好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

ブラームス ピアノ協奏曲第2番 アシュケナージ/ハイティンク/ウィーンフィル

2019-08-31 17:26:06 | ブラームス ピアノ協奏曲(1番・2番)
ブラームス 
ピアノ協奏曲第2番

ピアノ…アシュケナージ 
指揮…ハイティンク 
演奏…ウィーンフィル
好み度…4(5点満点)

ピアノもオケも少し陰鬱な重みを帯びて、ゆったりまったりと大きく優しく、どこかラフマニノフを聴いているような感を覚えるようである。
それが悪いか、と言われれば悪くないが、このコンビはラフマニが合っているように思う。
とはいえ、ある意味この曲をこれくらい叙情的に甘い美しさで聴かせるというのもこのコンビならではかもしれない。
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ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」 ドホナーニ/フィルハーモニア管

2019-08-31 17:22:27 | ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」
ベートーヴェン 
交響曲第3番「英雄」 

指揮…ドホナーニ
演奏…フィルハーモニア管
好み度…3.5(5点満点)

このコンビのライブ盤をいくつか聴いてきたが、どうも私的にはパッとしない。
別に悪い演奏とは思わないが、覇気とか艶とか活力みたいなものが伝わってこない。
カップリングの運命は録音もこもった感じがあって雰囲気も好みに合わず全部聴かなかったくらいだけど、それに比べたら録音もいいし、演奏も悪くなく、終楽章なんかは結構力感も感じさせてなかなかよいかなとも思うが、でもやっぱりそこまで、って感じかなぁ。
大きな音は出ていても停滞感というか何も感じないというか。
ドホナーニの円熟を感じられていないのかもしれないけど。
クリーヴランドとかウィーンフィルとかとときに明晰で活力に満ちたような演奏を聴かせるドホナーニはどちらかといえば好きな指揮者なんだけどなぁ。
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ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱」 ケーゲル/ドレスデンフィル/ベルリン放送合唱団 他

2019-08-31 17:07:48 | べートーヴェン 交響曲第9「合唱」
ベートーヴェン 
交響曲第9番「合唱」 

指揮…ケーゲル
演奏…ドレスデンフィル
合唱…ベルリン放送合唱団 他
好み度…5(5点満点)

激しさを誇示するでも雄大さを誇示するでもない。しかし、張り詰めたような、残響に敬虔な雰囲気を漂わせながら、重くはないがどこか翳りのある緊張感を感じさせるような空気感が印象的。激しさや情は、ないようでしっかりある。ただ熱を伴わないケーゲルならではの空気感とでもいえようか。第2楽章も弦の響きにもティンパニの強烈な強打にも緊張感漂い、一転第3楽章前半などは雲上をゆくがごときの静かな安らぎを感じるような美しさであり、後半も清らかな美しさを感じる。
終楽章に入り、主題の全奏は安らぎと明るさを感じさせ高らかな雰囲気が印象的。力感と厚み十分の2度目の導入後の声楽は、独唱は音量も程よくうまい。合唱はしっかりした音量がありつつ他の演奏では聴かれないような強弱だったりアンサンブルだったりを聴かせながらちょっと新鮮で美しい。歓喜の歌をこれくらいゆっくりアンサンブルの妙も含め聴かせる演奏もなかなかないし、その後もゆっくりとした展開の中で、十分な声量と美しいアンサンブルから聴かれる敬虔さと広がりをもった美しさもまたこの演奏ならではかと思う。男声もちゃんと聴こえるのが深みを増しているのだとも思うが、合唱は、とにかく豊かで清清しく美しく、ケーゲルが元々合唱指揮者だったとも聞き納得の感あり。独唱が終わった後は速度も普通になってオケも合唱も全開、壮大に〆ている。
第1楽章~第3楽章も緊張感ある敬虔な雰囲気を漂わせるが、終楽章合唱部での敬虔さと美しさを聴いていると、この曲からこんな側面を引き出すとはケーゲルがときに「鬼才」と呼ばれるのも頷けるし、ケーゲルはもっと評価されるべし、とする声にも頷ける。熱狂や激性を求めるなら「違う」盤だろうが、真摯な敬虔さを感じさせる、これは名盤のように思う。

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ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」 レヴァイン/メトロポリタンオーケストラ

2019-08-11 07:19:38 | ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」
ベートーヴェン 
交響曲第3番「英雄」 

指揮…レヴァイン
演奏…メトロポリタンオーケストラ
好み度…4(5点満点)

第1楽章の、オペラのオケらしい明るく艶のある快活な響きに、全奏時のパンチの効いた歯切れのよさは爽快。
レヴァインの快活な速めのテンポと相まって、古風な気品とか重厚とか風格とかではなく、颯爽とした新風感じるような英雄。
全編通して歯切れのよさとスタイリッシュで颯爽とした印象を受ける。ただ、終楽章はもう少し力感がほしいかなぁ、という印象も受ける。
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ブラームス 交響曲第2番 バーンスタイン/ウィーンフィル

2019-08-11 07:14:29 | ブラームス 交響曲第2番
ブラームス 
交響曲第2番

指揮…バーンスタイン 
演奏…ウィーンフィル
好み度…4(5点満点)

結構情感たっぷりの演奏との印象。
第2楽章冒頭なども良くも悪くも情感濃厚の謳いっぷりと感じる。
テンポは少しゆっくりめ、響きは潤いと艶をもって上質。
ただ濃いめの演出の割には特に「何か」も感じられず、何度も聴きたくなるかと言われればそうでもないようにも思う。
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ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱」 インバル/ウィーン響/ウィーンジングアカデミー 他

2019-08-11 07:12:25 | べートーヴェン 交響曲第9「合唱」
ベートーヴェン 
交響曲第9番「合唱」 

指揮…インバル
演奏…ウィーン響
合唱…ウィーンジングアカデミー 他
好み度…4(5点満点)

オーソドックスな展開と響きで、やや残響少な目の響きの中、特に深みのや輝きのようなものは感じないが、しかし少しの熱を帯びて、ウィーン響の古風な響きのよさもあって、なかなかの良演のように思う。
これもベルリンの壁の崩壊直後の年末から年始にかけての演奏のようなので、一種独特の興奮の中での演奏だったのかもしれない。
合唱団に力みや重圧感は感じられず、この曲にあって爽やかなくらいの雰囲気を感じさせ、神々しさや圧倒感のような雰囲気は感じさせないがアンサンブルも比較的明瞭で、なかなか好感の持てる響き。
スケール感や感動的な何かを感じるタイプではないがしっかりよくまとまった演奏のように思う。
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ブラームス ピアノ協奏曲第2番 ポリーニ/アバド/ウィーンフィル

2019-08-10 14:17:59 | ブラームス ピアノ協奏曲(1番・2番)
ブラームス 
ピアノ協奏曲第2番 

ピアノ…ポリーニ
指揮…アバド
演奏…ウィーンフィル
好み度…5(5点満点)

何せ冒頭が美しい。静かな山間の夜明けのような。
ポリーニのピアノは高い緊張感と透明感を併せ持ったような美しさでときに重く、ときに繊細に縦横無尽に美しく、ウィーンフィルは重く響いたかと思えば遠くからホルンや木管が美しく響いたり、やっぱりウィーンフィルは美しくすごいと思うし、アバドの音作りは豊潤で美しくあるとともに熱気を感じさせる。
張り詰めたような第1、第2楽章も、緊張感を保ちつつ静かな幽玄を思わせるような第3楽章も秀逸。終楽章は少しあっさりめという印象受けるが、この曲はそんなところがあるし、それまでが高い緊張感に浸っているようなところがあるので、エピローグ的にちょっと明るめ軽めくらいがほっとできてむしろいいかな、とも思える。
この曲のもつ重厚さと美しさが、透明感と高い緊張感を保ちながら表現されたような、文句なしの名盤でしょう。
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サン=サーンス 交響曲第3番「オルガン付き」 レーヴァー/バーンスタイン/ニューヨークフィル

2019-08-10 14:06:49 | サン=サーンス
サン=サーンス 
交響曲第3番「オルガン付き」 

オルガン…レーヴァー
指揮…バーンスタイン
演奏…ニューヨークフィル
好み度…5(5点満点)

この曲でこれくらい濃い情感を漂わせつつ重みあるいは荘厳な空気を感じさせる演奏もそうはないような気がする。
終始ゆったりめのテンポで響きは厚く、第1楽章では華やかな裏の妖しさも感じさせ、第2楽章ではたっぷりの厚みと情感を感じさせて、オルガンも厚い弦をしっかり支えて美しく、いい意味で映画の名シーンを見るようであり、終楽章もオルガンはオルガンならではの古風な音色で荘厳に響き渡り、ゆったりしたテンポの中、管弦と相まって情に満ちたスケール感大きな荘厳な響きの世界を醸しているように思う。
バーンスタインの音楽はどこか映画音楽のような雰囲気を感じていたが、この演奏では響かせる音の選択も上手いし、その濃い演出と、ニューヨークフィルの、伝統あるヨーロッパのオケとは違う新進の熱さと、荘厳に古風に響き渡るオルガンとがマッチして、この曲はこんなに重く情熱く荘厳に大曲感を以って響くのか、と思わせる、ずしりとした重量感と大きさをも感じさせる一種の名演になっているように思う。
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ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱」 ベーム/ウィーンフィル/ウィーン国立歌劇場合唱団 他

2019-08-10 13:57:30 | べートーヴェン 交響曲第9「合唱」
ベートーヴェン 
交響曲第9番「合唱」 

指揮…ベーム
演奏…ウィーンフィル
合唱…ウィーン国立歌劇場合唱団 他
好み度…5(5点満点)

これは、いい。初めてベームの真骨頂を聴いた思いがするし、ベームを聴いて初めて感動の念を覚えた。
厳しく、いかめしいようでしかし硬くならずに完成された響きの中に、激しさを内包した流れと、美しい艶と力強さと、そこから自然に生じるような美しく厳かな空気感と。
その響きからはベームとウィーンフィルの覇気が伝わるようであり、叙情楽章である第3楽章では清らかで深みのある響きが何とも美しい。
終楽章の独唱も立派で最後の四重唱ではアルトだろうかソプラノだろうか、目立って透明感のある女声が美しかったり、合唱は、いつも力みが感じられるこの合唱団が、ここではそのエネルギーは力みでなく力強さと熱と広がりに昇華され、基本的にゆっくりしたテンポの中、オケと合唱のからみも美しく、最後まで管弦合唱相まって厳かで力強く美しい響きは圧巻の類。
オーバーな演出がかった処理などなしに、真摯に厳しく向き合うことによってこれほどまでにこの曲の厳かさが自然に引き出されるものかと思わせられる、一級の名演だと思うし、こういう指揮者にウィーンフィルが贈れるだけの称号を贈ったのも頷けるような盤である。王道といった表現が浮かぶような名盤。

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