ゆったり重めの響きは、どっしりとした、優しいような、ちょっと不穏を漂わすような、それなりの雰囲気をつくっている。
終楽章は重めの響きにこの楽章らしい開放感もしっかり加えて、重みを効かすところはしっかり効かせてなかなかの聴き応え。フィナーレは速度を上げて、熱いといえば熱いが、ちょっとあっけないくらいな印象も受け個人的にはちょっと残念、それまで通りゆったりした力感をもってやってくれてたらなぁ、との感はある。何でここだけ急ぐ指揮者が多いんだろね、私はスコアは読めないが、スコアがそうなんだろうか。
とはいえ、どうしてなかなかちゃんと重厚な好感の持てるブラ2である。
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ドヴォルザーク 交響曲第9番「新世界より」 ケルテス/ウィーンフィル

2019-01-05 23:56:51 | ドヴォルザーク 交響曲第9番 新世界より
ドヴォルザーク 
交響曲第9番「新世界より」 

指揮…ケルテス
演奏…ウィーンフィル
好み度…4(5点満点)

名盤の呼び声がついて回る演奏。
そんなに特別かどうかは別として、派手さや特別の覇気や深遠さがあるわけではなく、基本的にオーソドックスではあるけれど、ちょっとくすんだような落ち着いた響きの中に瑞々しさと柔らかい郷愁に似た雰囲気も感じさせる美しい新世界のように思う。ただこぎれいなだけの演奏になっていないのはセンスも感じさせるバランス感覚ゆえだろうか。
情感を煽るようなことはしていないが、さっぱりしているようで何か捨て難い特有の雰囲気が漂うようなところがある。
第3楽章は少し音量控えめで、他の演奏と比べて舞曲的な印象が感じられるようではある。
センス光るバランス感覚で心地よくまとめられた洗練された新世界と思う。
覇気で聴かせるタイプではないが、若きケルテスの熱意がそうさせるのか、どこか一音一音の密度が濃いような感もある。
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ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱」 スクロヴァチェフスキ/ザールブリュッケン放送響/バイエルン放送合唱団 他

2019-01-05 23:46:34 | べートーヴェン 交響曲第9「合唱」
ベートーヴェン 
交響曲第9番「合唱」 

指揮…スクロヴァチェフスキ
演奏…ザールブリュッケン放送響
合唱…バイエルン放送合唱団 他
好み度…4.5(5点満点)

ひとことで言ってしまうならば、美しい第九。
激しいとかスケール感とか骨太とか、とは違うほうを向いた第九。
第1楽章は重さを感じさせない響きに、かつ弦の響きなどに小編成古楽器風の雰囲気も感じさせるが、か細いというわけでもなく、弦楽器中心の精緻でピンと張ったような雰囲気はある意味澄んだ敬虔さを含んだ美しさを感じさせ、ホルンやティンパニも重厚感や高ぶる感情を演出することはしない。途中のティンパニが暴れるような場面でもティンパニはあまり鳴らず入れ替わり響く弦がちょっと特異な雰囲気となっている。力感を求めるならアウトだし、個人的好みからは力感不足のじれったさみたいなものは否めないが、ニュートラルな心持ちで聴けば新鮮で悪くないと思う。
第2楽章は澄んだ緊張感を伴った響きでときに第1楽章より力感を感じるようでもあり(この楽章ではティンパニも結構引き締まった強い響きを聴かせている)、第3楽章はこのオケの澄んだ美しさが活かされて素直な美しさが聴かれるように思う。
終楽章も激しさや昂る感情というよりは透明感を感じるタイプだが、力感不足も感じない。弦による歓喜の歌の主題の受けつぎでの響きは明るく静かな喜びに満ちたかのようなものであり、声楽が加わって、独唱はうまさ、音量のバランスとも上々、合唱団は澄んで声量に不足なく、合唱の各パート、あるいはオケとのアンサンブルも他盤に秀でる域に美しく、清清しいスケール感も演奏に与えて、上質な響きを聴かせている。アンサンブルはじめ完成度は高く、ちょっと厳かな場所でガラスやステンドグラスの透明感ある色彩を見るような、こういう第九も悪くない、と思う。
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