わじのおもったこと

ぼちぼち、とりとめもなく思ったことを書いていこうか、と。

「維新」について考えること

2012-08-22 23:39:36 | くらし
 大阪や、中京など、「維新」が話題となることが多い昨今、その基盤とも言える「明治維新体制」について、きちんと考察すべき時が来ているように感じる。

 明治新政府は、民撰議院設立建白により、「政治権力が天皇にも人民にもなく、ただ有司専制(有司=官僚)にある」と批判された。その後、自由民権運動が行われ、各地で多くの私擬憲法が作られる。ただ、民権派の暴走もあり、明治新政府は「国会開設の勅諭」を出し、民権運動と憲法に関する論議を潰した上で、枢密院など自分達の権限を確保する仕組みを組み込んだ大日本帝国憲法を作成した。

 戦後、GHQの占領下で日本国憲法が制定されたが、間接統治に都合のよい官僚組織は温存され、現代に至っている。薩長の藩閥こそ無くなったかもしれないが、「有司専制」という民撰議院設立建白の批判は、現在にそのまま当てはまるのではないか。

 このように、明治維新体制とは、有司専制とは、ということをきちんと評価した上で、現在の「維新」の動きが、今の体制を一新する「御一新」の動きなのか、それとも、明治維新体制を強化しようとするものなのかを見極める必要があるのではないか。