へんないきもの日記

今日も等身大で…生きてます😁

Mucho Caliente!

2008-01-27 22:00:37 | 日々雑感
(「ムーチョ・カリエンテ」とは、直訳すると「とても熱い」という意味のスペイン語。もっとわかりやすく言うと「あついぜっ!」「あつか~!」)

 解体作業から戻ってひとっ風呂浴びて頭からかぶった埃を落とす・・・夕方、市内のビルの一角にあるステージへ、フラメンコ・ライブを聴きに(観に)行った。

 キャストはギター(ギターラ)と歌い手(カンテ)、そしてフラメンコに欠かせない踊り手(バイレ)。全員日本人だが、歌詞はスペイン語で歌われていた。7年間、スペイン語を勉強してきたおかげで歌詞の意味も大体わかる。「エン ラ モンターニャ・・・・」と聞いて即座に頂に雪を抱いたシエラネバダ山脈が頭に浮かんだ。(ここで言うシエラネバダはフラメンコの本拠地スペイン・アンダルシア地方にあるもの。同じ名前のものがアメリカ合衆国カリフォルニア州にある。)
「ウナ マリポサ・・・ブランカ」という言葉が歌の随所に出てくる・・・「マリポサ」とは「蝶」の意味だが、「オカマ」を意味する俗語でもある・・・

 最初は、ギターラとカンテのみだったので、ひたすら歌詞を聴いて頭の中でイメージした・・・中にはスペインの歴史を象徴するかの如く、フランコ独裁政権から解放された喜びを表す歌もあった。だが、喜びを表現するにもメロディーが悲しいのは何故だろう・・・それは、ジプシー(日本では「ジプシー」だが、世界一般的には「ロマ」と呼ばれている。)の歩んできた道のりが、そうさせるのかもしれない。

 ジプシー(ここでは、あえて「ロマ人(びと)」と呼ぼう。)
 ロマ人は、もともとインド北西部に住んでいたが、何らかの理由で中世の時代に土地を追われ、西へ西へと移動するうちにヨーロッパへたどり着いた。そして、スペインでは当時、勢力の強かったアラブの文化と融合し、フラメンコを生み出した。ほかにも、東欧(ルーマニアやハンガリー)では民族音楽と融合し、チャルダッシュなるものを生み出し、ロシアではロシア民謡に影響を与えた。その代表的なものの一つが「黒い瞳」である。

 自身の民族としての誇りを持ちつつも、それぞれの地での文化を受け入れていかねば生きていけない現実・・・だが、それが、かえって我々の心をその底から揺さぶる・・・あえてこれをひとことで表現するならば、「悲しき熱情」といったところか・・・

 だが、それもバイレ(踊り手)が加わって、フラメンコ本来の活気を取り戻し、私の概念も「悲しき熱情」から「ムーチョ・カリエンテ」に変わっていった・・・ギターのリズムと歌い手の手拍子、そして踊り手のステップが見事に合致して一つの形を成している。やはり、フラメンコはバイレ無くして語れない・・・

 タイやバリの踊り子を思わせる優雅な手のしぐさに加え、ベリーダンスなみの腰の振り、そしてタンゴの如く瞬時の180度の方向変換・・・は観る者を釘付けにする・・・以前、同様のフラメンコをやはり熊本で観た。踊り手は男性であったが、その時は「情熱」というか「力強さ」を感じた。総称的には、踊り手は女性である方が、フラメンコの魅力をより引き出せるような気がする・・・男性の踊り手がベリーダンスなみに腰をくねらせてきたら、やはりコワイ。それこそ、「マリポサ」と思わず身構えてしまうだろう・・・

 わずか1時間余りの短いステージだったのが残念である。(通常、クラシックのコンサートは1時間半~2時間なのだが・・・) 
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