夏オフで3分間指揮者コーナーを体験したが、結局自分には小中学校の音楽の教科書に書いてあったレベルのことしか分かっていないため、このままではダメだという気持ちが日を追うごとに強くなった。
そこで、所属音楽教室の指揮科の無料体験レッスンに飛び込んできたのだが・・・。
まず夏オフで振ったモーツァルトの交響曲39番3楽章を先生の前で振ってみることから始まった。若くてすらっとした女性の先生で、カッコイイ。女性の指揮者って何だかみんなカッコいいね。
事前に楽譜を渡してあったので、専属のピアニストさんが、先生と連弾で、私の指揮に合わせて演奏してくださった。多分指揮の練習用だからのなのか、指揮者が正面から見えるように丈の低い電子ピアノを使用している。しかも音をすごく小さくしてあって、多分これも何らかの練習上の意図があってのことだろう。
さすがの専属ピアニストさん。ちょっとテンポを緩める気配を見せると劇的に反応なさる。しかしトリオの、あのクラの素敵なメロディーがピアノになってしまうと・・・云々・・・振っててかなりのフラストレーションがあった。
先生からは、「初めてにしては良く振れているが・・・」とのことだったが、「モーツァルトの時代の音楽なので、大オーケストラを振る時の指揮とは違う。フォルテピアノのニュアンスもベートーベン以降の作曲家とは異なる」「メヌエットは舞曲なので、もっと踊りを意識した音楽作りを。3拍子の頭にもう少しウェイトが必要」とのコメントあり。また当然ながら、指揮者には「ブレス」と「読譜力」が必要だと。演奏家以上に読譜力が必要であり、逆に私にとってはそれも目的の一つで、指揮の立場から見ることは演奏にもプラスだと思うからこそ、やってみようと思ったのではあるが。
その後、先生からお手本が示された。敢えて指揮棒を使わない指揮をされたが、手先は柔らかいが、メインテーマ部分は下に叩くような動きの目立つ、メリハリのある動きだった。
想像していた通り、まず私の課題として挙げられるのは力を抜くこと。そりゃぁ~そうだな。3分だから良かったものの、今の振り方じゃ、長い管弦楽曲や交響曲は疲れちゃって無理だからな。
それで椅子に座って、1・2・3・4の2で右手を持ち上げて、力を抜いたまま3で膝の上に落とすという練習をやった。持ち上げる時の一瞬だけ力を使い、後は力を抜かなければならないのだが、私はどうしても余計な力が入ってしまっているようだ。
そこで10円玉を出してきて、それを右手の親指の付け根に乗せて、一瞬だけピッと力を入れて右手を持ち上げる。先生がやるとその10円玉は綺麗で小さな弧を描いて、左手の平の中に納まる。しかし私がやると、飛んでいかなかったり、飛ばなかったり・・・。左手で意図的に10円玉を取りに行かないと落としてしまう。「いや~手の平の汗に10円玉がへばりついてまして」~なんていう言い訳のできる雰囲気でもなく、これにはかなり自己嫌悪に陥った。
これには右ひじ内部の指揮者用の筋肉を養う必要があり、10円玉で練習するといいそうだ。
その後、立って1つ振りの練習をするが、ピアノの音を聴いてしまうとピアノがどんどん遅くなってしまう。テンポを保とうとすると腕に力が入ってしまう。なかなか一筋縄ではいかない、冷や汗物の無料体験レッスンであった。
これにめげずにしばらく勉強していきたいと思う。