3月末に退職しておよそ半年。自分でも驚いていますが、その間に15冊の本を読んでいました。中身を読み飛ばした本も数に入れると20冊近くになります。
その中で、「むー」と読みながら唸ってしまった文章があります。
それは長年、マスコミの最先端で働いてきて、定年を迎えて退職した人の書かれた本で出合いました。
内容を要約しますと、「日本が農業国から工業国へ変化していく過程での、農山漁村から都市への人口の流出、あるいは大家族が崩壊し、核家族へ移行していく等々の社会現象に関する種々のデータを私は仕事柄、広く人々に知らせはするが、それらのデータはあくまで仕事のためのデータに過ぎず、自分の実感にはなっていなかったのです」という内容でした。
続きの文章を本文から引用します。
私は、(中略)この過疎の実際の姿を全く知らなかった自分を、ジャーナリストとして恥ずかしいと思いました。その時の気持ちは(中略)今も、胸の底につかえています。私はしょせん口舌(くぜつ)の徒に過ぎなかったのでした。
読んでいた私は、果たして我が身はどうかと振り返り、思わず「むー」と唸ってしまっていたのです。
「私はしょせん口舌(くぜつ)の徒に過ぎなかったのでした」
厳しい言葉です。
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