障害者虐待防止研修会事例発表

2018年01月29日 | 日記・エッセイ・コラム

 何の因果か、先週、東京に思いのほか雪が降って積もった日。私は東京にいました。その日、障害者虐待防止をテーマとした研修会で、私は事例発表者としての参加を依頼されていたのです。
 その研修会の会場は、もう20年以上も昔の日々に、私が仕事で何度も訪れていた建物でした。しかし、長年訪れていましたが、雪景色の中でその建物を見た記憶はありません。ですので、重いテーマの研修会での事例発表にもかかわらず、少しばかり新鮮な思いを持って研修会に参加しました。

 今日、その研修会の参加者約180名の中のお一人から、私宛てにお便りが届きました。
「……。古川さんのご発言は、きれい事では解決しない、だからこそ本気で虐待をなくしたい、という思いがストレートに伝わってきたように感じました。壇上であのようなご発言をされることは、それこそ私自身であれば相当の「勇気」が必要なことです。……」「……。研修では、率直なお話を本当にありがとうございました。……」

 障害者福祉施設従事者等による障害者虐待を受けたと思われる障害者を発見した者は、速やかに、これを市町村に通報しなければならない。(障害者虐待防止法第16条)

 私は事例発表でいろいろ紹介したり発言する中で、この条文に対する私の異見を述べたのです。
『虐待の通報者は法の中では守られることになってはいても、だからといって職員に通報義務を強いるのは酷です。職場の同僚のしたことを虐待かもしれないとして通報すれば、「今の職場の人間関係が壊れるかもしれない」あるいは「自分はこの職場を追われるかもしれない」と、現場の職員は独り悩むのだ』と。『そうした現実があるにもかかわらず、それを条文1つで、通報義務があるから通報しなさい。通報したら私たちが動きますよ、として通報義務を強いるのはおかしい』と言いました。

 障害者虐待防止・根絶への取り組みは、もっともっと障害者福祉の現場で日々悩み、疲弊しながらも障害者支援に携わっている職員の現実とその日々の努力に関心と問題意識とを持ち、構造的に捉え返さねば、きっと私たちは問題の本質を見誤り、真の解決には至らないと思います。
 思いもかけぬお便りをいただいて、雪の東京にわざわざ出かけて行った甲斐があったかなあ、と寒く冷たかった東京の夜を思います。


 ようこそブログ『園長室』にお越しくださいました。どうぞ、社会福祉法人さつき会のホームページへもお立ち寄りください。皆様に親しまれるホームページ作りに努力いたしますので、是非、ご意見ご感想をお寄せください。ホームページへのアクセスは下記へお願いいたします。
  アクセス ⇒ http://satsukikai-oshima.com/
 なお、ホームページ内のさつき園のページから、このブログ『園長室』を覗くこともできます。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

送水管破断

2018年01月16日 | 日記・エッセイ・コラム

 1月12日(金)午前10時前。
 最初にさつき園に届いた情報。
「大島大橋に沿って敷設してある柳井市から周防大島町への送水管が破裂しているそうです。断水する可能があるので、すでに下関市や周南市などから給水車が町の総合庁舎前に来ているそうです」
 次にさつき園で入手した情報。
「大島大橋の送水管が水漏れしています」「3日かかるか4日かかるか、復旧の目処は立っていません」
 最初の情報を聞いて、さつき園にいた私たちは少し慌てました。
「送水管が破裂したんか!」
 ところが、念のためにこちらから確認した次の情報を聞いて、私たちは少し安心してしまいました。
「何だ、漏水か!」
 言葉の違いで、慌てたり安心したり……。
 しかし、事態は相当に深刻なものでした。
 私は午後に外せない所用があったので出張しましたが、気が気ではありません。でも、さつき園では少し早めに昼食にしたり、食器を紙製にしたりして、出来る対応をしっかりしたようで、何とか利用者の帰りの送迎まで、平常通り支障なく出来たとのことでした。
 偶然にもその日が金曜日だったので、明日からの通所をどうするかをすぐに決定する必要がなかったので、取りあえずはよかったのですが、これが翌日も平日が続いていたらどうだったでしょうか。
 この時早くも、お隣りの大島中学校は来週の月曜日は弁当持参にしたとか。
 復旧は日曜日の午後になるか、とのテレビニュースもあり、翌日の土曜日は様子見の1日でした。
 翌14日(日)。復旧工事は終わったものの、素人判断でも、送水が再開されても水が島内全域に行き渡るには相当な日数を要するものと思われました。心配なので、私は午前中にさつき園に行ってみました。園に着いてすぐに、屋外の洗い場の蛇口をひねってみると、何と、水が勢いよく出て来たのです。
「うおー、出るじゃん!」
 途中、水と一緒に空気も出て来て、「ぶっ、ぶっ」と音を立てています。さつき園ではこの時すでに水道は復旧していました。
 今日(16日・火)の午後の時点で、島内ではまだ2ヵ所に給水車を出しているそうです。
 今回の断水で、私たちは周防大島という島の大きさを感じさせられたのと同時に、私たちは海に囲まれた『島』にいるのだと、しみじみ思い知らされました。
 日ごろは世間の風潮に流されるままに、地震や津波を想定するばかりでしたが、私たちは、本土の柳井市と周防大島町を結ぶ全長1020mの大島大橋が落ちたら、『水』が断たれる環境にあるのです。
 電気も大事。食料も大事。そして水も大事でした。私たちの命をつなぐ水。その送水管は直径45cm管が1本だけだったとか。
 昭和51年7月に開通した大島大橋。今年7月で築42年を迎えます。
 (今、午後5時30分。島内の水道が全面復旧したとの役場水道課からの無線が入りました)


 ようこそブログ『園長室』にお越しくださいました。どうぞ、社会福祉法人さつき会のホームページへもお立ち寄りください。皆様に親しまれるホームページ作りに努力いたしますので、是非、ご意見ご感想をお寄せください。ホームページへのアクセスは下記へお願いいたします。
  アクセス ⇒ http://satsukikai-oshima.com/
 なお、ホームページ内のさつき園のページから、このブログ『園長室』を覗くこともできます。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

心の支援

2018年01月05日 | 日記・エッセイ・コラム

 新年を迎え、さつき園は今日から通所開始です。
 インフルエンザも収まり、利用者は元気に通所して来ました。居ないと寂しい利用者。居ると、まあよく喋ること。でも、それでいい。それがいい。
 昨年末、さつき園は利用者、職員ともにインフルエンザ罹患者が多く、一週間の休園を余儀なくされました。園長の判断が甘く、利用者、保護者、そして職員の皆さんに多大な不安とご迷惑をおかけしてしまいました。申し訳ありませんでした。深く反省し、今後に生かします。
 近年、岩国・柳井圏域内にはいくつかの、さつき園と同じような障害福祉サービス事業所が開設されています。しかし、その規模はさつき園ほどではなく10人~20人定員といった比較的中・小規模の事業所です。
 今年度は、それらの新設の事業所へ利用契約を変更したり、入所施設に入る利用者があったり、就職が決まって退園したり、思わぬ悲しい死去などもあり、今年度のさつき園は1人増6人減で、現在、利用者は現員51名(定員52名)となっています。
 昭和62年の開設以来、さつき園の定員は20名→30名→45名→52名と経過してきました。
 そんなさつき園ですが、私は今くらいが丁度いい人数規模と思っています。何故かというと、51名が通って来るさつき園は、利用者の年齢層も20代から70代までと幅広く、そこには一つの社会が出来ており、利用者はここで家庭では体験できない様々な人たちとの間で様々な関係を体験出来ているからです。
 優しくすること、我慢すること、お世話すること、けんかすること、助けてあげること、みんなで大笑いすること、大声上げて泣くこと、いろいろなあいさつをすること、園長となぞなぞをすること、職員と世間話をすること、告げ口すること、自分を主張すること、そっと慰めてあげること……。こうしたことは、さつき園という空間で利用者同士、生の人間がし合うお互いの心の支援なのです。それはさつき園が提供する大事な支援の一つでもあります。
 さあ、さつき園は、今年もみんなで明るく元気に、健康に注意して頑張ります。
 どうぞ、みなさまお気軽にさつき園にお越しください。何より利用者が競ってスリッパをお出しして待っておりますよ。
 今年もよろしくお願いします。


 ようこそブログ『園長室』にお越しくださいました。どうぞ、社会福祉法人さつき会のホームページへもお立ち寄りください。皆様に親しまれるホームページ作りに努力いたしますので、是非、ご意見ご感想をお寄せください。ホームページへのアクセスは下記へお願いいたします。
  アクセス ⇒ http://satsukikai-oshima.com/
 なお、ホームページ内のさつき園のページから、このブログ『園長室』を覗くこともできます。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

年始のごあいさつ

2018年01月01日 | 日記・エッセイ・コラム

 あけましておめでとうございます  戌

 与えられた時間と空間の中で
 今年も精一杯歩いて行こうと思います
 ご指導のほどよろしくお願いいたします

   平成30年 元旦
               古川英希

 年賀状をお届けすることが出来ない皆様に、この場を借りて、年始のごあいさつをさせていただきます。
 お受け取りいただければ幸いです。
 どうぞ皆様、本年もよろしくお願い申し上げます。

 ところで、
 「与えられた」って?  誰から?
 「時間と空間の中で」って? どういうこと? 何のこと? 
 「精一杯」って? 「一生懸命」とどう違うの?
 「歩いて行こうと」って? 「努力していこう」とどう違うの? 

 新年を迎えての、私の心境です。お察しいただければうれしいです。

 
 ようこそブログ『園長室』にお越しくださいました。どうぞ、社会福祉法人さつき会のホームページへもお立ち寄りください。皆様に親しまれるホームページ作りに努力いたしますので、是非、ご意見ご感想をお寄せください。ホームページへのアクセスは下記へお願いいたします。
  アクセス ⇒ http://satsukikai-oshima.com/
 なお、ホームページ内のさつき園のページから、このブログ『園長室』を覗くこともできます。



 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする