さぶりんブログ

音楽が大好きなさぶりんが、自作イラストや怪しい楽器、本や映画の感想、花と電車の追っかけ記録などをランダムに載せています。

ドッキリ・公開GP

2012-10-19 23:35:50 | ただの日記
いよいよ明日、オペラ「仮面舞踏会」の本番なので、今日はGP。午後早くから場当たりがあったが、とても出れる時間じゃないのでGPの途中から参加。私はいつも前半の練習に参加できないのだが、そういう人は他にもいるようなので、明日本番の前に立ち稽古が加わった。なので今日は気楽にGPに途中参加しよう・・・と思っていたのは間違いだった。

駅からタクシーを飛ばして、会場にたどり着くと、1幕目の最初の曲の終り頃らしき音が聞こえた。やった!思ったより早く着けたぞ!と思い、ホールのドアを開けたら、お客さんがずらり。客席に整然と並んで座っている。私はホールに入ったものの、何も出来ずにそのまま横切ってホールを出てしまった。いったい何が起こったんだ!

同じオケの打楽器の子に、ホール横で遭遇。「公開だって知ってた?」「え?」・・(絶句)・・・。これじゃ途中から気楽に入れないではないか。まだ着替えもしてない。どどっと低血糖が襲ってきて、冷や汗たらたら。たまたま鞄の中に、さっき間違えて買った菓子パンが入っていたので、それをむさぼり食う。二十数年音楽活動をやってて、公開GPなんて初めてだ。

着替えられないので、着ているシャツの上から黒いシャツを着る。その後、合唱団と合流したいのだが、舞台袖の係りの方々の真剣な表情を見ると、声をかけられない。ウルリカ役のソリストさんが大変優しい方で、私に声をかけてくださったのだが、その方も集合場所をわかっているわけではなかったので、私は重い荷物をもって階段を登ったり降りたり。市川市文化会館なんて自分の庭みたいなもんだと思っていたのに、慣れない小ホールと暗くピリピリした雰囲気のせいで、迷路みたいに見えた。そのうちトム役のソリストさんと遭遇し、「僕も行くので、荷物はそこに置いて、一緒に行きましょう」と言ってくださったので、ようやく合唱団と合流。こんな私なのに、合唱の皆さんが「来てくれてよかった」と歓迎してくださって、泣きそうになった。これから大好きな3時の歌。難しい早口言葉も歌い飛ばしてやる~!

で、一旦退場して次はウルリカの場面。黒シャツ黒ズボン黒靴下黒靴から、茶色~ベージュ系のブラウス、スカート、靴、肌色靴下に着替えなければいけない。場所もないので階段で着替えた。服が汗でベトベトで早く着替えられない。このときみんなもたもたしていたので、あとで舞台監督から「早がえの意識がないのではないか!」と叱責される。なんと言う緊迫した雰囲気。っていうか、「早着替え」じゃなくて「早がえ」とか言われる時点でビビってるんだけど。ウルリカが魔王を出す場面、練習の時は、傘立てとか扇風機とか、怪しい道具に手をかざしてやってたのに、今日は本格的。雰囲気いいね。でも練習回数の少ない私の動きは、我ながらちぐはぐ。反応しちゃいけないところに反応しちゃったりして・・・うううう、本番気をつけなきゃ。

この後、3幕目の舞踏会のシーンに向けて、楽屋でドレスアップ。千葉商大や東京芸術劇場でカルメンをやった時とは比べ物にならないほど、みんな本格的だ。私はパニエ入りドレスと羽根扇を持ってるだけで安心してたけど、みんなカツラやつけまつ毛なんて当たり前。舞台用のメイクまで持ってる。「もっと化粧を濃く」とメイクさんから指摘ある。「眉毛も長めに書いて!」「つけま付けて!」 普段ノーメイクな私は、これでも十分厚化粧なのにどこまで厚くしたらいいのか分からない。眉毛なんて描いた事もない。仮面かぶるんで、つけまつ毛なんていらないって言われてたのに。っていうか「つけま」っていうんだ・・・またも業界用語(?)にビビリ。

ということで舞台裏でめちゃくちゃ気後れしまくり。で、3幕目ペアになる男性がセッティングされてないのはどうやら私だけみたい。私にもペアが出来た・・という情報があってぬか喜びしたのはつかの間で、嘘情報だった。まぁ、練習出れてないし、この面子の中では私は初参加の若輩者だし、仕方ない。ところが、一緒に合唱に出ていたオケの先輩が突然鼻血を出して3幕を休むことになり、先輩のペアだったシルヴァーノ役のソリストさんを「1日だけ」譲ってくれた。お陰で仮面舞踏会のシーンは楽しかった。今日が私の本番ね。でも、踊りを踊る役の人達・・羨ましいな。練習では私たちも踊ってよかったんだが、場当たりで変わってしまってみんなで客席に背を向けて踊りを見ることになってしまった。

エンディングは結構よかった。リッカルドが死んでいくシーンなんか、アメーリア役の師匠のすすり泣く様子に釣られて、私にもじわっと涙が出てきた(う~ん、師匠のドレス素敵)。でも本当に泣いちゃったら声に影響するから必死で涙を出さないようにした。でも舞台上で泣けるなんて、私は女優の一歩手前なのかも。最後の合唱もバランスよかったと思ったのだが、一緒にやってる女声陣から「もっと歌って、歌って」と言われたので、本番はもっと声量を上げるかも。

いやはや、歌だけなら自信があるのに、演技入ると難しいね、オペラって。楽屋でドレスから普段着に着替えようとしたら、練習前にかいた冷や汗でシャツが信じられないほど濡れていて、冷たて重くて気持ち悪かった。そんなこんなで今日はカルチャーショックの連続だったから、家帰るなり疲れて寝ちゃった。
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