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一日一書 310 湖面

2014-04-28 15:12:15 | 一日一書

 

山本洋三「湖面」より

 

(半紙)

 

 

前回と同じ詩集より。

全文は以下の通りです。

 

 

  湖面

 

湖面に

躍りあがる魚の

一瞬の輝きのうちに

空は

色あせる

 

友よ

君に語る何事かを

ぼくはどうしても

思い出せない

 

かぶりなれた帽子を

なくした時のように

妙に首筋が寒いんだ

 

湖面に暗い風が立って

友よ

ぼくはもう二度と語れない言葉を

なくしてしまったようだ

 

 

この頃の詩は、どうも思わせぶりで

気取っていて、お恥ずかしい限りですけれど

まあ、これも第1連だけなら、それなりに読めるのではないかと。

 

あるとき、ふっと、いい考えが頭に浮かんでも

次の瞬間には、もう忘れている。

あれ、なんだっけ。

いいことだったんだけどなあ、と思いつつ

もう二度と思い出せない。

そんな感じが、当時のぼくの詩の一つのテーマだったみたいです。

 


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