自然を受け容れるということ

2019年10月20日 | 日記・エッセイ・コラム

 私たちは目の前に起こる自然現象について、時に「自然の恩恵」とか「自然の恵み」などと言ってみたり、あるいは時に「自然の驚異」とか「自然の警告」などと表現することがあります。それは、自然が私たちを愛おしんでくれていたり、あるいは私たちに危険を予告してくれていると、私たち人間が感じるからなのでしょうか。それは私たち人間が私たち同様に自然にも意思があり、感性さえもあるかのように思っているからなのでしょうか。

 

 自然の懐に抱かれている?

 自然が我々に警鐘を鳴らしている?

 空が泣いている?

 風がささやいている?

 星は何でも知っている?

 まさか!

 

 私たちは分かっているのです。自然に意思や感性などはないことを。

 台風などの暴風雨によって引き起こされる我が国各地での甚大な自然災害。いえ、それは我が国だけではなく、今や全地球的規模での現象となっています。しかし、それは自然による私たち人間に対する警告でも、ましてや私たち人間の存在の在り方に対する仕打ちでもなく、単なる自然現象なのです。

 自然は私たち人間を愛おしむことなどもなく、かといって憎むこともなく、ただただ、それこそ自然の道理に従って存在し、変化し、現象しているだけのことです。

 

「自然には逆らえない……」

「自然には勝てない……」

「まさか私たちがこんな目に合うとは思ってもみなかった……」

 

 いや、自然は私たちに敵対するためにあるのではなく、自然は自然存在の一部でもある私たちのためにこそあるのです。

 だから、私は自然を素直に受け容れたい。

 遠い昔、私たち人間がそうであったように。

 

 私たちの存在も自然。あなたも私も自然の存在。

 だとすれば、障害者の存在も自然。

 障害者も私たち人間を形成する大事な存在です。

 私はそういう自然を素直に受け容れたい。

 そういう自然を私たちは素直に受け容れなければならないと思うのです。

 

 

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アニメ映画「風の谷のナウシカ」

2019年10月04日 | 日記・エッセイ・コラム

 このアニメ映画が封切られた頃、私は東京にいたのだろうと思う。今は建て替わってしまったが、当時のJR渋谷駅東口にあった東急文化会館の壁面に、映画上映を宣伝する大きな懸垂幕が長く垂れ下がっていたのを、渋谷駅から文化会館に通じる通路を歩きながら見た記憶がある。「風の谷のナウシカ……?」「ナウシカ? ちょっと変わった名前だなぁ」と思ったことを今でも覚えている。「ナウシカ」という名前は私に不思議なインパクトを与えていたのかもしれない。

 

 ナウシカ  腐海(ふかい)  王蟲(おーむ)  瘴気(しょうき)  ユパ  メーヴェ  風の谷(かぜのたに)  巨神兵(きょしんへい) ……

「その者 青き衣をまとい 金色の野に降り立つべし …… 」

 

 長い長い国家間で繰り返される激しい戦争。人類同士の勢力抗争。それらによって破壊し尽くされた科学文明と自然。その結果、汚染されてしまった自然の中に出現した異形の生き物たち。その放つ瘴気は人間を死に追いやる。そうした終末世界に生きて人類と自然の再生を求め、悲しみと苦しみの中、敢然と起ち上がる少女ナウシカ。

 

 監督宮崎駿の執念の一作。その時の、宮崎駿のその警鐘はいったい誰かの耳に届いたのであろうか。

 35年前、宮崎駿は「腐海」や「王蟲」、「瘴気」や「巨神兵」などを駆使して警鐘を鳴らし、少女「ナウシカ」を登場させて、人類と自然の再生を試みようとしたのだ。

 地球温暖化が地球の自然と人類の未来を破壊する、と多くの科学者が警鐘を鳴らす現在。近年の地球規模の異常気象の報道をたびたび見聞きするにつけ、近い将来、地球温暖化が確実に自然破壊をもたらすことは誤魔化しようがない、否定しようがない、と緊張する私たち。

 経済成長と自然再生。国家エゴと自然再生。果たして、この世界の振り子はいったいどこで止まるのだろうか。

 アニメ映画「風の谷のナウシカ」には原作の漫画がある。長編だ。

 この35年間で何度かテレビで上映されたアニメ映画「風の谷のナウシカ」。それを見るたびに私は「ナウシカ」に密かに声援を送る。巨神兵を動かし、国家エゴをむき出しにして向かってくる者たちに対峙するナウシカ。メーヴェ(ジェット式小型グライダー)を操作し、己の身を犠牲にしてまでも戦うナウシカ。そして、

「その者 青き衣をまとい 金色の野に降り立つべし …… 」の言葉が、その映像とともに印象的に残る。

 

 宮崎駿は多くの作品を作っている。彼の作品の中では、他のどんな作品より何より、私はこの「風の谷のナウシカ」を推す。

 

「風の谷のナウシカ」の歌舞伎化が近々予定されているとの数日前の報道に触発されて、私のこのアニメ映画への思いを書き綴ってみた。

 

 

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