波乱の海をぶじ目的地へ

現世は激しく変動しています。何があるか判りませんが、どうあろうと、そんな日々を貧しい言葉でなりと綴っていけたらと思います

古沼にカイツブリ一羽

2012-02-02 22:16:17 | ポエム
 ☆


古沼に

カイツブリ一羽

しきりに水に潜っては

水輪をつくっている



ひねもす

繰り返す同じ行程

そのつど

ぽちゃっと水音が弾け

いっしゅん静けさを破る



カイツブリの頭が

水面に上がってくると

前の行程の波紋が

岸に届いて

消えてゆく


ひねもす水輪をつくり

広がって消えてゆく

この上もない

平凡



厭きもせず繰り返される

カイツブリの営み

鳴きもせず

疑問も抱かず

人知れず

万物の目に届かず


見ているのは頭上の太陽だけ

照ったり曇ったり

時にはまったく姿を消してしまったり


それでもそこに太陽があることは

熱の感覚で分かっている

そんな無目的な

太陽に頼りきっただけの

日がな一日が

一生つづいていく