旅するためのイタリア語。他の旅するシリーズ・・ドイツ語とフランス語が半年前の再放送なのに対し、イタリア語だけは、新しく撮影したり取材した部分を加えて再構成している。
私が結構好きなのは、ローマ在住のロレーナ・ステンダルディさんによるレポート。旅番組とかではあまり紹介されなさそうな観点で迫ってくる。8月1日放映分を少し時間が経ってから見たのだが、ローマの地下鉄新路線であるC線の話に感服してしまった。
地面を掘ると大概何かの遺跡に当たってしまうローマ。なのでゆっくりゆっくり工事が進められる。今回取り上げられたのは地下鉄C線で一番新しい駅のSan Giovanni駅。
構内には、工事中に出てきた出土品を展示してあって、まるで博物館みたい。
ホーム(banchine)は地下27m地点にある。円筒状に土のサンプルが展示され、下へ行けばいくほど時代が古くなる・・いわば地層の観察ができる箇所もある。
ホームに向かってエスカレータで降りていくと、エスカレーターの壁には、今何時代・・今何時代・・みたいな表示がされていて、めっちゃ興奮する。古代ローマ帝政時代は地下11m。この深さは遺跡だらけなので地下鉄は通せないので、もっと深く掘る必要があるのだ。起源1世紀〜3世紀の地層からは桃の種がたくさん出てくるが、桃は1世紀にペルシャから伝わったという。San Giovanni駅のあたりには古代の桃の畑があったことを示しており、テラコッタと鉛を使った灌漑用の管とか側溝とかが出土していて、すごい。
ホームのある地下27mは旧石器時代の地層。ここまで掘らなきゃ、地下鉄は通せないんだね。旧石器時代当時の植物が壁に描かれていたりする。素晴らしいタイムスリップ感。こんなの日本の奈良とかにもできないかしら? これじゃ駅1つ作るのにものすごくパワーと時間が要りそうだけれど。人間の生活の跡がここまで綺麗に層状になるというのも不思議だ。どこの国でもそうなのかしら? 昔行ったトルコのトロイ遺跡も、確か9つくらいの遺跡が層状に重なっていると言っていた。土が堆積するところでないと地層にならないだろうから、綺麗な層状になるかどうかは場所にもよるんじゃないかなぁ・・・と個人的には思うのだが。
また、ローマのバスや地下鉄で最近できたサービスとしてデジタル・ライブラリーというのがあり、いろんな本の表紙が展示されていてQRコードが刷り込まれていて、それをスマホとかで読み込んでダウンロードし、電車の中で読むことができるんだって。(東方見聞録とかオデュッセイアなんかも読める。)ワオ・・Q Rコードは日本のデンソーウェブが開発したものなのに、日本ではそんなサービスないね。(これからできるかもしれないけど。)
歴史と文化を愛する国、イタリア。ああ、なんて素敵なの!