何やらバタバタしていた2月が行き、もうすっかり3月になりました。久しぶりのブログです。
『続 窓際のトットちゃん』を読んだ。
著者は言わずと知れた黒柳徹子だ。
父親は著名な音楽家で、庶民とはいいがたい、昔で言うハイソサエティーに属すと思われる家庭に生まれ、第二次世界大戦を体験し、戦後を体験し、昭和、平成、そして令和の今も現役として活躍している。
何かを意図しているでもなく、したり顔で教訓を垂れることもなく、人を煽るでもなく、そして己の才をひけらかすでもなく、押し付けがましくもなく、ただただ天与の明るさと素直さに包まれ育まれた、独特の感性を感じさせる文章であり語りだ。90歳という今日までの自分史を明るく、生き生きと語るトットちゃんだ。
その書き振りから、戦前、戦中、終戦。そして戦後の復興に至る時代に生きた人々の暮らしがどんなものだったのかが、他のどんな表現方法に拠るものよりも、私には我が身に沁みて、よーくわかった気がした。
戦後まもなくNHKのテレビジョン放送が始まり、そのテレビ時代の第一期生としてNHKテレビ放送の歴史とともに歩んできているトットちゃん。その生い立ち、家庭環境、戦前・戦中・戦後の人々との日々。国際的な平和・福祉活動。そして長寿のテレビ番組となっている番組開始から49年目を迎えたという「徹子の部屋」。ページをめくるほどに、私は彼女の存在とその人生はまさに奇跡だと思った。
そんな人生を歩く人を私は知らない。
その天与の明るさと素直さと独特の感性で現実をちゃんと受け入れ、しかもどこまでも前を向いて人生を歩む人は、これからはもう出てこないだろうと思うくらいだ。
90歳になるというトットちゃんにはトットちゃんのままに歩き続け、年齢を重ねても変わらぬその天与の明るさと素直さに包まれた独特の感性で、体験した時代のことをあとに続く者たちに語り尽くしてほしいと思う。
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