非思量
坂本沙於里
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「67」と同じく、今年の「蘭秀会」出品の作。
禅の言葉で、「すべての相対的な観念を捨てた無分別の境地」(大辞泉)とも
「とらわれを捨て、真理と一体になる、本来の面目の上の思量」(日本国語大辞典)ともいわれ
「座禅の要」だそうです。
そう思って見るからでしょうか。
この書に、「石庭」のイメージがどうしても重なります。
上から見た庭とも、横から見た庭ともとれます。
真ん中の大きな石「思」の両脇には、激しい水の流れが見えるような気もします。
静かで、激しい、「非思量」です。
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