ビールを飲まない吉永小百合

2022年03月24日 | 日記・エッセイ・コラム

 私は以前、このブログの小見出し「テレビCM」(令和3年8月24日(火)付)で、昨今のビールや発泡酒のコマーシャルについて述べた。そこで私は、それらのコマーシャルがどれも、名の知れたタレント陣にそれぞれ各メーカーの新商品のビールや発泡酒を飲ませて、その感想をいかにもうまそうに言わせているばかりなのを皮肉ったのだ。

 「例えば、ビールや発泡酒の新商品のコマーシャル。どうして揃いも揃ってタレントに新商品を飲ませて、その感想を言わせる代物ばかりなのか。例えば、新発売のビールのコマーシャルでも、その新発売のビールを飲まないコマーシャルを作ってみようなどとは思わないのだろうか。競って飲むシーンばかりなのは大スポンサーの意向ということなのだろうか。プロとしての気概を持とう、と言いたい」(「テレビCM」から抜粋)

 ところがそのブログを読んだのかどうか分からないが(おそらく読んではいないだろうが)、新商品のビールを飲まないコマーシャルが出てきたのだ。

 それは大女優の吉永小百合を使ったコマーシャルで、メーカーはキリンビールだ。

 偶然、そのコマーシャルを目にした時、私は「してやったり!」と、心の内で拍手喝采した。これぞプロだと思った。新商品を飲んで「うまい!」と言わせるコマーシャルならだれでも作る。そこを頑張るのがプロなのよ。  

 そのコマーシャルでのビールを飲まない吉永小百合のコメント。これがまた振るってる。

「なんでビールはどれも同じなんだろう。なんでそれでいいと思ってたんだろう」

 こう言って、ビールを飲まない吉永小百合は言外に「これはうまい!」とほのめかしている。同業他社への皮肉とスパイスがよーく効いているコメントだ。これぞプロ。

 テレビ大好き人間としては、我が意を得たりのテレビコマーシャルだ。

 

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ある図書の紹介で

2022年03月10日 | 日記・エッセイ・コラム

 ある社会福祉の団体から、3冊の図書を紹介する原稿の執筆依頼がありました。書名などの詳細は述べられないが、その中の1冊で、以前から私が関心をもっている事柄に関する文章に遭遇したので、紹介します。 

 

  障害は個性だという人がいる。

    でももし私が歩けなかったら、聴こえなかったら、「あらあなた、それは個性なのよ」などと他人には言われたくない。

  家族にも友人にも言われたくない。

    言っていいのは、自分だけ。自分でそう思って、そう言うのはいい。けれど、親の気持ちは違う。少し違う。

       口には出さないし、いつも思っているわけじゃないけれど、心の中では、「申し訳ない」そんなふうに思うことがある。

 

   著者は聴覚、知的、四肢に障害がある娘の母親です。

 安易に「障害は個性だ」などと言いますまい。

 他人の人生への想像力が貧弱になってきているように思います。「共生社会」という言葉が恨めしくなります。

 

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