スウェーデンの今

スウェーデンに15年暮らし現在はストックホルム商科大学・欧州日本研究所で研究員

職場のキッチンには必ず電子レンジ

2006-02-07 13:00:23 | コラム
どこの職場のキッチンにもたいてい電子レンジが置いてある。大学でも学部の学生向けに10数台の電子レンジが食堂横に並んでいるので、タッパーに入れたお弁当をチン!できるのだ。だから、夕べの残り物なんかを持ってこれる。スウェーデン人はあまりたくさんの量を食べないので、タッパー1つでたいていは事足りる人が多い。

昼ごはんを外食しようとすれば、大学のカフェテリアでも40kr(600円)、普通のレストランなら50kr~65kr(750円~980円)が相場だ。だから、お弁当を持っていって、電子レンジで温めるだけなら、かなり安上がりになる。しかも、やはりここはスウェーデン。外で食べるといっても、そんなに美味しいものがたくさんあるわけでもない。だから、ランチだけにそれだけのお金を払うのはもったいない、と思ってしまうのだ。

経済学部の研究室がある別館にも、ちゃんとキッチンがあり、電子レンジが3台置いてある。だから、私も、前日に多めに夕食を作って持参したり、週末にまとめて料理をして、その後はタッパーに小分けして冷凍保存したものを、持っていくことが多い。私のお弁当はいつもタッパーに2つか3つ持っていくので、小柄なくせにたくさん食べると、周りは唖然としている。

でも、やはり料理の時間もないときは、苦肉の策がある。ゆでたスパゲッティーにベーコンの切り身か冷凍のミートボールを入れ、市販のスパゲティー・ソースを掛けてタッパーに押し込むのだ。どうせ、レンジにかけるのだから、ベーコンやミートボールがいくら生でもお構いなし。この時も、パスタを2人前か3人前くらい、持って行くので、食べすぎ、と笑われる。

------
そういえば、一度面白い光景を目撃したことがある。学部生のときの話だ。ヨンショーピン大学の2階には10台も電子レンジが並んでいるのだけれど、12時から13時までのお昼時は学生が殺到し、長い行列になることもある。弁当箱を半分あけて並んでいる女の子の横を、別の学生がすり抜けようとした。

思わず肘があたって、弁当箱が吹っ飛んだ。しかも半空きだったから、中身は絶望だと思われた。しかし、中のラザニアはスローモーションのように弧を描き、無事ふたの上に着地! あまりに見事だった。肘をぶつけた学生は一言、ああよかった、と言って、その場を後にしたけれど、もし、床に散らばったりしていたら、どうしていたのだろうか。