被災地取材のテレビ報道で

2024年01月31日 | 日記・エッセイ・コラム

 先日のこと。テレビを点けたら、ニュースの時間だった。

 能登半島地震の被災地取材の映像が流れていた。

 反射的に画面に目を向けると、若い男性のレポーターが一人の中年かと思われる女性に、何か質問をしたところだった。

が、マイクを向けられたその女性は怯えたような目をしたまま、緊張した様子で立っていた。

 そして、何かをこらえるように、

 「さみしいわ、ふあんだわ、こわいわで……」と静かに答えて、うつむいた。

 若いレポーターはマイクを構えたまま、次の質問を噛み殺したように見えた。

 見ていて、私は、自然が裂けたとき、人間の感情は言葉に乗り切らないのだと思った。

 能登半島地震から、早、ひと月が経つ。

 

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