その日、私はテレビで立て続けに二つの映像を見ました。
それはある脳神経外科医が脳梗塞や脳出血、くも膜下出血などの脳卒中に加え、未破裂脳動脈瘤や脳腫瘍などの中枢神経系疾患に対し、最先端の高度脳神経外科治療としての手術を施す映像でした。
もう一つは別のチャンネルで、度重なる砲撃や銃撃によって繰り返される人間の殺戮と建物破壊の映像でした。
そこには目の前の人間の命に向き合い、一人の人間の命を救おうとする人間がいました。片や、人間の精神を弄び、平然と老若男女の区別なく、夥しい数の人間の命を奪う人間がいました。
その時私は、図らずも人間の命に向かって対照的な意識と価値観を持って行動する二人の人間に関する映像を一気に見ることになったのでした。
いつの時代でも、人間の命を救おうとする人間はいる。また、反対に人間の命を奪う人間がいる。そうだろうことは分かる。分かるけれども、しかしその時、対照的な二つの衝撃的な映像を続けて見た私の精神は、言葉もなく、呆然と立ち尽くしてしまったのです。
これは私たちの遠い祖先から続く、その出現以来、不可避的に負っている人間存在の現実なのでしょう………か。私たちはこれを超えることは出来ないのだろうか。
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