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眞鍋かをりの知名度頼りに選挙するのか?

 衆院静岡7区からの立候補を表明している、無所属の城内実氏のポスターにタレントの眞鍋かをり氏の写真が使われている。この件に関して、双方の言い分が全く対立している。城内氏は許可を得て眞鍋氏の写真を使った。眞鍋氏は「その方とはまったく関係はございません」
 水掛け論になっているから、どっちの言い分が正しいのか判らないが、そもそも、かようなポスターに芸能人の写真を使う意味がわからない。
 この手の立候補予定者のポスターの目的は、当選することだろう。そのポスターを見て、有権者が一人でも二人でも票を入れてもらうのが目的だろう。だったら、大変、有権者をバカにした行為だといえよう。
 わ、城内さん、こんな有名な人と知り合いなんや、すごーい。城内さんに投票しよう、ということを期待してのことだろうか。ただただ、眞鍋かをりと知り合いというだけで、1票を入れる人がいると、城内氏は思っているのだろうか。
 眞鍋かをり氏はブログの女王として有名な人物である。眞鍋氏がどういう政治的な考えを持っているか、寡聞にして知らないが、同氏のブログを拝見するに政治的な発言は見当たらない。
 これがもし、眞鍋氏が常々政治的な発言をする方で、眞鍋氏の考えが、多くに人に知られていて、城内氏が、眞鍋氏の考えに同志的な共感を持って、「私と同じ考えの人がおられます」という意味で、真鍋氏の写真をポスターに使ったのなら、立候補予定者としての、城内氏を理解するための一助となったであろう。それならば城内氏の今回の行為は理解できる。ところが眞鍋氏はご自分のブログで「私は特定の政党や政治家の応援をしていません」とおっしゃっている。だとすると、城内氏は眞鍋氏の顔と名前だけを利用しただけだ。
 この手のポスターは、有名人や、所属する党の党首、有名議員とのツーショットの図柄のものが多い。どうして、自分一人の顔で、自分一人の意見で、勝負できないのか。かような、人のふんどしで相撲をとる/虎の威を借る狐、的なポスターはあまり意味があるとは思えない。城内氏もポスターに眞鍋氏に写真を入れるスペースがあるのなら、ご自分の言葉をそのスペースに入れれば良かったのでは。このご仁が当選するか落選するか、静岡7区の有権者の方々の審判を刮目して見よう。
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阪神4連勝。後半戦巻き返しの始まりか

 う~む。阪神の調子は本物かもしれない。これで、後半戦負けなしの4連勝。先発ピッチャーがいいとやっぱりチームが勢いづくな。とはいえ、今年前半は数多の好投する先発ピッチャーを見殺しにしてきたけど。
 今夜は投手戦といっていいだろう。能見、内海の投げあい。ホームランも1本づつ打たれた。ただ、能見の被弾は坂本のソロ。内海の被弾はブラゼルの3ラン。1番バッターのホームランと6番バッターのホームランの差が、今夜の勝敗の分かれ目になったな。
 最後は藤川がしめたけど、ラミレスのホームランは余計やったな。でも、ま、あれで藤川の目が覚めたのかも知れん。
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とつぜんリストラ風雪記 33

とつぜんリストラ風雪記 32

 NP社をクビになった小生は、ただちに求職活動を開始した。K電気をリストラされて以来、4度目の求職活動だ。こうたびたび求職活動を経験すると、さすがに慣れたもので、試行錯誤なしで活動を展開できる。
 H屋D堂、MK産業、NP社と、三つの会社をクビになってきた。わずか3年間で3社。無職の期間は最大で半年。
 求職活動を通じて、多くの求職者と知り合いになったが、1年以上求職活動をしているが、まだ再就職を果していない人が多くいる。そのことを考えると、小生は求職者としては有能な方ではないだろうか。クビになっても、すぐ次を見つける。以前にもちょっと書いたが、求職活動期間中、求職活動そのものが面白いと感じる時があった。これは危険なことである。求職活動が目的ではない。要は如何に安定した会社に入社して、末永くその会社に在籍し、安定した収入を得るかだ。
 クビになってもすぐ次の会社に入社できる、などということは自慢にならない。次の会社を見つけることも大切だが、苦労して見つけて入社した会社にとけこみ、必要とされ、末永く働けるかが大切。この事に関して、小生も反省すべきところは多々ある。もちろん愚にもつかない会社に入社してしまったという小生の運の悪さもあるが、小生も悪いところはあった。
 このブログをご覧になっている人で、小生と同様の身の上の方もおられるだろう。そのような方には小生と同じ失敗をして欲しくない。ひとつだけアドバイスをさせていただく。プライドを隠すこと。捨てろとはいわない。プライドのない男はふぬけである。プライドは大切にしなくてはいけない。ただ、会社の門を一歩くぐると、プライドは心の奥の方に厳重に鍵をしてしまい込むべき。表面に出してはいけない。むき出しのプライドほど、新しい会社での仕事の邪魔になるものはない。

2005年5月18日(水)
 定刻4時起床。今後の方針、日々の行動計画などを考える。NP社にはサービス残業した給金を払わせたいものだ。
 NP社に制服を返却しに行く。健康保険は任意継続にする。この会社に3ヶ月いた。しんどい会社だった。西宮ハローワークへ行く。収穫なし。

5月23日(月)
 NP社の残業代未払いの件で尼崎労働基準局に電話する。書面で提出してくれといわれる。書面で出した。その後のことは判らない。ちゃんとNP社を摘発したのか、あるいは基準局がほったらかしにしたのか。

5月25日(水)
 尼崎ハローワークへ行く。同ハローワークはJR塚口が最寄駅だが、福知山線不通のため、尼崎駅から歩く。途中、脱線事故現場の前を通る。手を合わせて、犠牲になられた方々の冥福を祈る。
 現場にほど近い道路に違法駐車している車多数。中に人がいて、熱心にノートパソコンをたたいている。新聞社の腕章を巻いているから、記者が原稿を書いているのだろう。事故後1ヶ月なので喪服を着た遺族と思われる人たちが多数おられる。
 尼崎ハローワーク収穫なし。帰りは阪急塚口から帰る。

5月28日(土)
 女性から電話。中学の同級生だった女性。三宮のスナックで飲んでいるから出てこいとのとこ。女二人かなり酔っている様子。実は彼女らからは昨日も電話があった。クラス会の出欠。欠席といってあったが、どうも出席者が少ないらしく、飲みながら善後策を相談しているらしい。
 中学のクラス会は10年に一度は開かれている。いいだしっぺは、たいてい上記の彼女たち。小生は皆勤であったが、さすがに失業中のこととて、出席する気にならず、また金もない。小遣い5000円で会費は出せない。まことに残念ながら欠席の意志を再度伝える。次回は2015年か。
 録画しておいた「上方演芸ホール」を観る。笑福亭たまさんが「看板のぴん」をやっていた。相変わらず元気いっぱいの高座。この噺家きっと伸びる。少々気が早いが、第N代目笑福亭松鶴の候補の一人にしてもいいかも。こんど生で観れる。楽しみ。

6月2日(木)
 芦屋の食品会社で面接。小さな会社でなんでもしてもらわなければいけない、といわれる。この会社断ってきたが、社長は小生の人柄が気に入っていたらしい。別の人を採用したが、その人が辞退したら、雫石さん来てくれますかといわれる。なんとも身勝手ないい分だが、気持ちよく「はい」と答える。可能性は残しておかなくては。

6月10日(金)
 梅田の人材派遣会社で面接。午前10時という約束だったが、面接を始めたのは11時。1時間も小生一人応接で待たせおった。これが逆ならどうだ。応募者が面接に1時間も遅刻したら、それだけで不採用だろう。求職者は弱い立場なのだ。

6月13日(月)
 堺筋本町の人材派遣会社で面接。50歳以上の再就職は難しいといわれる。そんなこと小生にいってどうする。それなら電話で断れ。こっちは失業者が交通費と時間を費やして足を運んだのだぞ。結局、ここの社長、面接のあいだじゅう、中高年の再就職の難しい話ばっかり。厚生労働省の労働行政への不平不満批判をたっぷりと聞かされる。しょうもないことで時間をつぶした。

6月22日(水)
 伊丹ハローワークへ。帰りはJR伊丹から電車に乗る。伊丹駅のホームで待っていたら、来た電車は事故車と同じ「同志社前行き」快速電車。しかも同じ207系。あの事故以来初めて福知山線に乗る。事故現場の尼崎のカーブは大変にゆっくり走っていた。通過するさい手を合わせる。例のマンションから尼崎駅まで時間にして1分もない。小生は何事もなかったように尼崎駅に降り立ったが、あの日あの時あの電車は永遠に尼崎に到着しなかった。

6月23日(木)
 NP社に行く。健康保険証を返却して、健康保険資格喪失証をもらう。これでNP社とは完全に縁切り。きゅうくつな会社だった。本採用されるため、100時間を超えるサービス残業しながら、さまざまな辛抱を重ねてきたが、すべてムダだった。そう思うと、ここ数ヶ月の疲れがどっと出た。立っているのもしんどかったが、気力をふりしぼって梅田ハローワークへ行く。


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阪神3連勝。久保移籍後初完封。

 阪神、今期初の同一カード3連勝。最下位横浜相手とはいえ、めでたいこっちゃ。今夜の勝因はなんといっても久保の好投につきる。三浦番長相手に見事投げ勝つ。2安打1死球なんだから文句のつけようがない。狩野のリードも良かった。キャッチャーフライ落とさんかったし、盗塁もちゃんと刺しとった。
 久保、昨日の岩田に続いて完投完封。2日続いて先発投手が完封。JFK時代には考えられんこっちゃ。後半戦になってやっと真弓さんの構想が実現化してきたかな。
 点の取り方も良かった。昨日は金本新井の兄弟ホームランという大ワザで点をとったけど、今日は小ワザ。1回の先取点の取り方は見事やった。赤星ヒット盗塁→関本バンド→鳥谷犠牲フライ。すみやかに効率よく点を取った。
 1戦目は接戦で延長戦にもつれ込んでサヨナラ。2戦目は大量点を取って快勝。今夜は少ないリードをピッチャーの好投で守りきる。3戦とも違う勝ち方をした3連勝。なんとか調子が出てきたようだ。さ、この勢いで巨人をいてこましたれ。

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阪神快勝。真弓阪神最高の勝ち方

 真弓阪神になって最高の勝ち方やったな。1回いきなり3番鳥谷、4番金本のタイムリーで2点。3回、問題の5番新井がスリーラン。7回、金本がスリーラン。先取点、中押し、ダメ押し。打点は全部クリーンナップがはじき出したもん。1番赤星は2度出塁して2度ホームに戻ってくる。
 投げては、岩田が先頭バッターを出しながらも、併殺打で打ち取るなど、横浜に本塁を踏ませず、完投完封。プロ入り初完封。今期初勝利。
 打線を開幕時に戻したのが、見事に功を奏した。今日の試合を見とると、阪神の調子も上向きとの見方をしてもいいかな。中日相手にこんな試合で連勝すれば本物やけどな。
 
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運転免許の更新に行く

 今日は有給休暇を取った。とはいえ、いつものように朝5時半には家を出た。6時半会社に着いて、いつものように液体酸素、液体炭酸ガスのCEタンクのバブル操作。この仕事、高圧ガス取り扱いの資格を持っているのは、会社中で工場長、部長、小生の3人だけ。よほどのことがあれば工場長に頼むが、物理的に可能ならば小生が行うようにしている。
 8時半に会社を出る。この間、会社におるはずのない人間、幽霊が仕事をしていたことになる。
 今日の休暇は運転免許の更新のため。JR元町で降りて県警本部別館へ。思えば近く便利になったもんだ。大昔は、明石まで行っていた。あそこは不便だった。明石駅からバスに乗って行かなければならない。次に、伊丹の更新センター。で、今回は元町。だんだん近く便利になってくる。
 県警本部別館の更新センターは高齢者、優良運転者専門。小生は優良運転者の方。一般の人がいないので、人数が少なく早く終わるから、ここでやったらいいよ、とアドバイスしてくれる人がいた。その通りだった。来ている人たちを見ると、年寄りとおばさんばかり。ペーパードライバーがほとんどだろう。運転しなければ違反は起こさない。たぶん今日のメンバーで小生が一番運転がうまいのではないか。
 受付手続き、視力検査、写真撮影なんかは10分ほどで終わる。講習も簡単なお話と、ビデオを見せられた。免許更新時のビデオ。以前見たのは、実にくだらんものだったが、今日見たのはなかなか良く出来ていた。説得力のある作りで、安全運転の大切さを訴えられた。
 新しい運転免許証を受け取る。新しい免許証はICカードになっていた。個人情報保護のため、本籍地欄が空欄になっている。機械にかけて暗証番号を打つと表示される。
 中型免許を持っていることになっている。小生が免許を取ったころは、普通と大型だけだったのが、普通、中型、大型となったそうな。運転免許も落語みたいになったな。大まめ、中まめ、小まめに、米あげいかき。で、昔、普通免許を取った人は8トンまでの中型車が運転できるようになったそうな。
 しかし、優良運転者だと更新が早くっていい。昔は、運転免許の更新は半日仕事だったが、1時間ですんだ。
 ご安全に!。 
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民主主義の健康を守るために投票に行こう

 選挙だ。投票に行かねば。自慢じゃないが、小生は有権者となって、棄権したことがない。地方選挙から国政選挙まで、選挙となると必ず投票に行く。選挙皆勤賞だ。
 で、選挙の勝率だが非常に悪い。今年の阪神タイガースの勝率よりよほど悪いだろう。つらつら記憶をたぐって見るに、小生が投票した候補者で当選した人は非常に少ない。今まで多くの選挙で投票してきたが、当選した候補者は数えるほど。
 別に小生は、自分の票を死に票にしようと思って投票しているわけではない。小生なりに真剣に考えて、ベストと思う候補者に投票しているわけ。泡沫候補ばかり選んで投票しているのでもない。だから大差で負ける候補者もいたが、だいたいが小生が投票した候補者は惜敗する場合が多い。多少へそ曲がりな有権者であることは自覚してはいるが、現実的な投票を行っていると自分では思っている。
 これだけ勝率の悪い投票だと、嫌気がさして投票に行く気がしなくならないかと、聞かれると、全くそんなことはない。小生は棄権はしない。
 ロクな候補者しかいない、という理由で棄権する人がいるが、その考えはよろしくない。投票率が下がると、ある種宗教団体など、強固な組織票を持った候補者が有利になる。と、いうことは組織票の票田となっている団体の発言力が強くなる。裏返せば、その団体とは違う考えを持った人の発言力が弱くなることだ。こういう状態は民主主義として決して健康な状態とはいえないだろう。いつぞや、首相経験者で「有権者は眠っていて欲しい」などと発言したアホがいたが、決して眠っていてはいけない。8月の終わりの投票日には、必ず起きて投票に行こう。ロクな候補者しかいなくても、投票率を上げるためだけでも投票に行くべきだ。民主主義の健康を守るために。
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阪神、開幕クリーンナップでやっと勝つ

 ヤケになったか、何を思ったのか真弓さん。鳥谷3番、金本4番、新井5番という開幕当初のクリーンナップで後半戦スタート。
 鳥谷はなんとか結果をだしたけど、新井がね、あいかわらず。おかげで、チャンスは作る、というか横浜のピッチャーが作ってくれたチャンスやったけど、ぜんぜん点が入らへん。でも、ま、新井、9回の裏に同点打打って5番の仕事をやっとこ果たして延長に。10回表は藤川が3人でピシャリ。今夜の藤川はいつにまして気迫が感じられた。そして、裏に関本のタイムリーでサヨナラ。
 しかし、最下位横浜相手に苦労して苦労して長い時間かけてやっと勝つ。相手のピッチャーがフォアボール連発で勝たせたろゆうとんのに遠慮して、延長にしてしもた。今日の加藤や山口相手なら、バット振らんと、立っとるだけで、押し出しで勝てとったんちゃうん。
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K-20 怪人20面相・伝


監督 佐藤嗣麻子
出演 金城武 松たか子 仲村トオル 國村隼 鹿賀丈史 高島礼子

 世界の設定が非常に良い。映画が始まると、最初に字幕で設定が説明される。1940年代。大日本帝国は英米との戦争を回避。第2時世界大戦がなかった世界。実際の大日本帝国は敗戦によって消滅したが、この映画の大日本帝国は昭和20年代になっても健在。従って、華族制度もあり、極端な階級社会で、少しだけ科学技術の進んだ大日本帝国が映画の舞台。
 映画が始まるといきなり巨大な飛行船。飛び回るジャイロコプター。人々はテレビを観て、オート三輪で走る。観客はスチームパンクな世界にいきなり引きずり込まれる。このスチームパンクな大日本帝国の帝都に出没するのは、神出鬼没の怪人20面相。富める者から奪い貧しき者に施しを行ない、義賊とされている。
 サーカスの曲芸師、遠藤平吉は謎の男にはめられて、20面相として、名探偵明智小五郎に逮捕される。脱走した平吉は、明智、軍警(警察)の追跡をかわしつつ、本物の怪人20面相を追う。その20面相が狙うのは、無線で電気を送電する画期的な装置。20面相に拉致されそうになった華族の令嬢葉子を平吉は救う。
 20の顔を持つ怪人。追う名探偵明智小五郎。マッドサイエンティストが発明した恐るべき新発明。悪人や軍の手に渡れば人殺しの兵器に転用される。世間知らずの金持ちの令嬢が、貧しい子供たちのスラムで現実の世界を見て、自分のやるべきことに気がつく。
 レトロな風景をバックに繰り広げられるアクション。謎が謎を呼ぶ。怪人20面相の正体やいかに。サーカスで鍛えた体術で20面相と対決する平吉。おてんばで勝気なお嬢様葉子はジャイロコプターを駆って平吉を助ける。平吉にアドバイスを贈り、さまざまは仕掛けを平吉に提供する、からくり師の源治。巨大な装置を起動させる鍵を取り合って、ビルの上で挌闘する20面相と平吉。
 じつに真っ直ぐなエンタティメント。ど真ん中ストレートの冒険活劇。日本で、この手の娯楽活劇映画をつくると、どうしても「ためらい」がある。てらいがあり、変化球を投げたがる。だから、余計な愁嘆場を作ったり、色恋ざたを絡めたりして失敗する。成功したのは黒沢の「隠し砦の三悪人」と岡本喜八の諸作品ぐらいしか思いつかない。
 この映画によって日本映画は、初めてスピルバーグ、ルーカスとまともに勝負できるようになった。というか、「インディー・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国」には完全に勝っている。スピルバーグなにするものぞ。
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ピッツァ・マルゲリータ



 ピッツァを焼こう。シンプルでおいしいピッツァがいいな。マルゲリータにしよう。
 まずはトマトソース作りから。缶詰のカットトマトを使った。鍋に刻んで炒めた玉ねぎとトマトを入れて火にかける。アクをとる。ローリエを入れ、お好みに煮詰まったら塩こしょうで味を調える。
 次に生地作り。ぬるま湯で溶かしたドライイースト、オリーブ油に小麦粉を入れてこねる。手でこねてもいいが、フードプロセッサでこねると早い。
 こねた生地は発酵30分。延べ棒でうすく延ばす。アメリカのピザじゃないんだから、イタリアのピッツァなんだから、できるだけ薄く延ばそう。
 延ばした生地にトマトソースを塗って、モッツァレラチーズを乗せて、300度のオーブンで10分焼く。焼けたらバジルの葉をトッピングしてできあがり。
 パリッとしてクリスピーでおいしい。
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茄子素麺

 
 夏は冷たい素麺がおいしゅうございます。また、夏野菜の代表の茄子もおいしゅうございます。素麺と茄子。この夏においしいもんの組み合わせは、ぜひとも食さねばなりませぬ。
 茄子素麺を作りましょう。まず、お出汁ですが、干しエビの戻し汁を使います。干しエビは10分ほど水に漬けておきます。茄子は切れ目を入れて食べやすい大きさに切ります。
 干しエビを漬けたままの戻し汁に昆布を1枚敷いて、薄口醤油、味醂で味付けして、茄子を入れて煮ます。煮る時、タカのツメを1本入れます。茄子が煮えたら、そのまま常温でゆっくり冷まします。この冷める段階で茄子に味がしみておいしくなるのです。できるだけゆっくり冷ましましょう。
 常温まで冷めたら、冷蔵庫で冷たく冷します。ゆでた素麺を冷水で冷して冷たい茄子の鉢に入れます。みょうがとおくらを沿えてできあがり。からしをちょっと溶かしていただくと、おいしゅうございます。夏の朝食にどうぞ。
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夜は短し歩けよ乙女


森見登美彦               角川書店

 奇人、怪人、変人、珍人。さまざまな、おかしげな人間がたくさん出てくるが、極めつきの奇人変人は主人公の一人、「黒髪の乙女」だろう。小柄で可憐な女の子らしいが、鈍感というか、バカというか、純真というか、人の気持ちがまったく判らない。彼女のことを、ものすごく片想いしている、もう一人の主人公「先輩」の想いが全く判らない。「先輩」が一生懸命に細工して、彼女と出会っても「あ、先輩。奇遇ですね」
 奇遇ではなく、先輩が意図して出会っているのがまったく気がつかない。また、中年のおっさんに乳を触られているのに気にもせず、逆にそのおっさんを、人生の師と尊敬する。まさしく人間離れした鈍感女。こんな鈍感女が好きな「先輩」もおかしげな男だが。
 と、小生は書いているが、別にこの天下無敵の鈍感女「黒髪の乙女」を嫌っているわけではない。これほどの鈍感さでないと、この奇妙奇天烈な小説の主人公は務まらないだろう。
 夜の木屋町を歩く「黒髪の乙女」後をつける「先輩」夜の木屋町に突如出現する3階建て電車。
 糺すの森の古本市。謎の少年は神様か。「黒髪の乙女」の求める絵本はあるのか。本の大海に迷い込んだ乙女と先輩。
 秋の学園祭。神出鬼没の「韋駄天コタツ」と、なぞのゲリラ演劇「偏屈王」こやつらは何者。パンツ総番長と「象のお尻」の美女。
 京都の街に凶悪な風邪が蔓延。鈍感女の「黒髪の乙女」が風邪にかかるはずがない。一人、元気に無邪気にお見舞いにまわる乙女に先輩の想いは伝わるか。
 と、まあこんな話で、異世界京都に満ちあふれる、怪異と奇人変人。
「黒髪の乙女」は、この異様な世界を表示してまわるカーソルと観れば、彼女の鈍感さも理解できる。
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糸電話でええのに

 携帯電話を買い換えた。前に持っていた電話を友だちに見られて、「あんたこれムーバやな。古い携帯持っとおな。これ、近いうちに使えんようになるで」と、脅されて、あわてて、昨日三宮のドコモショップにフォーマの電話を買いに行ったというわけ。
 実は、小生、携帯電話でメールを打ったことがない。通話専門である。小生のお手手は、身体のわりには小さくて、指が短く、しかも指の先が丸まっちい。このかわいいお手手で、携帯の小さなキーボードは非常に打ちにくい。だからメールが必要な時は、もっぱらパソコンのEメールを使っている。
 パケット通信はお金がかかるからIモードは使わん。あんな小さな画面でテレビを観ようとは思わない。よってワンセグはいらん。デジカメをいつも持ち歩いているから、カメラ機能もいらん。買い物するときは現金かカードで買う。おさいふケータイなんか余計。
 ようするに通話さえでできればいい。本当は糸電話でもいいが、それじゃ遠くとお話しできないから、しかたなしに携帯電話を持つ。小生の携帯電話に対する認識は、この程度。そのことをドコモショップでいい、一番安い機種を出せといったら、上記の機能がみんなついたやつを出してきおった。こんな機能はいらんというと、今時どんな機種にも最低限この程度の機能はついているそうな。で、取り扱い説明書を見ると、ほとんどのページを、これら小生が絶対使わない機能の説明に費やしていた。おかげで、必要な説明がなかなか見つからない。まったく、糸電話でええのに。
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へび花火の思い出

 子供のころの夏休みの夜のお楽しみといえば花火です。花火といっても、しつけのできていない若者が海辺にキャンプに来て、ゴミを散らかしながら、大騒ぎしながら、遊ぶハタ迷惑な打ち上げ花火ではありません。手で持って遊ぶ、かわいらしいオモチャ花火です。
 線香花火に代表されるかわいい花火です。この線香花火、子供の手で持つと、揺れて最後まで持ちません。火を着けると、始めにパチパチと華やかに火がほとばしって、といっても、線香花火ですので、かわいくですが、ひととおり火が出ると、小さな火の玉にかたまります。そして、その火の玉から、しだれ柳みたいな、細い火がスースーと出ます。これがまた、なんとも典雅なおもむきで、線香花火は小さな花火ながら、なかなか楽しめる花火です。わたくしなどは、玉になる直前に、ぽとと落として、しだれ柳まで行かないことが多うございました。
 ところで、昼でも楽しめる花火がありました。あれを花火といってもいいかどうか判りませんが、ヘビ花火という花火です。ご存知ですか。
 直径1cmぐらいの、円筒形のころころとしたモノです。火をつけると、小さな炎を出して燃えます。そして、突然、うにゅうにゅうにゅと、円筒形が伸びるのです。その形状がヘビのようだから、ヘビ花火というのです。わたくしなどは、極めてびろうな形容で申しわけございませんが、ヘビというより、うんこに見えるのでございます。地面に置いて火をつけるから、地球がうんこをしているように見えたのです。なんとも、かわいらしいうんこですこと。
 考えてみますと、あのヘビ花火、なんとも地味で、うんこみたいですが、妙に記憶に残っております。昭和のお話でございます。平成の今も、あの花火はあるのでしょうか。

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生き残った4人

 早山丸遭難事件の生存者は四人だけだった。早山丸は八〇〇トンの小型貨物船で、大阪港を出港、ベトナムのホーチミン市に向っていた。積荷は雑貨で食品、日用品、中古バイク、中古電化製品など。
 台湾沖を航行中に台風に遭遇。主機関を破損して漂流。通信機器も破損したらしく、最後の通信が途絶えてから一ヶ月が過ぎた。
 一昨日、台湾海軍の哨戒艇が人がいないはずの島の沖合いを航行中、島から手旗信号で救助を求める複数の人物を発見。上陸して救助した。
 台北市内の病院に収容されたリーダー格の通信士は、台湾当局の事情聴取に応じている。以下は通信士が話した事の顛末である。

 私たち二十人は十人づつ二隻の救命ボートに分乗して脱出した。脱出した直後に船は大きく傾き横倒しとなった。通信機が故障したので、これ以上救難信号を打てない。最後にSOSを発信したこの場所から離れたくないが、船と運命を共にしたくない。
 荒れ狂う波浪で一隻のボートが転覆した。私が乗ったボートは無事だった。投げ出された連中は海で散り散りになった。そのうち四人が私のボートのヘリに手を掛けてよじ登ろうとする。ボートが大きく傾いた。このままでは転覆する。
 オールで登ってくる奴の頭をたたいた。三人はすぐ手を離した。しかし一人がうまくオールをよけて、しぶとくしがみついている。甲板員の永田だ。永田か。奴は変わり者だ。いつも一人でいて、誰とも仲良くしようとしない。船員の中では浮いた存在だ。
 ボートが傾いて水が入ってきた。定員は十名だ。満席で永田を収容することはできない。われわれ十人が助かるためには永田を見殺しにするしかない。
 私一人ではなく、何本かのオールが突き出された。さしもの永田も船縁から手を離した。流されて行く彼の怨みのこもった目は忘れられない。
 何日か漂流した後、島に漂着した。十人全員無事だ。積荷の木製のコンテナもいくつか流れ着いている。
 島は無人島のようだ。ともかく、救助が来るまでこの島で生き抜かなければならない。 まず二個のコンテナを開ける。一個は食用油。一個は小麦粉だった。他のコンテナは雑貨のようだ。
 十人のサバイバル生活が始まった。水は島の中央に泉がある。真水が湧出している。食料は海岸の貝と魚、少し生えている木に果実がなっている。食べられるのもあるかも知れない。
 とりあえず魚を獲った。油と小麦粉があるから天ぷらにして食べた。小骨が多く食べにくい魚であったがおいしかった。
 海岸にテントを張って落ち着いた。腰を据えて救助を待つことにする。最後に救難信号を発した所とこの島は少し距離があるが、救助隊の捜索範囲内だと思う。
 この島に漂着して一週間が過ぎた。水は救命ボートである程度の量を持ち出したが、かなり少なくなった。泉に汲みに行った。そこで奴とあった。奴もこの島に流れ着いていたのだ。

「よし。このへんに下ろそう」
 私は二人に声をかけた。棒の前を渡辺が後ろを小池が持っている。一番大きな容器を持ってきた。
 三人はひしゃくを持って泉のほとりに向かった。その時、ヒュという何かが風を切る音が聞こえた。小池が倒れた。こめかみに三十センチほどの細い棒が刺さっている。
 泉の向こう、木が茂っているあたりから声がした。
「動くな。動くと小池みたいに死ぬぞ」
 永田だ。弓のような武器を作ったのだ。思い出した。奴はアーチェリーで国体に出場したこともあった。
「永田か」
「そうだ。これから俺がいうものをここに持ってこい」
 奴は一人でサバイバル生活を送るのに必要な品物を何点か要求した。渡辺と二人で行こうとしたら呼び止められた。
「渡辺はここに残れ」
 人質というわけか。私は一人で帰った。
「あとの二人はどうした」
 機関長の徳田が聞いた。この集団のリーダーは彼が務めている。船長と航海長は死んだ。「小池は殺されました。渡辺は人質です」
「どういうことだ。水を汲みに行ったのではないのか」
「泉に永田がいました」
「奴は海に流されたのではないのか」
「奴もこの島に流れ着いたようです」
「小池を殺したのは奴か」
「そうです」
「武器を持っているのか」
「弓のような物を持っています」
「で、何をいってる」
「鍋、毛布、食料などを持ってこいといってます」
「奴は一人か」
「分かりません」
 徳田はアゴに手を当てて黙った。
「俺たちは奴をあんな目にあわせたんだ。当然、うらんでいるだろうな」
「そうですね」
「お前が奴ならどうする」
「復讐します」
「俺もそう思う」
 
 一メートルほどに切りそろえた木を三本束にしてきつくひもで縛る。両端にひもを引っかけて三日月型に引き絞る。
 私たち八人は全員で弓を作ろうとしている。しかしどうしてもうまくいかない。
 木を引き絞ると、すぐポキッと折れてしまう。二本束ねても三本束ねても折れる。種類の違う木を使っても折れる。この島の木は非情にもろい性質で少しでも曲げると折れる。ただし、真っ直ぐの状態では強くて折れない。ようするに曲げに弱く縦方向には強い木だ。「この島の木で弓を作るのは無理ですね」
「そのようだな。別の対抗手段を考えよう」「しかし、飛び道具に素手で対抗できません」「では、石でも投げよう。こっちは八人いるんだ。それにしても奴は何で弓を作ったのかな」

 泉は島の中央にある。八人は二手に分かれた。私たち五人はキャンプから真っ直ぐ泉に向かった。昨日、来た時と同じ道。徳田機関長たち三人は海岸沿いを大きく迂回。私たちと反対側に回った。永田を挟み撃ちにしようという作戦だ。
 なにより渡辺を救出しなくてはどうにもならない。こちらは素手の八人。相手は弓を持ったアーチェリーの名人。慎重に行動しなくてはならない。
 時間だ。徳田たちは所定の位置に着いているはず。私たち五人も泉の手前に陣取った。今から私が永田に声をかける。それと同時に徳田たち三人は背後から永田に襲いかかる手はずとなっている。永田の武器は弓だ。銃ではない。一人がやられても二人で取り押さえられる。同時に私たち五人も行動を開始して加勢する。
「永田。聞こえるか。品物を持ってきた。渡辺を出せ」
「聞こえるぞ。今出て行く」
 渡辺を連れて出てきた。後ろ手をくくられた渡辺が後ろ、永田が前。永田の左手が渡辺の後頭部の毛髪をつかんでいる。右手にはサバイバルナイフを握っている。
 背後から徳田たち三人が襲いかかり永田を取り押さえる事になっているが、出てこない。「いわれた物を持ってきたか」
 おかしい。徳田たちはどうしたのだ。
「持ってきた。ここに置く。渡辺を放せ」
「わかった」
 そういうと永田は渡辺の毛髪を引っ張って顎をそらした。渡辺ののどの面積が広くなる。そこにナイフをあててスッと横に引いた。渡辺の胸が真っ赤になった。
「徳田たちをあてにしているのだろう。あいつらも死んだ」
 私たち五人は凍りついた。一日のあいだに永田一人に五人殺された。
 奴を殺さなければ。でないとこっちが殺される。奴の武器は弓だ。この島の木でどのようにして弓を作ったのか知らないが、それさえ取り上げれば制圧できる。五人いっせいに飛びかかれば可能だが、奴とのあいだに泉がある。直径五メートルほどの円形の水たまりだ。
 二手に分かれて泉の周囲を走る。だれか一人はやられるが、矢をつがえている間に四人がかりで押さえられる。
「永田。聞け。お前は一人だ。こっちは五人。お前は眠ることもできんぞ」
 怒鳴りながらジリジリと前進する。
「動くな。これを見ろ」
 足下から袋を拾って手に持った。
「積荷に農薬があったのを憶えているか。それが入ったコンテナが俺の所に流れてきた。それを袋に詰めた。ちょっとでも動くと泉にほりこむぞ」
 足を止めた私は隣の喜田に聞いた。
「奴のいっていることは本当か」
「本当だ。積荷のリストに農薬は確かに載っていた」
「奴はその事を知っているか」
「奴の仕事から考えて知っている可能性が高い」
「では、あの中身は本当に農薬だと思うか」「そうかも知れない。はったりかも知れない」「その農薬が入ったコンテナには他に何が入っていた」
「輪ゴムだ」
「輪ゴム?」
「そう大量の輪ゴムだ」
 その時永田が怒鳴った。
「これを見ろ」
 泉の上に木の枝が張り出している。その枝の先端に永田が持つ袋と同じ袋がぶら下げてあり、細いひもにつながっている。ひもは永田の手元まで伸びていた。
「俺はこのひもを手首にくくって寝る。少しでも異変を感じたらひもを切る」
「そんなことをしたらお前も水を飲めなくなるぞ」
「お前たちに捕まるぐらいなら死んだ方がましだ」
「で、俺たちにどうしろというんだ」
「お前たちは、今から俺の奴隷だ。今日はひとまずキャンプに帰れ。明日早くここに来い。仕事をいいつける」
 キャンプに戻った。
「どうする」
「どうしようもないな。水源を押さえられているのでは」
「そうだな弓だけならどうにかなるが、あの泉の水がないと生きていけない」
「あの農薬、はったりかもしれんぞ」
「その可能性もある。しかし試すには危険が大きい」
「ま、とにかく様子を見て、奴のスキを見つけるしかないだろう」
 四人が永田のいう「農薬」の対策に頭を悩ましている。私は四人のいうことをじっと聞いていた。
「あんたはどう思う」
 私に意見を求めてきた。
「あの農薬の件は俺に任せてくれ。必ずどうにかする。これ以上人が死ぬのは嫌だ」
「どうにかするって、どうする」
 私は絶対確実な方法を四人に話した。四人とも納得してくれた。 
 朝になった。
「どうする行くか」
「いや。ここにいた方がいい。やつのいうままになることはない」
「泉に毒を入れられるかも」
「脅しでやっているんだから、われわれの目の前で入れるだろう」
 五人から少し離れた所の草むらが揺れた。草むらが殺気を放った。永田が現れた。ボウガンのような物を構えている。
「俺は朝になれば来いといったはずだ」
「待て、永田」
 撃った。三十センチほどの矢が飛んで来て喜田の額に突き刺さった。喜田はそのまま後ろに倒れて、四肢をけいれんさせた。
「見たろ。俺のいうことを聞かん奴は死ぬ」
 
 もう昼だろう。時計が無いから判らないが、太陽の位置、腹の空き具合からだいたいの時間は判る。
 もう限界だ。空腹はなんとか我慢できるが、喉の渇きだけは我慢できない。
 私たち四人は朝から木の切り出し作業をやらされている。なんでも泉のほとりにログハウスを建てるそうだ。
 永田はボウガンを肩にかついで私たちを見張っている。もちろん農薬のひもはしっかり手首に結び付けている。
 必要な数の木材を切り出したはずだ。もうそろそろ水と食事にありつきたい。休息をとりたい。
「頼む。水を飲ませくれ。少し休ませてくれ」「だめだ。その木を長さ三メートルに切りそろえろ」
 夜までかかった。その間、永田は私たちが水、食べ物を口にすることを一切許さなかった。夜、キャンプに帰ってやっと水を飲み食べ物を食べた。
 次の日、昨日切った木を全部捨てるように命じられた。同じように木を切り出し、今度は四メートルに切らされた。やはり夜までかかった。キャンプに帰った。水は昨日飲んだ分でなくなっていた。こんなことが三日続いた。
「永田、泉の水をくれ。俺たちのキャンプの水はなくなった」
「だめだ」
「お前の目的は何だ。俺たちを奴隷にしてこき使っている。お前の復讐は充分に成し遂げられただろう」
「まだ足らん」
「どうすれば満足する」
「俺にもわからん」
 この永田の言葉が終わらぬ内に私は永田に向かって走り出した。他の三人も同時にダッシュした。
 奴自身も自分の怒りがどうすれば治まるか分からないのだろう。この復讐劇は結末が分からない。結末の分からない復讐ほど始末にわるい物はない。
 永田は撃った。しかし矢は奴のすぐ前に落ちた。永田は輪ゴムを何重にも重ね合わせた物をつないで、それを撚り合せて太いゴムとしてゴム鉄砲の大きな物を作っていた。
「この島の木で弓はできない。お前のボウガンは積荷の輪ゴムが動力だろう。その輪ゴム、あまり上等の品物じゃない。劣化が早い。もうそろそろ使い物にならなくなっているころだ」
 切れたゴムを捨て、スペアのゴムに付け替えようとした。
 奴はボウガンの端を地面につけて固定して、反対の端のフックにゴムをかけようとしている。ゴムはまた切れた。
 私たちが永田を取り押さえようとしたが、一瞬早く、小袋を泉に投げ入れた。そして手に持った矢で自分の胸を突き刺した。
 奴が死んでから、四人とも泉の水を存分に飲んだ。奴が投げ入れたのは小麦粉だった。
 農薬は最初から船積みされていなかった。私は通信士だ。リストには確かに農薬が船積みされたように記載されている。しかし、それは記載ミスで、台風に遭遇する直前に連絡を受けていた。船長に報告して、それからほどなくして船を離れた。
 奴がボウガンに使っている輪ゴムの品質が劣悪なことも知っていた。だから船は予定通りにホーチミン市に予定通りに着かなくてはいけなかった。
 私は輪ゴムの品質が劣化するのを待っていた。そのためには死ななくてもいい仲間を死なせてしまった。 
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