さつき園を退職しておよそ３週間が経った。それまでの仕事すべてから退いたわけではないので、気持ちも気分もいささかも退職前と変わらない。ただ、時間に追われる感覚は薄れている。
スマホとパソコンとメールとＦＡＸと郵便を使って、与えられた仕事をさせてもらっている。時々、出張ることもある。
ただ、利用者に会えないのが残念至極だ。これまでいかにたくさんの滋養と気力、そして温もりとユーモアとを利用者から与えてもらっていたかをしみじみと感じている。
私は園長という立場の者としてではなく、お互いに＜類＞を生きる＜個＞同士として、真摯に利用者との時を過ごしてきた。それらのかけがえのない多くの時が私の精神を育て、私に志を宿してくれた。
私はこれからどんな道を行くのだろうか。どんな道を歩こうとしているのだろうか。
歩き続けるからには、遠くまで、遥か遠くまで、おとがいを上げてその道を歩いて行こうと思う。
このブログへのアクセスは、
１）これまで同様に「周防大島町 さつき園 園長室」等で、または、
２）「さらばさつき園園長室 障害者福祉の明日を語ろう」等で検索可能です。
急性リンパ性白血病から日本女子水泳競技の第一人者の池江璃花子が復活した。いったい誰が彼女のこんな早期の第一線への復活を予想しただろうか。
２０１９年２月、急性リンパ性白血病の診断を受けた彼女は、直後はショックで大泣きしたという。しかし生来のポジティブさで、1年開催が延期された東京五輪への挑戦を切り替え、次回２０２４年のパリ五輪を目標にしての闘病生活を開始していた。
この復活は必然にしろ、偶然にしろ、さまざまなことが彼女を復活させるべくその1点に集中したのだと思う。そこにはもちろん本人の努力、体力、精神力、家族の努力もあった。そしてもちろん医学の力もあった。関係者の努力、支援もあった。多くの人々の励ましもあっただろう。
しかし私は、それらを超えて、彼女には３歳から始めたという水泳が、泳ぐことが「何より好きだ」という、本人の自覚を超えた無意識の、彼女の命の在りようがこの奇跡の復活をもたらしたのだと思う。
「あれをしたい」「これをしたい」ではなく、本人すら自覚していない無意識の深部で本人の命が本人に与えている命の表出ということがあるのだ。私たちは「好きこそ物の上手なれ」というが、そこに向かって本人が性根を据えて、長年一心に努力を続ける時、研ぎ澄まされた命は稀に、本当に稀に自他をも巻き込んで、奇跡をもたらすのではないだろうか。
しかし、しかしだ。あまりに早い彼女の復活を知らされて、私は果たしてそれを信じていいものかどうかと途惑ってもいるのだ。
果たして、彼女に奇跡は起きたのだろうか。
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先月末日、令和３年３月３１日に社会福祉法人さつき会さつき園園長を退職いたしました。さつき会さつき園には平成８年９月１日から２４年６ヵ月お世話になりました。今は退職直後ですので、自身の中にはいろんな思いがあるのでしょうが、言葉になりません。
そして、施設長を退職しましたので、現在の一般財団法人山口県知的障害者福祉協会の会長としてはこの６月の評議員会までの任期となります。福祉協会では施設・事業所の施設長でないと協会の役員にはなれないのです。
しかしながら、完全に障害者福祉との関係がなくなったわけではありませんので、これからもよろしくお願いします。それは社会福祉法人山口県社会福祉協議会内に事務局を置く、山口県障害福祉サービス協議会（ホームページをご覧いただくとありがたいです）という組織は個人会員を認めていることから、「引き続き会長を務めよ」と理事等の皆さんのご承認をいただいたからです。
ですので、障害者福祉とはその関係者として、そして何より類の中の個として、これからもしっかり向き合って行こうと思います。
どうぞ、倍旧のご理解、ご関心、ご指導、ご支援をよろしくお願いいたします。
以上、ブログ新装開店（？）のご挨拶を申し上げさせていただきました。
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このたび（２０２１年/令和３年３月３１日)ブログ「園長室」を閉じました。長年のお付き合いありがとうございました。現在、新規ブログ開設に向け準備中です。恐れ入りますが、今しばらくお待ちください。
園長を退職しても、障害者福祉やそれらに関する事柄、また折々の思いを綴っていこうと思います。どうぞ皆様、これまで同様にまたお付き合いいただきたく、よろしくお願いいたします。
