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1月27日(火) 車は生き物だ

 会社のフォークリフトが持っていかれた。寿命が尽きて廃車となる。しばらくすると新車が納車される。
 フォークリフトの管理責任者としては、会社が新車を購入してくれるのはうれしい。ここ数ヶ月フォークリフトの故障に悩まされてきた。小生の職場ではフォークリフトが無いと仕事ができない。故障するたびに責任者の小生は、現場の人間にどうにかしてくれとの、文句の矢面に立っていた。たびたび会社に新車購入の要請を出していたが、やっと新車が来る。
 このフォークリフトは、小生がこの会社の入社した時から、管理責任者をしていた車である。簡単な故障なら自分で修理し、グリースを注し、月例点検をし、給油して、面倒見てきた車。引き取りに来たトラックに積み込まれ、トラックが会社の門を出るときは、一抹の寂しさを禁じえなかった。
 小生の親父は小さな工場を経営していた。小生も手伝っていた。親父が大手の電子部品メーカーを辞めて、独立して工場を持った時から、ずっと使っていた車がある。初代マツダボンゴ。一見華奢なワンボックスワゴンながら、よく働いた車だった。親父と苦楽をともにした車だ。さすがにポンコツになり、新車を買うことになった。マツダの人に持って行かれるボンゴを、見送る親父が大変に寂しそうにしているのを覚えている。
 かくいう小生もホンダインテグラ1600ZSに10年ほど乗っていた。小生が楽しいことをする時には、いつもいっしょにいてくれる車だった。リストラされた時、その車をガリバーに引き取ってもらった。充分に乗った車だから、売れずに、逆にお金を取られた。スクラップになる運命である。インテグラをガリバーの駐車場に置いて、歩いて帰る時、何度も振り返ってわが愛車を見た。ものすごく寂しかった。
 車は愛情を持って使うと、魂を持ってくるらしい。これら3台の車は、小生の目から見て寂しそうにしていた。車は機械ではない。生き物だ。
 
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