試練 親亡き後(あと)

2018年07月30日 | 日記・エッセイ・コラム

 昭和62年4月の開所当時から、ずっとさつき園に通って来てくれている○○さん。その○○さんのお父さんが亡くなられました。
 先日のお通夜、ご葬儀にそれぞれさつき園の利用者、保護者、職員、旧職員など20人ほどが参列させていただきました。
 私はご葬儀に参列いたしました。
 ご葬儀が終わり、出棺の準備が始まります。ご親族を中心に、生花で故人の周りを飾ります。そして棺に蓋がされます。
 すると、○○さんは蓋をされた棺の周りをゆっくり時計回りに回りながら、棺の4つの角を右手の人差し指でチョンチョンと触っていきます。その時に何か呟いているようですが、発語が言葉として聞き取りにくい○○さんですので、残念ながら聞き取れません。私はその思いを想像するほかありませんでしたが、想像出来ませんでした。○○さんは何を思っていたのでしょうか。
 亡くなられたお父さんは80代後半の年齢です。あとにはお母さんと○○さんたち3人のご兄弟が残されました。お母さんもご高齢です。ご兄弟の年齢も推して知るべしです。
 お父さんの思いはどうだったか。お母さんの思いはどうか。ご兄弟の思いはどうか。
 さつき園は○○さんのお父さんにはたくさん、たくさんお世話になりました。困ったことに遭遇すると、「えーよ。私がやりましょう」といつも助けていただきました。人間関係の執り成しも、さつき園の造作物の修理なども、人知れず、快く、請け負ってくださいました。それで園長の私はずいぶん助けられたものです。感謝しきれません。
 お父さんが亡くなられた後のご家族のこれから、○○さんのこれからは、ご家族で決められなくてはなりません。さつき園に出来ることは先導することではなく、支援することです。今後のことは、ご家族はそれぞれの立場で、これからのご自分の人生とご家族の人生との折り合いをつけていかねばならないのです。
 ご葬儀が終わり、○○さんは以前のようにさつき園に通所して来てくれています。が、私の思い過ごしでしょうか、心なしかどこか淋しそうに思えます。頑張ってほしいです。

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大ミス

2018年07月25日 | 日記・エッセイ・コラム

 大事な書類を郵便で送りました。その時、同封した送状でミスをして冷や汗をかく目に遭いました。
「このたびはお世話になります。標記の件につきまして同封にてお送りさせていただきますので、ご確認ご指示のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます」と、パソコンで書いたつもりが、
「このたびは世話になります。標記の件につきまして同封にてお送りさせていただきますので、ご確認ご指示のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます」と、打ってしまったのをきちんと読み直しをせずに、同封の書類に付けて簡易書留で送ってしまったのです。
「お世話になります」と打ったつもりが、何と「世話になります」になってしまっていたのです。
 郵便局から戻って、園長室の椅子に座って送状と書類の控えを確認したら、「このたびは世話になります」になっているではないですか。ヤクザじゃないつうの! これからお世話になろうとする人に向けた最初のあいさつなのです。なのに無礼千万なことです。
 後日、先方の職員さんから書類が届いた旨の電話をいただきましたので、すぐにそのことをお詫びしました。すると、
「あー、どうぞお気になさらずに」
 ミスはちゃんとお分かりになっておられました。横着をして、内容を確かめもせずに封入して送った私の大ミスです。
「このたびは世話になります」なんて、横柄な物言いをしてしまいました。
 暑さのせい? いえ、緊張感を欠いて、私が自分で勝手に仕事に軽重をつけていたからです。
「人も、そして組織も、日々をていねいに真剣に生きることが何より大事です。『日頃往生』というそうです」
 前回のブログにこう書いたばかりなのに、何と言うことか。お恥ずかしい限りです。


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生活習慣と日頃往生(ひごろ おうじょう)

2018年07月20日 | 日記・エッセイ・コラム

 今やもう、自分には関係ないなどと言ってはおられません。各地に甚大な被害をもたらす、想像をはるかに超えた我が国の近年の異常な気象現象。目の前に迫りくる災害から身を守るその一瞬の決断の仕方や、災害への備え方には、私たちの日頃の生活習慣が大きく影響していると思います。
 私たちには長年生活している間に身についた、多くの生活習慣があります。幼い頃からの親の躾で知らぬ間に身についた生活習慣。成長する過程で自ら思い立って身につけた生活習慣。そして、何かのきっかけでとうとう自分には中途半端にしか身につかなかった生活習慣。その生活習慣の延長線上には、その人の人生への構えが見えます。
 平成29年度、さつき園は厳しい財政状況でした。利用者の減、インフルエンザによる合計一週間の休園など、原因は複数考えられますが、今ここでさつき園はさつき園の日頃の生活習慣を見直さねばなりません。
 人も、そして組織も、日々をていねいに真剣に生きることが何より大事です。「日頃往生」というそうです。


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想像力と精度

2018年07月06日 | 日記・エッセイ・コラム

 サッカー・ワールドカップ ロシア大会。
 日本は予選リーグを勝ち上がり、決勝トーナメント進出を決めたが、歓喜の2得点をまさかの3失点で吐き出し、敗退した。
 評価はいろいろある。
 予選リーグ初戦を勝った試合後のインタビューに答えたある選手の一言が耳に残っている。
「よくあそこで決めましたねえー」
「はい。ああいった場面を想定して練習でしっかりやっていましたから」
 スポーツの勝負、大事なのは想像力なのだ。どれほどの想像力を働かせることが出来て、それを本番でもやれるようになるまで、頭で考えて反応するようなレベルではなく、もう自然に体が反応するようになるまで何度も何度も、飽きるほど繰り返し繰り返し練習するのだ。それには対戦相手の上を行く想像力と、シュートを決めるまでの一連の動作が体に沁み込むまで練習する強い体力と強い精神力と「勝つ!」という強い意志が要る。
 しかし、そこでまた考える。
 では、練習でも想定したことのない、こちらの想像を超えた相手選手の動きにはどう対応するのか。
 例えば、凄まじい練習で身につけた何千通りかの動きを変形したり、あるいは応用したり、組み合わせたりして対応するのか。その時、その選手個人の体格や身体能力や精神力が、そしてそれまでの何十年かの育ちの環境や経て来た時間の質が、思想や感性や世界観や人間観までもが、その一瞬の間に査定される。
 そのゲームに必要と思われるあらゆる動きを想像し、体に沁み込ませるために来る日も来る日も練習を繰り返す。必ずやって来る査定の瞬間を勝ち抜くには、可能な限り想定する動きの精度上げるほかない、と思われる。
 よく「練習は嘘をつかない」と聞くが、相手を遥かに凌ぐ想像力を鍛え上げ、そしてその精度を上げなければ、どれほど多くの練習をこなしても、その量だけでは一瞬の査定には勝てない。
 よく頑張ったと思う。
 また4年後に向けて、想像力と精度をなお鍛え直すほかはない。


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