さぶりんブログ

音楽が大好きなさぶりんが、自作イラストや怪しい楽器、本や映画の感想、花と電車の追っかけ記録などをランダムに載せています。

【読書録】銀行狐

2022-08-31 23:16:31 | 読書録

池井戸 潤/講談社文庫

池井戸潤さんは長編も短編も上手だなぁ。

こちらも、短編集で、表題となっている「銀行狐」には、先日読んだ銀行総務特命に出てくる指宿(いぶすき)調査役も出てくる。窓口頒布品に絡めた不正とか、口座相違なんかは池井戸さんの別の短編にも登場するが、本作では別のストーリー展開になっており、特に「口座相違」は、それが切っ掛けで別の大きな不正が発見される話になっており、とても面白かった。他に、シミュレーション用の返済予定表を用いた浮き貸しとか、変額保険にまつわる問題とか。

最後の「ローンカウンター」は、題名とは裏腹に普通の殺人事件がいくつも登場し、銀行員が登場するのは最後の方だ。へ〜ぇ、これは思いもしなかったな・・と。

ということで、今回も楽しませていただいた。


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【読書録】日本人だけが知らない「本当の世界史」中世編

2022-08-30 23:13:33 | 読書録

倉山 満/PHP文庫

題名がちょっと過激ではあるが、日本史と東洋史・西洋史を横断的に記述する本書の構成には我が意を得たりと思いながら楽しく読んだ。

私は、学生時代そんなに一生懸命年代暗記をやったわけではないが、時代の節目節目の年は結構ちゃんと覚えている。そしてその年代暗記のおかげで、大人になってからも結構助けられているのである。

たとえば西欧でこう言うことがあった時、日本だと鎌倉時代最盛期だよな・・と言うようなことが、誰に教わらなくても思い浮かぶ。歴史を縦切り横切りにして新たな着想を得る楽しみがあるからこそ、その座標軸ともなるべき年代暗記は、ある程度は必要・・・私は学生時代にそれに気づいたので、日本史も世界史も楽しく学ぶことができた。

ところか、実際、市販されている歴史の本を見ると、縦切りにしている本は多いけれど、横切りにしている本は結構少ないのかなと思う。そういう意味で、横切りにしてくれてるこの本は良いと思う。

去年から今年にかけて、私が色々読んだり見たりしていること・・塩野七生さんの本で言えば「ローマ亡き後の地中海世界」「皇帝フリードリッヒ2世」「十字軍物語」あたりをカバーし、「オスマントルコ」や「モンゴル」「鎌倉殿の13人」や「太平記」・・・そこら辺が丸々網羅されている。

ゆえに知っていることも多いのだが、モンゴルからオスマントルコへの流れについては、私も疎いところがあるので勉強になった。

ちなみに中世と呼ばれる時代、ヨーロッパよりも日本の方が先んじている面もあったのではと・・私もそれは少し思っていたのであるが、はっきり書かれていた。著者の足利義教に対する評価は高く、ヨーロッパに先んじて絶対主義統治をおこなった点や、江戸時代の制度として有名な参勤交代も、実は義教が先に実現している・・・・なお。別の本で以前、足利義教は信長と同じタイプの人間である・・と書かれているのを読んだことがある。悲劇的な最後を遂げたが、時代に先んじた面が多々あった人なんだなぁと、認識を新たにした。


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日暮里でジュリエット!?

2022-08-29 23:04:17 | ただの日記

初めてチャレンジするコンクールの予選が日暮里であり、無事通過いたしました。

自宅療養明けから1ヶ月近く経っても、まだ時々咳が出るしつこさ・・・それでもカタツムリの歩みのように少しずつ良くはなってきました。

曲はグノーの「ロミオとジュリエット」より、「愛よ私を勇気づけて」というジュリエットのアリア。時間の関係で4分でカットされちゃったけど、1月に同じ曲を歌った時よりは感情を込めて上手に歌えたと思います。

ジュリエットを意識したドレス。パニエもワイヤーパニエにしたら一気にゴージャスになりました。周りは強者ぞろい。准本選にむけて、いろいろ考えながら頑張っていこうと思います。


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金曜ロードショー「耳をすませば」を見て

2022-08-28 01:06:56 | 映画・番組等、各種鑑賞録

この映画を初めて見たのは、たぶん20年以上前だ。DVDをレンタルして見た覚えがあるが、話の内容も軽いし、下手な歌を何度の聞かされて辟易した・・と言うような思い出しかない。

今回改めて見ると、ほとんど忘れていることが分かった。

聖司くんのバイオリン・・上手だ。初めて見た頃はたぶんヴァイオリンをちゃんと習っていない頃だと思うので、彼の演奏の良さがわからなかったに違いない。(その後、私自身が彼の修行先クレモナのバイオリンを買うことになるとはね。)

その後お爺さんたちがヴィオラ・ダ・ガンバやリュート、リコーダー、ツィンク(曲がった管楽器)で参戦し、立派なアンサンブルとなるが・・ああ、歌さえもっとまともなら・・。それにしてもモダンヴァイオリンと古楽器でちゃんとしたアンサンブルができるんだね。

しかしまぁ、聖司くんの大人びてること。中3男子らしい青臭さがない。私は女子校育ちだから本物の中3男子がどんなだか知らないが、実はずっと好きだった女子(月島雫)と初めて話す時、こんな焦らすような、スカしたような態度を取るのかねぇ。人によるのかなぁ。後半はずいぶんストレートになって来るんだが。

おじいさんはとってもいい味を出しているね。そして、雫のお父さんも。2人とも、聖司や雫たちが持っている原石を認めている。

しかし、私は、聖司や雫が自らの原石を磨いている間に交通事故に遭うのではないかと心配でならない・・。

有名なカントリーロード。冒頭では日本語版ではなく、英語版が披露されているが、それを歌っているのは先日亡くなった、オリビア・ニュートン=ジョンなんだね。子供の頃クラシックしか聞かなかった私は洋楽に疎く、彼女自身が歌っているのはずっと聴いたことがなかったが、テレビ・英会話講座の歌コーナーで八神純子がカバーした"Let me be there"は好きで、講座を録音したものをカセットテープで良く聞いていた。(今は本人が歌っているYou Tubeをお気に入り登録しているけどね。)カントリーロードはカバー曲だが、Let  me be thereと同じアルバムに入っているんだね。


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定期的歯石除去

2022-08-27 23:57:22 | ただの日記

3ヶ月に1度、近所の歯科に歯石除去に通っているが、このところなかなか成績が良いのである。

特に、2月と5月を比べると劇的に改善。出血率が14.29%から、3.57%に減った。そしてさらに3ヶ月経った今日、出血率は2.96%とさらに改善していた。

実は恥ずかしながら歯の磨き方はあまり変わっていないのである。電動歯ブラシで良く磨いてはいるが、歯間ブラシはデンタルフロスはほとんど使っていない。

思い当たるのは、5月初めから低糖質生活を始めたこと。おかげで体重は9キロ近く減っているが、糖質を減らしたことが歯にも影響を与えたのか?

最近チラッと見た記事によると、硬めのチーズは歯に良いらしく、チーズの中のカルシウムやリン酸などが、歯のエナメル質が溶けるのを防ぎ、再石灰化も助けるという。牛乳やヨーグルトにはあまりこの効果は期待できず、硬めのチーズが良いという。

チーズは元々好きだが、低糖質生活の中でさらに食べるウェイトが高まり、5月以降、業務スーパーのブリーチーズ(やや硬め)を、ホール(円形)を3分の1にしたものをいつもケースに入れて会社に持って行き、夕方食べているのが良い方向に働いているのかも。

と言うことで、今日は歯石除去の間、痛みもないので熟睡してしまった。ほとんど汚れていませんとのこと。やった〜!


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東京文化会館小ホールで本番

2022-08-26 23:37:22 | ただの日記

今日は仕事でベトベトに疲れた後に、上野に行き、バックコーラスの本番をこなしてきた。

左側の衣装で、運命の力の「ラタプラン」の合唱、右側の衣装でナブッコの「行けわが想いよ・・」「乾杯の歌」「メリーウィドウワルツ」の合唱を歌ってきた。両方ともマスクをして歌ったので、口紅を塗ってないんだけどね。

衣装と同色のマスクカバーは、先週の本番を反省して、目の粗い素材を上端だけ不織布マスクに縫い付け、押さえつけないようにしたので、先週よりは声を飛ばすことができた。

このピンクの素材は、洗濯ネットにもなるエコバックで、旅行の時のシャツや下着入れに重宝していた入れ物。丸い底の部分を活用したが、優しく丸いラインを描いているのがナチュラルで良かったかも。

ま、他にも色々工夫したところはあるのだが・・まだまだ周囲のみんなに比べると工夫が足りないような・・・。と言うことで、コロナ禍の演奏会で誰も知らない細かいノウハウが溜まっていく。。。


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【読書録】銀行総務特命

2022-08-25 23:13:26 | 読書録

池井戸 潤/講談社文庫

読書スピードが鈍ってくると、池井戸潤を読むと調子が戻ってくる・・というのが今年の私の読書パターンかな。本当に読みやすくて、1冊を1〜2日で読めちゃう。それでいて中身も濃いし、刺激も味わえる。疲れている今の私にピッタリかもしれない。

この本は8編の短編を集めたものだが、総務部で不祥事担当の特命を受けている指宿(いぶすき)修平と唐木怜という男女の調査役が活躍する物語。話も多岐に渡っており、情報漏洩、誘拐、AV出演、ストーカー、ペイオフ、トレーディング、稟議遅延・・など多岐に渡っている。

またこの短編集の特徴として、最後に真のワルが明るみになったかなぁ・・と思うところで終わりになっている。真の悪者が糾弾されたり、罰を受けたり、後日談などは読者の想像にお任せ・・というところだ。それはそれで潔くて面白い。世間のサスペンスドラマはおしまいのところをダラダラ語りすぎだ・・というのを皮肉ってるかもしれないね。

指宿と唐木の関係はドライだが、唐木はそれは指宿が彼女を女性としてではなく、パートナーとして扱ってくれているからだ・・と気づくあたりのところが個人的にはジンとくる。社内では敵対する部署にいる元恋人からの誘惑に打ち勝ち、指宿を救う側に回ったところはスカッとした気分になった。また最後の短編は彼女を主役に書いてくれているのが良いね。


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映画「マーリー 世界一おバカな犬が教えてくれたこと」

2022-08-24 23:21:18 | 映画・番組等、各種鑑賞録

ずっと見たいと思っていた映画を、NHKーBSプレミアムで見た。

邦題は長いけど、原題は"Marley & Me"とシンプルである。常々思うんだけど、邦題は説明を付け加えて長くしていることが多いなぁ。でも名訳だと思う。単に「マーリーと私」という題だったら、見たいと思うかどうか、自分に自信がない。

動物モノって、最後は泣かされることを覚悟で見なきゃいけない。でも見終わるといつも動物には勝てないって思うのよね。動物との撮影はとても大変で、本作も実は22匹の犬が参加してるんだそうだが・・・。

本映画は、犬中心の物語ではなく、飼い主夫婦も、言うことを聞かない犬に苦労しつつ人生の波を越えて成長していく姿が描かれているのがとてもいいのよね。マーリーは確かに言うことを聞かない点はあるかもしれないが、それはバカなのかというとそうでもないような気がする。飼い主家族のことは大好きでたまらず、溢れんばかりの愛情を表現する。ただイライラすると手当たり次第に物を噛み始めたり、暴れてめちゃくちゃにしたりする、やたらマウントしたがる・・そういう飼い主からすると困った犬なのだ。ただ飼い主の呼びかけや独り言には反応するし、飼い主の3人の子供達とうまくやっている。そういうところが家族なのだ。また子供を育てる前にマーリーを飼い、苦労したことで、夫婦も3人の子育てができたのではないだろうか。ちなみに人間の子供を育てるのは、マーリーのような犬を育てるのよりはるかに大変なのだそうだ。(残念ながら私は知らないけど)

新婚の時、旦那が妻にプレゼントしたネックレスをマーリーが飲み込んでしまい、糞の中から見つけ出したネックレスを妻は大事に身につけ、マーリーが死んだ時にお墓にそのネックレスを備えるシーンは感動的だった。

この話は実話であり、飼い主であるジョン・グローガンのエッセイが原作となっている。映画でジョン・グローガンを演じるのはオーウェン・ウィルソン。大変なナイスガイである。この人誰かに似てるなぁ・・誰だろう・・と考えながら見ていたが、途中で思い当たった。エフゲニー・プルシェンコに似てるかもしれないね。

 


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オリジナルTシャツを作ってみた

2022-08-23 21:00:31 | 身近なちょっと可愛いもの

相変わらずTシャツ通勤を続けている。しかも、毎日違うデザインのを。20年前に買ったやつも堂々と着ていったりする。私は昔ジムに通っていたし、冬でも下着がわりに着ていたりするので、今までの一生の中で、相当数のTシャツを着古しては捨てたはずなのだが、まだまだ生き残っているTシャツがたくさんある。

なんでそんなにたくさんTシャツを持っているんですか?と問われると、旅行に行ってTシャツを買えば長く楽しめるでしょう・・と答える。かつ、Tシャツはたくさん持っているけど、普通のオシャレ着をほとんど持っていないのだ・・と説明すると納得してもらえる。

で、まだまだ会社に着て行っていないものがある中、ふと思いついて、昔描いたイラストでオリジナルTシャツを作ってみた。1枚から廉価でプリントできるサイトが、最近はあるんだね。

今回4種類作ってみた。濃い色のTシャツの方が絵が映えるみたいだけど。。。明日会社に着て行くのが楽しみだなぁ。

これをしばらく着てみて、着心地や洗濯した時の様子など試してみて、もし品質に問題なければ、プレゼント用のTシャツも作ってみようかなぁ。たとえばその人と私の共通の思い出の場所の写真をプリントしてみるとか。


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【100分de名著for ティーンズ】人は何で生きるか/生命とは何か/父が娘に語る経済の話/竹取物語

2022-08-22 22:01:45 | 読書録

毎年楽しみにしている、若者むけ夏休み特集。っていうか私は精神年齢が子供なので、これくらいの内容が自分にちょうどいい感じに感じるのよね。

今回も4作取り上げられているけど、最後の竹取物語が強力で、前の3つを全部忘れてしまうくらい。木ノ下氏の語りが上手・・というところもあるのだけど、改めて竹取物語ってすげーと思うのよね。

この番組を見て気付かされたのは

・竹取物語は日本の物語によく出てくるパターン「小さ子物語」「異常出生譚」「長者譚」「婚姻譚」「婿取りもの」「貴種流離譚」などの要素を含み、SF的なスケールの大きさで語られる。物語の出で来はじめの親」などと言われる日本最古の物語でありながら、その後のよくあるパターンを先取りし、かつ完成度の高さには驚かされる。

・古い物語なのに、かぐや姫が言っていることが新しいのである。「なんで結婚しなきゃいけないの?」なんてまるで今の人みたいなことを言ってるよね。人間が考えることとやることの基本は旧石器時代から変わっていないという、別の本で読んだ知識を改めて再確認。

で、気持ちよく番組を見終わろうとした最後の最後に引っかかったものがあった。竹取物語は幼い頃何度も何度も読み返し、全部知っているつもりになっていたのに、なぜ気づかなかったんだろう。沢山の兵士を連れて、国中で最も天に高い山に登り、不死の薬を焼いたから、富士の山であり不死の山でもあるという語呂合わせ・・昔からつまんないと思っていたのだが、ひょっとして、作者は富士山の噴火を見てる人なんじゃないか・・という気がしたのである。大噴火ではなくその後にチョロチョロっと噴煙が続いた時代に育ったのではないだろうか。物語の現代語訳は「その薬の煙は今でも雲の中へ立ち昇るということであります」と結ばれるが、私のように富士山が噴火していない時代に育った人には、そのような発想は出来ないだろう。

ちなみに平安時代の富士山の噴火記録を見てみると、800年と802年、864〜866に大きな噴火があった模様。竹取物語の成立年代は不詳だが9世紀末から10世紀初頭と言われている。とすると864 〜866の大噴火の後、細々と煙が続くような時代もあったと考えると、物語の成立年代とも近いような気もするねぇ・・などということは番組でもテキストにも一切触れられていないが、最後の最後に気になったので調べてみたわけである。


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韓国時代劇「七日の王妃(第17話〜第20話(最終話))」を見て

2022-08-21 23:50:35 | ドラマ鑑賞

ああ、本当に切ない切ない物語が終わった。

父が家臣として仕える燕山君側についても、夫・晋城大君側についても敵だらけのシン・チェギョン。クーデターで燕山君が廃され、夫が中宗として即位し、自分は王妃になっても、父母は殺され、自分も七日で廃されてしまった。燕山君が流刑途中に襲われ、チェギョンの実家に向かうように仕向ける陰謀のせいで、ちょうど実家で父母を弔っていたとことチェギョンと鉢合わせ。そこを抑えることでチェギョンが燕山君の逃亡を手助けしたとの口実が作られたのである。濡れ衣を着せられたチェギョン。かつ大妃(王の母)によって死刑執行を早められ、絞首刑で首に縄をかけられるチェギョン。すんでのところで中宗が駆けつけ、チェギョンを助け出した。

先日Eテレのハングルナビで、サランヘとかサランヘヨ(愛している)を単独で使うのではなく、サランハンダ(愛してるんだ)畳み掛けることによってより愛情が強く伝わるというようなことを言っていたが、中宗が母の大妃に対して、自分がいかにチェギョンを愛しているか強調する際に、このたたみかけの言葉を使っていたのでぐっと来た。耳の悪い私にはサランハンダではなく、もっと早口でサラナンダと聞こえてしまうのだけれど。

中宗との愛をチェギョンと争っているミョンヘ、およびチェギョンへの恋を中宗と争っている燕山君はそれぞれ自分のなすべきことを悟り、中宗とチェギョンのために行動した。特にイ・ドンゴンが演ずる燕山君は名演だった。

この七日で王妃を下ろされてしまった人は史実では端敬王后と呼ばれ、苗字は慎(シン)であるが、名前がチェギョンというのはこのドラマの創作である。ドラマでは38年後に年をとった端敬王后と中宗が会う場面があるが、これも創作だろう。伝説では、中宗は遠くから彼女が岩にかけたチマを眺めて彼女をしのんでいたにとどまっている。

一方ミョンへはドラマでは触れられていないが、章敬王后とされ、端敬王后が廃された後に王后になった人物であるが、中宗との間に娘と息子を産んだ後、若くして亡くなっている。その後に王后になるのがオクニョにも出てくる文定王后で、章敬王后の産んだ仁宗を毒殺した疑惑のある人だ。ということを考えると、端敬王后は廃妃にはなったけれど、その後の宮廷内の泥試合に巻き込まれずに生きながらえることができたとも考えられる。このドラマが切ないながらもエンディングが平和なのは、そういう背景を踏まえているからだとも考えられる。

ミョンへの叔父のパク・ウォンジョンは、中宗即位の立役者であるが、ドラマでは大変な悪役として描かれている。しぶとく食い下がり、最後の最後に中宗から罰を受けるところは、ドラマを見ていて大変痛快なのであるが、それも残念ながら創作。パク・ウォンジョン自身は中宗即位から4年後に急死しているが、中心として宗廟に祀られるから、ドラマのようなこのはなかったのだろう。中宗は史実ではクーデター擁立された王であるゆえの王権の脆弱性に苦しみ、優柔不断で病弱だったようだから、そこもドラマのイメージとは違う。

・・・ま、そういう史実との違いを踏まえた上で、チャングムなどで見た人の良い中宗とは別の、若くて尖った中宗を見れたのは楽しかった。燕山君も単なる暴君というのではなく、チェギョンの前で見せる穏やかな顔や、時々善玉になってくれる格好良さも見せてくれたのがよかった。その部分は創作だったとしても、暴君とされた人物の、暴君でない一面を描き出すこと自体は、意味のあることだと思う。


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地元のカルチャー&アーツフェア・本番

2022-08-20 23:31:25 | ただの日記

今日は、地元の芸術文化団体が代わる代わる舞台にでて演奏する本番があり、私も所属オペラ団体のバックコーラスで少しだけ出演。

実はこの2年半、コロナ禍でオペラ団体での本番に参加していなかったが、今回久しぶりに歌ってみて、さすがコロナ禍で活動してきた人達にはそれなりのノウハウがあるなぁと思った。

マスクをしての歌の本番は、私にとっては初めて。白マスクでは雰囲気が出ないので、ドレスと同系色の布でマスクを隠すのであるが、安易に市販のマスクカバーを使用した私は、二重マスクかつ上から不織布マスクを小さいカバーで押しつける感じとなってしまい、声が飛ばない飛ばない・・。またマスクが顎でずり下がるのを防ぐ対策をしたつもりが、逆にマスクが上がってきてしまって困る結果になり・・・マスク関連グッズ(中に入れるツールとか固定するものとか)は相当買い込んでいて、自分なりに練習や本番に使えるように工夫してきたつもりなのに、まだまだ全然足りない。

他の人たちの多くは、不織布マスクの上から、レース状の長めの布を垂らすようにしており、私もそうすればよかったなと反省。また10月に日本髪を結う予定があるので前髪を伸ばしている私は昨日縮毛矯正をしてきた私は前髪が長すぎて決まらずに困った。他の人たちは半カツラ+前髪カツラを組み合わせて、部屋バンドやティアラなどでうまく隠して使っていた。私も中途半端な前髪は後ろへやって前髪カツラを使えばよかったなぁ。

また膝や腰が悪くてかがめない私は、いつもドレスのアイロンがけをしておらず、今回も自分は行くのを取りやめた秋田公演のための荷物に入れっぱなしだったドレスをそのまま持っていったため、皺だらけが目に余ると師匠に注意され、他のメンバーにアイロンがけをしていただいてしまい・・同じアイロン持ってるのに全然使えてなかった自分を反省。

とか、どうでもいい話のように聞こえるかもしれないと、自分なりによく考えないと本番のパフォーマンスに響く話なので、今日は短い本番だったけどいい経験になったなぁと思った。


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ローマの地下鉄 C線

2022-08-19 23:17:03 | つっこみ伊太利亜語

旅するためのイタリア語。他の旅するシリーズ・・ドイツ語とフランス語が半年前の再放送なのに対し、イタリア語だけは、新しく撮影したり取材した部分を加えて再構成している。

私が結構好きなのは、ローマ在住のロレーナ・ステンダルディさんによるレポート。旅番組とかではあまり紹介されなさそうな観点で迫ってくる。8月1日放映分を少し時間が経ってから見たのだが、ローマの地下鉄新路線であるC線の話に感服してしまった。

地面を掘ると大概何かの遺跡に当たってしまうローマ。なのでゆっくりゆっくり工事が進められる。今回取り上げられたのは地下鉄C線で一番新しい駅のSan Giovanni駅。

構内には、工事中に出てきた出土品を展示してあって、まるで博物館みたい。

ホーム(banchine)は地下27m地点にある。円筒状に土のサンプルが展示され、下へ行けばいくほど時代が古くなる・・いわば地層の観察ができる箇所もある。

ホームに向かってエスカレータで降りていくと、エスカレーターの壁には、今何時代・・今何時代・・みたいな表示がされていて、めっちゃ興奮する。古代ローマ帝政時代は地下11m。この深さは遺跡だらけなので地下鉄は通せないので、もっと深く掘る必要があるのだ。起源1世紀〜3世紀の地層からは桃の種がたくさん出てくるが、桃は1世紀にペルシャから伝わったという。San Giovanni駅のあたりには古代の桃の畑があったことを示しており、テラコッタと鉛を使った灌漑用の管とか側溝とかが出土していて、すごい。

ホームのある地下27mは旧石器時代の地層。ここまで掘らなきゃ、地下鉄は通せないんだね。旧石器時代当時の植物が壁に描かれていたりする。素晴らしいタイムスリップ感。こんなの日本の奈良とかにもできないかしら? これじゃ駅1つ作るのにものすごくパワーと時間が要りそうだけれど。人間の生活の跡がここまで綺麗に層状になるというのも不思議だ。どこの国でもそうなのかしら? 昔行ったトルコのトロイ遺跡も、確か9つくらいの遺跡が層状に重なっていると言っていた。土が堆積するところでないと地層にならないだろうから、綺麗な層状になるかどうかは場所にもよるんじゃないかなぁ・・・と個人的には思うのだが。

また、ローマのバスや地下鉄で最近できたサービスとしてデジタル・ライブラリーというのがあり、いろんな本の表紙が展示されていてQRコードが刷り込まれていて、それをスマホとかで読み込んでダウンロードし、電車の中で読むことができるんだって。(東方見聞録とかオデュッセイアなんかも読める。)ワオ・・Q Rコードは日本のデンソーウェブが開発したものなのに、日本ではそんなサービスないね。(これからできるかもしれないけど。)

歴史と文化を愛する国、イタリア。ああ、なんて素敵なの! 


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もっと安直な冷汁

2022-08-18 22:00:52 | 下手くそ料理帖

8月10日に安直な冷汁のレシピを当ブログに載せている。

https://blog.goo.ne.jp/y-saburin99/e/855f6c94747b299f815cadc02dafffc4

だが、もっと安直にできないのか? という追求はしている。

市販の冷汁の素的なものを買ったが、自分で味噌をごま油で炒め、焼いたアジの干物をほぐしたものを加えた自作の冷汁の方が美味しいのである。だが、アジの干物を焼いてほぐすのも面倒は面倒で、一度冷汁用味噌玉のようなものを作って、水で伸ばして・・などもやってみたのだが、今ひとつの出来。

ところがアジの干物より簡単で、市販の冷汁の素を使った、比較的美味しい作り方を発見。

それはオイルサーディンを使うこと。先日業務スーパーで目についたこのサーディンを使って作ってみたら正解。

お椀1つに2匹程度をちぎって入れてあげれば旨味的には十分。冷汁の素はこちらを使用。水150CCに大さじ1杯混ぜれば冷汁用味噌汁になる。

相変わらずオートミールご飯を使ってるので、オートミール30gに水50g加えて混ぜたものを600Wで1分半レンチン(米化)したものをお椀2つに分け、それぞれに以下を半量ずつ分け入れる。

豆腐150g →賽の目切り

キュウリ1本 →スライサーで輪切り

ミョウガ1つ →縦半分に切ってから横にスライス

大葉2枚   →千切り

万能ネギ1本 →小口切り

すりごま   →適宜(小さじ2程度か)

オイルサーディン →4匹(1匹を2〜3等分にちぎる)

すぐ飲む分は茶碗1個あたり冷汁の素大匙1を水150ccで溶いたものを上からかければ良いが、今日食べない分の茶碗には

このようにラップをして、冷蔵庫に入れておき、翌日食べる時に、冷汁の素大匙1を水150ccで溶いたものをかけて食べる。

アジの干物の旨味とオイルサーディンの旨味は少し違うけれども、それでも旨味の追加という意味ではオイルサーディンはなかなかに強力である。

ただしサーディンの缶は通常サーディンを少量ずつ使うのに向いていない形状をしているので、そこだけが不満である。

 

 

 


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映画「魔女の宅急便」を見て

2022-08-17 22:53:43 | 映画・番組等、各種鑑賞録

先日ラピュタを見て、やや不完全燃焼だった私は、ずっと前に金曜ロードショーで録画してあった「魔女の宅急便」を見てみた。この作品は10年くらい前に見ているのであるが、ストーリーのラストを全く忘れてしまっていた。

で、今回見直してみたら、ラピュタより良い作品だなぁと思った。

以前、SF小説について、「人間が描けていれば、時代を超えて愛されるだろう」みたいな話を聞いたことがある。科学的知見の進歩によって、今ではそのようなことは起こり得ない・・ということがわかってても、人間が描けていれば、科学的には間違っている設定であっても、「もしそれが真実であるという前提だったら」と割り切ることにより、物語の中に入って行ける。逆に人間が描けていないと、いろんな設定の嘘や不可能が気になり、物語に入っていけないのである。私がラピュタでそうなったように。

「魔女の宅急便」については、魔女も人間に含めて考えれば、はるかに人間が描けている。っていうか魔女キキの成長物語だからね。一度飛べなくなった時期は、次に彼女が成長するために必要だった時期。母からもらった箒が折れ、でも最終的には友を助けようと必死になり、借りたデッキブラシで飛ぶのに成功した時点で、彼女は脱皮できたんだな・・と思った。人間が描けていれば、視聴者は魔女なんて実際には存在しないなんてことを忘れて、自分の事や自分の周りの事に置き換えて、イマジネーションを膨らませることができる。ゆえに「魔女の宅急便」はこれからも時代を超えて愛されるだろうと確信した次第。

最後の最後に、これまた10年前には気づかなかったが、ヤマト運輸もこの映画のスポンサーになってるんだね。実は「宅急便」という言い方はヤマト運輸が登録した商標であることから、原作の段階で議論になったこともあったようだが、映画のスポンサーに同社が名を連ねたことで丸く収まり、逆に宣伝効果も出た・・ということだろう。昔気づかなかったことに気づく・・年を取ることの醍醐味だねぇ。


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