スウェーデンの今

スウェーデンに15年暮らし現在はストックホルム商科大学・欧州日本研究所で研究員

またまたスウェーデンの鉄道

2005-05-27 05:52:10 | コラム
しばらく鉄道ネタが続いたので、このままもう少し書かせて。
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新世代の高速特急LINX。今ではちょっと古くなりましたが。現在は改良型X2000も登場しています。

スウェーデンでの企業と従業員とお客さんとの関係について、簡単に書いたけれど、うまく機能している限りにおいて、私としてはスウェーデンのやり方が好きだ。

鉄道を例に挙げれば、車掌はとっても肩の力が抜けていて人間味がある。スウェーデンの鉄道は改札がなく、車上での検札のみだ。駅に停車して発車するたびに「新しい乗客はいませ~んか?」とやってくる。のんびりしている。やる気がない、とは私は思わない。車掌によっては、乗客と簡単な世間話をしたり、ジョークを飛ばしたりする人もいる。いつもニコニコしながら、気軽に応対しているおじさんもいる。好きじゃないと、できない仕事だ。

(通学で日々電車を使っているので、その路線で勤務している車掌の顔も覚えてしまったし、向こうも私のことを覚えていてくれて、たまに、定期見せなくてもいいよ、と言ってくれたりする。その中に一人、京都大学のN村先生によくにたおじさんがいて、背広の着方からリュックを背負って歩く姿もそっくり。写真が取れたら、また紹介します)

別の車掌は、アナウンスでも巻き舌を使って面白おかしく話す。多分、その人の生まれ育った町なのだろうけど、その町に差し掛かるたびに「次の停車駅はかの大都会Falköping、Falköping。」というもんだから、初めて乗る人はビックリするけど、実は特急も停まらない小さな田舎町。名物車掌だ。

これらとは全然関係ないけど、他に今まで経験したおかしな例では、

ある週末に長距離列車に乗っているときのこと、出発してから30分ほどしてから、アナウンスがある。「4号車以降に乗車のお客様は、次の駅で1~2号車に乗り換えてください。というのも、間にある食堂車を管理する会社の社員が今朝、搭乗し損ないました。車両全体の鍵も彼らが持っているので、われわれ国鉄の職員すら通過できないのです。この列車の車掌は私一人なので、安全のために、皆さんにまとまって座っていただきます。」

次もまた食堂車ネタ。食堂車を管理しているのは国鉄SJじゃなくて、オリエンタル・エキスプレスという別の会社。契約は定期的に更新するものの、去年の8月の終わりに、土壇場になって交渉決裂。9月初日から、食堂車を運営するものがいなくなってしまった。ちょうどその頃、ヨーテボリ発の長距離列車に乗ったところ、こんなアナウンス。「残念ながらしばらく食堂車はお休みです。契約更新の交渉がうまく行かず、オリエンタル・エキスプレスが投げ出してしまいました。他に食堂車の面倒を見てくれる会社を現在探しておりますので、それまでしばらくお待ちください。」だって。そんな国鉄の内側のことなんか曝け出さなくたってもいいじゃない。ここでもし誰か乗客が、私やります!料理うまいし、コーヒー注ぐのもうまいよ! って申し出れば、急遽雇ってはもらって、その代わり運賃タダになったりしてね、などと余計なことを考えてしまった。

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