へんないきもの日記

今日も等身大で…生きてます😁

「恐怖」の記憶

2008-06-17 00:00:07 | 日々雑感
 先日は、九州脊梁トレイルラン35kmの試走会に朝6時前に家を出て、一人でクルマを運転して約40km離れた現地へ向かったが、正直、不安が胸をよぎった。この日、熊本県内には「大雨・洪水・雷注意報」が出ていた。しかも、これから向かう現地は、(住んでいる方には申し訳ないが)緑川の源流、土砂災害の現場になりそうな場所なのだ。しかも、携帯は通じない・・・(実は、出発前に現地にいる仲間に様子を聞くため電話したが、通じなかった。)

 NHKラジオを入れると宮城県の地震の様子が報道され、何だか他人ごとには思えなかった。

 約1時間半で現地に到着。(学校跡地の説明会場は、山間の谷、というか、まさに谷底にあった。)そこで、主催者から「試走会中止」の声を聞き、内心、安堵した。東京からの参加者を前に、かなりの英断であったと思う。が、さすがは山のプロ!にもかかわらず、諦めきれない地元ウルトラ・ランナーは、今から(この大雨の中)近くの山に登りに行く!と言う。が、外へ出たとたん、遠雷・・・「やめましょう!」のひとことだった・・・

 そのまま、スポーツクラブへ直行!サウナでの話題は地震の話。そう言えば、福岡県の玄海島の地震の時もそうだった。「最も地震の危険性の無い箇所」が大地震に見舞われたのだ!(もはや安全神話は存在しない。)


 人間は自然の前には無力である、と思い知らされたのは福岡の海水浴場でライフガードをしていた時のことだ。監視台にいた私のもとに一人の女性が、「おぼれてる」って言ってます!と通報してきた。わずか数十メートル後方の待機小屋にいる2人の仲間にトランシーバーで連絡する手が震えて止まらなかったのを今でも覚えている。目撃者の証言をもとに広い海の中を「点」を求めて探すこと数分、果たして、うつぶせで沈んでいる男性を発見し、両脇を抱えて陸まで運ぶ途中で救急車のサイレンを聞いた・・・以来、一人で海に潜るのが怖くなった。これが「トラウマ」というものなのだろう。「トラウマ」なんて簡単に使っちゃいけない、と思った。

 「地震」と言えば、阪神大震災の2週間後、ボランティアで現地にいた時、夜間、いきなり底から突き上げるような「揺れ」を感じた。実家の近くに石切場があり、よく、ダイナマイトで爆破させて、そのたびに家のガラスがうなっていたが、まさしく、そんな感じであった。「私は、ここで死ぬのかな?」なんて思ったが、なぜか妙にさばさばした感じであった。

 地震より怖かったのは初めて乗った飛行機だ。ちょうど日航機が墜落した直後であったので、正直、イヤだったが・・・周囲がガタガタと音をたてて揺れていた。何回も乗っているであろう隣のビジネスマンが「今日は、よく揺れますね。」なんて話していた。BGMに聞いていたバッハのシャコンヌがレクイエム(鎮魂歌)に聞こえてきた・・・

 初めて乗った飛行機よりも怖かったのは・・・社会人になってから所属した空手部の合宿だ。私は三流選手であったが、国体やアジア大会に出場経験のある仲間が言ったものだ。「国体合宿より、ここの合宿の方がキツイ。」と。千本蹴りに千本突き・・・で自分の周りにプールのような汗の水たまりができた。スイカさえ喉を通らないくらい体力を消耗した。合宿が始まる直前に思ったものだ。天変地異でも起こって合宿が中止にならいものか、と・・・

 今でも辛苦をともにした仲間とは、年齢・性別関係なく、胸襟を開いて語り会えるのが何よりの宝である。  

 

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