「力による現状変更をひとたび許せば世界は深い闇に覆われかねない。」(読売新聞 2022年2月25日夕刊 「よみうり寸評」から)
ロシアのウクライナへの侵攻が始まってしまった。世界が「まさかそこまでは」と高をくくっていたかもしれない強権国家ロシアの動き。その「まさか」が現実となった。今のロシアの権力者にとって西側諸国からの圧力は、想像以上に危機感をもたらしていたのか。その反動は一人の権力者の焦燥感によって同胞他国への軍事力による侵攻となって現実となった。過去の失地を回復したいという扁平な思想に諾うところなどない。
私たちにとって予定調和だった世界の国々の現状認識に油断があったということか。この暴挙が他の国々を刺激しかねないと危惧する向きもあるが、こうした国家や民族や宗教などの対立によって起こる綻びは、常に人間の死をその代償として求めてくる。
精神がおかしいんだ、と言ってみても、予定調和が破綻した現実に収まりがつくわけではない。果たして、経済制裁はどこまで有効に作用するのか。
深い闇から世界はいつ生還できるのだろうか。不安な疑問符ばかりが湧いてくる。
それにしても、報道関係からのインタビューを受けるウクライナの人々の日本語の上手なことには感心させられる。そこにはお互いの国への、そしてそこに暮らす人々への静かな敬意を感じる。
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