わじのおもったこと

ぼちぼち、とりとめもなく思ったことを書いていこうか、と。

国家賠償で救済できないものかなぁ。

2005-11-29 00:15:07 | くらし
耐震強度偽装問題。
本来であれば、民事の契約に係る問題であり、買主と売主の間で解決されるべき問題なのは承知している。しかし、売主である不動産会社が倒産した場合、居住者は保護されなくなってしまう。

マンションの入居者救済のために、あえて国家賠償法による賠償という方法について考えてみた。
国家賠償法1条は、国や地方公共団体の仕事について、公務員の故意・過失により他人に損害を加えた場合、公務員個人ではなく、国や地方公共団体が損害を賠償することを定めている。
これは、公務員個人では、十分な支払能力がないなどの理由で、賠償が不十分となることを防ぐ仕組みだ。
(故意や重大な過失があった場合には、国や地方公共団体が、公務員個人に対して支払を求めることができる。)

国家賠償法(昭22法125号)
第一条  国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる。


※建築確認
 建築主が申請。工事をはじめる前に、都道府県や市町村の建築主事や、国土交通大臣や都道府県知事が指定した指定確認検査機関が、建築基準法などの法令に適合していることを確認する。

○ずさんな建築確認により、強度偽装を見抜けず、損害を被ったという理論構成
●1 建築確認を都道府県や市町村の建築主事行った場合。
・「公権力の行使」 建築確認は
・「公務員」 建築主事は、都道府県または市町村の吏員
・「その職務を行うについて」
 建築主事による建築確認は、まさに「職務を行う」に該当
・「故意又は過失」 添付すべき書類がない、定められた手順を取っていない、
 などは「過失」と判断されよう
・「違法に」 建築基準法、政令、省令に違反する

 このケースで問題となるのは、「誰が訴えることができるのか」だろう。
 建築確認に対する訴えの例として、周辺住民が訴えを起こすケースなどはあったが。
 マンションの購入者の訴えを認めるかどうかは1つのポイントになるだろう。


●2 建築確認を国土交通大臣や都道府県の指定した指定確認検査機関が行った場合。
 建築基準法 第6条の2 第3項は、指定確認検査機関が建築確認を行った場合、特定行政庁(建築主事を置く市町村では市町村長、それ以外では都道府県知事)に報告するよう定めている。
 同第4項では、報告を受けた特定行政庁が、建築基準関係規定に適合しないと認め通知した場合、建築確認が効力を失うことが定められている。

 このことから、特定行政庁(都道府県又は市町村)を相手取り、国家賠償請求を行うことができるのではないか。
 (●1のケースと同じく、誰が訴えることができるのか、という問題は残ると思われる)


○指定検査確認機関をきちんと監督しなかったため、損害を被ったという理論構成
●3
・国土交通大臣又は都道府県知事(以下「大臣等」という)が、検査確認機関を指定する場合には、確認検査の業務の実施に関する計画等を審査する。(建築基準法 第77条の20)
・指定検査確認機関は「確認検査業務規程」を定め、大臣等の認可を受けることになっている。規定が不適当となった場合、大臣等は変更を命ずることができる。(同法 第77条の27)
・大臣等は、確認検査の公正かつ的確な実施のため「監督上必要な命令」をすることができる。(同法 第77条の30)
・大臣等は、指定を取り消し、業務停止、を命ずることができる。(同法 第77条の35)

 これらの権限を適切に行使しなかった(不作為)ため、損害を被ったということから、確認検査機関を指定した大臣等を訴えることができるのではないか。
(不作為の立証は難しいが)

以上、現実的にはちょっと難しいところも多いが、考えてみた。

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