好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

ブラームス ピアノ協奏曲第2番 ツィマーマン/バーンスタイン/ウィーンフィル

2019-11-30 11:49:24 | ブラームス ピアノ協奏曲(1番・2番)
ブラームス 
ピアノ協奏曲第2番 

ピアノ…ツィマーマン
指揮…バーンスタイン
演奏…ウィーンフィル
好み度…3.5(5点満点)

バーンスタインとウィーンフィルの組み合わせにはこの盤でも特に感銘を受けることはなく、ツィマーマンのピアノも同じコンビの皇帝で感じられたスケール感のようなようなものは感じられず、その濃い表現意欲はちょっと一人相撲のようにも聴こえてしまった。
オケもピアノもたっぷりの情を演出しているようで、ちょっとついていけないものを感じるような、そんな印象を個人的には受けた。
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ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番「皇帝」 内田/ザンデルリンク/バイエルン放送響

2019-11-30 11:42:36 | ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番「皇帝」&第4番
ベートーヴェン 
ピアノ協奏曲第5番「皇帝」 

ピアノ…内田
指揮…ザンデルリンク
演奏…バイエルン放送響
好み度…4.5(5点満点)

日本人でこんなピアニストがいたんですねぇ。ザンデルとバイエルンをバックに堂々たるピアノのように思う。
ザンデルとバイエルンをバックに、と書いたが、オケはスケール感も持って美しく、バックというよりは両者しっかり一体となって、大きく、ときに重量感を感じ、ときに繊細に、ときに淡霧のように美しく、スケール感のある皇帝となっている。
ピアノは少し翳を帯びるような響きでときに大きくときに繊細に美しく、ザンデルの運びと音も雄大、オケも透明感を持った大きく豊かな響きで、また、第2楽章冒頭の弦なども柔らかい重みをもって透明で美しく、流石バイエルン、との思いを感じる。
宮廷のような明るい華やかさとは別のほうを向いた、しかし澄んで豊かで、大きな、立派な皇帝であり、皇帝の名盤を語るにあまり名前が出てくるようにも思えないが、こういう盤と出会えるのもいろんな盤を聴く楽しみの1つなのかもしれない。
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ブラームス 交響曲第1番 ヴァント/シカゴ響

2019-11-30 11:37:52 | ブラームス 交響曲第1番
ブラームス
交響曲第1番

指揮…ヴァント
演奏…シカゴ響
好み度…5(5点満点)

これは名盤だろうなぁ。
録音時期としてはNDRとの2つの盤の間、演奏時間はどちらよりも少し長い。
NDRのような骨太なドイツ的重厚感はないが、堂々と響きつつも清らかな水を流したような美しさが漂う。
初顔合わせであり一期一会的な状況がこういう響きを生んだのだろうか。
弦は力をもちつつ濁らず、弦と程よい分離をもった金管の響きもときに鋭くときに弦ともたれあうようで、全体として厚く洗練され美しい。シカゴ響の奏者の上手さにもよるのだろうか、細部の表現付けも深みを伴った美しさを感じさせているようでもある。
第1楽章冒頭はヴァントのブラ1らしく速いが違和感なく、その後も力強く美しい。
第2楽章は深く澄んで美しく、第3楽章もちょっと新鮮なくらいに美しいし、終楽章も例えばフルートの後のホルン等静かに雰囲気あるし、例の主題も美しく、フィナーレへ向けての追い込みは重々しい迫力十分、フィナーレも金管も高らかに輝かしい。
全体的にNDRとの2盤より少し演奏時間が長い分ゆったりした流れを感じるようでもある。
シカゴ響はショルティとではこういう演奏にならないだろうし、ヴァントもNDRとではこういう演奏にならないと思う(どちらがいいとか悪いとかというのではない)。ヴァント77歳でのアメリカデビューという場で一見異質なものが合わさって予想以上に良質な化学反応を見た、といったところだろうか。
ヴァントの招聘にあってはシカゴ響のオーナーも練習時間の確保などでだいぶ譲歩したそうだが、これはその価値ありの大満足だったろうし、こういう機会を実現し演奏を残してくれたことに拍手を贈りたい。何とも力強くも美しい風格を感じるブラ1である。
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ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」 マタチッチ/チェコフィル

2019-11-16 11:49:44 | ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」
ベートーヴェン 
交響曲第3番「英雄」

指揮…マタチッチ 
演奏…チェコフィル
好み度…4.5(5点満点)

歯切れよく透明感ある響きが凛とした美しさと覇気を感じさせる快演でしょう。
活き活きとした快活さの中でとおおらかさをも感じさせ、チェコフィルの響きは素朴だが颯爽とした艶に満ち、小気味よいティンパニは響きに大きさを加えるようであり、チェコフィルの機能美も爽快。
最初の2音から引き込まれ最後までいいけど、特に終楽章がまたいいかな。弦の、艶と透明感のある美しい響きが溌剌と輝くようであり、その響きと重なりは清清しい力感をもって力強く美しい。アンサンブルの輪郭もしっかりしてるし、59年の録音でこの美しさはスプラフォンというレーベルに改めて感心する。弦の響きにはちょっと敬虔めいたものすら感じるようでもある。後半のホルンがゆったり吹かれる箇所も単調に聞こえる演奏もある中、包まれるようないい雰囲気である。
マタチッチのおおらさかとチェコフィルの凛とした美しさがよくマッチしたこの盤にしたかない味わいを持った盤のように思う。
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ブラームス ピアノ協奏曲第2番 ラローチャ/ヨッフム/ベルリンドイツ響

2019-11-16 11:37:44 | ブラームス ピアノ協奏曲(1番・2番)
ブラームス 
ピアノ協奏曲第2番

ピアノ…ラローチャ
指揮…ヨッフム 
演奏…ベルリンドイツ響 
好み度…5(5点満点)

ピアノもオケも、重厚でありながら威圧的でなく、ほんのり情緒的であり、また、どちらを聴かせるというのでなく一体となって、ピアノつき交響曲と呼ばれるこの曲のよさををいい意味で感じるようでもある。
ラローチャのピアノはしっかり重みと強さも持ち、弱音部での透き通るような凛としながらも情感漂う高音も美しい。
オケもしっかり金管も鳴りながらゆったりブラームス的な重厚感を漂わせる。
冒頭のホルンも、続いて静かに入るピアノもしんみり沁み込むようで、第1楽章の情も緊張感も漂わせたゆったりした重さ、第2楽章の重みの中にほんのり漂う哀愁感、第3楽章のチェロや弦の甘く渋い美しさとピアノの郷愁を誘うような一音の美しさ、終楽章の闊達とした無邪気感、と各楽章の良さもしっかり聴かせてどの楽章も秀逸というのもありそうでないかもしれない。
ラローチャはジャケットの写真の華奢な印象から力感に欠けるかとも思っていたが全然そんなことはなく重厚さの中に多感な情熱も感じられるようなピアノだし、ヨッフムはギレリス盤といいベロフ盤といいこの盤といい、3盤3様ではあるがどれもいい響きを聴かせて、個人的にこの曲との相性はいい。
名盤として挙げられているのを見かけたことはないが、変化球なしに実直に力が込められ、ゆったりと心地よい深みのあるスケール感も感じさせて、重厚でありながら凛としてどこか癒されるような。これは名盤でしょう。
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ブラームス ピアノ協奏曲第1番 フレイレ/シャイー/ゲヴァントハウス管

2019-11-16 11:28:53 | ブラームス ピアノ協奏曲(1番・2番)
ブラームス 
ピアノ協奏曲第1番 

ピアノ…フレイレ
指揮…シャイー
演奏…ゲヴァントハウス管
好み度…4.5(5点満点)

オケは明るい艶を帯びて各楽器の重なりも心地よく厚く響き、ピアノは重い強打が叩かれるタイプではないが、しっかりした重みと強さを持ちながらほのかに明るく、そして優しく温かい情を感じさせる。
そしてオケもピアノも明るく輝くような歌が爽やかに心地よかったりもする。
他の盤と比べると、ちょっとオケの印象が強い盤かもしれない。
どうもこの曲の導入あたりが苦手でだいぶ聴かなかったのだが、その導入も結構気持ちよく聴けて、思えばこの曲をはじめていいな、と感じさせてくれた演奏のように思う。
ほんのり明るくシャイーらしい雑味のない小気味よさも感じさせながらちゃんと厚みもあって、重々しいばかりがブラームスじゃないと感じさせるような、温かく重みのある華を感じさせる1番のように思う。

20191208 好み度他ちょっと改変
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ベートーヴェン 交響曲第6番「田園」 チェリビダッケ/ミュンヘンフィル

2019-11-02 16:11:16 | ベートーヴェン 交響曲第6番「田園」
ベートーヴェン 
交響曲第6番「田園」 

指揮…チェリビダッケ
演奏…ミュンヘンフィル
好み度…4(5点満点)

静かな田園である。生命力や陽光にあふれた田園というよりは静かな深みを湛えた色合いの水面を思わせるような田園。
ゆっくりと丁寧に少し冷気を感じさせるような完成度の高い美しさはチェリらしくもあり(音の出し入れは特に特有のものはなく結構普通)、よくできた美術品のようではある、が、個人的にはもうちょっと明るい無邪気な感情の現れた田園が好みかな。
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ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱」 ライナー/シカゴ響&合唱団 他

2019-11-02 16:08:36 | べートーヴェン 交響曲第9「合唱」
ベートーヴェン 
交響曲第9番「合唱」 

指揮…ライナー 
演奏…シカゴ響&合唱団 他 
好み度…4(5点満点)

雄大とかスケール感とかというよりはドライヴ感を感じる。
激しさとも感じるが感情は伴わない激しさと聴こえる。
何か精神的な感銘や柔らかさや深みは感じないが、引き締まった響きは機能的に力強く、叙情的な美しさは排除されているようであるが、ときに無機的で力強い緊張感に支えられた美しさを感じさせる。
シカゴ響の響きは特別な重みは伴わないが確固たるアンサンブルを持って、ショルティの頃のようなエンターテイナー的な華麗さというよりはひたむきな力強さを感じるようである。
ティンパニを抑えて入る終楽章は特に前半はちょっと爆発力不足かな、という感もあるが、声楽が加わって独唱もいい感じだし合唱は包まれるような広がりを感じさせて力感もあり美しい。合唱はちょっと遠いようで、でもその分なのか、広がりをもって響全体としては力感に不足なく、オケとのからみを聴かせるならこれくらいかな、とも思うし、合唱に頼らないバランスもライナーらしいのかもしれない。
情や感銘はあまり感じられないが、ちょっとアクを感じる表現意欲と、しかし終楽章の広がりをもった美しさはちょっと印象的な、そんな盤のように思う。
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ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」 テンシュテット/NDR響

2019-11-02 16:02:27 | ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」
ベートーヴェン 
交響曲第3番「英雄」 

指揮…テンシュテット
演奏…NDR響
好み度…5(5点満点)

ウィーンフィル盤とロンドンフィル盤とこのNDR盤、活き活き溌剌とした躍動感と瑞々しいような覇気はこの盤が一番だろう。
テンシュテットの若さなのか録音の関係なのか、NDR響の響きもある意味このオケらしからぬ明るい艶に満ちている。
録音も美しく、円熟とかスケール感とかとは違うが、テンシュテットの気迫とNDR響の美しく力強い音色が心地よい、艶と力強い精気にあふれた名演のように思う。
重厚とか大きさとかというよりは、颯爽として切れ味鋭い迫力と緊張感を漂わせた第1楽章 
第2楽章はテンシュテットらしく切実な情の込められた重みを加えた響き、
終楽章は輝くような底力のような活力をさらに加えて濃い情感も顔を覗かせさせながら、密度の濃さと輝きに満ち、これくらい力強い血の通ったような活力と輝きに満ちた演奏もちょっとなかろうと思うような、テンシュテットならではの名演と思う。
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