毎朝、さつき園にやって来ると、必ず事務所や厨房や園長室に顔を覗けて「お早う!」の挨拶をするのが日課の○○さん。
その○○さんはこの時期になると必ず、「うちゃー花粉症じゃけ―鼻水が止まらんのんよ」と、毎朝のあいさつの後に続けます。
今朝も「お早う!」と言いながら園長室のドアを開けるなり、「あのね、うちゃー花粉症じゃけ―鼻水が止まらんのんよ」と、さも辛そうに言います。
「そうか。花粉症かぁー、そりゃ辛かろうのー」と私。
すると今朝はそれに続けて、「じゃけー、今日も鼻水が出て止まらんのよ」とマスクの上から鼻を摘まみながら言います。
「えっ? 今日も鼻水が出て止まらんのかいねぇ?! あのね。今日は雨が降りよるけ―ねー、花粉は飛ばんのんよ。ラジオの天気予報の人がそう言いよったでー」
「うーん、そうかね」とちょっと目が泳いだように見えた○○さん。
「あのね、雨が降ると花粉は雨に濡れて地面に落ちるんと。じゃけ―花粉は雨の日は飛んでないんと」と私。
「ふーん、今日は飛んでないんか」と言って、そそくさと園長室のドアを閉めていく○○さん。
○○さんにとって、花粉症は周りの人の関心を呼ぶ大事なアイテムなのです。
知的障害の人の中にはちょっとしたケガや風邪気味で軽く咳などが出ることを回りの人に心配してもらうための大事なチャンスにしている人がいます。それは知的障害の人たちは自分のことをやさしく心配してもらうことが、その人生の中であまり体験することがないからなのではないかと思うのですが、どうでしょうか。
だから、そんな時、私たちはやさしくちょっと心配してあげるのです。
なのに、今日はちょっと○○さんに悪かったかなあーと、雨の音を聞きながら、少し反省している園長さんです。
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